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私の株式選別方法ー2024/06/05 レーザーテック株価急落について

2024/06/05 レーザーテックの株価が急落しました。
まずは以下の記事を見てみましょう。

2024年6月5日 11:22 JST 更新日時 2024年6月5日 13:55 JST
アクティビスト(物言う株主)でショートセラー(空売り投資家)のスコーピオン・キャピタルは日本の半導体関連メーカーのレーザーテックに狙いを定めて、会計が疑わしいなどとリポートに記した。

  東京市場で報道前に下落していたレーザーテック株はリポートを受けて一時8.7%安を付けた後、下げ幅を縮小している。広報担当者は「リポートの内容は確認しているが、現時点でコメントできることはない」と回答した。世界的な半導体ブームに乗り外国人投資家が日本市場に参入、レーザーテック株は過去5年間で約18倍超と急騰して日経平均株価で最も高いパフォーマンスだった。

  空売り筋の活動は日本では珍しい。米マディー・ウォーターズ創設者のカーソン・ブロック氏は、2016年に日本電産(現ニデック)で初めて日本企業をターゲットにした。当日に株価は一時5.9%下落したが、取引終了時点ではほぼ下落を帳消しにした。

日電産とSMCが空売りの標的に、会計手法を疑問視-両社は反論

  岩井コスモ証券の斎藤和嘉シニアアナリストは、レーザーテックを狙ってくるのは「想定外の話」とし、不正会計をする会社とは思えないと述べた。売買代金が首位であることや、流動性が高いために目を付けられたのではないかと分析する。レーザーテックはインテルや台湾積体電路製造(TSMC)のサプライヤー。

  スコーピオンは過去にもハーモニー・バイオサイエンシズ・ホールディングスやツイストバイオサイエンスなど、日本以外の企業を標的にしてきた。

  みずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは「日本でトラックレコードのない、空売りを専門とした会社のリポートが市場ではそのままうのみにはされない」と指摘した。スコーピオン・キャピタルの日本での認知度は少ないとし「2件-3件と実績を積み上げないと信頼はされにくい」と述べた。

  空売りは株を借りて売り、後で安く買い戻すことで利益を得ようとする。賛成派は市場がより効率的になり、不適切な行動を取る企業経営者を抑えることができるという一方、反対派は手法がしばしば市場操作に似ていると主張している。

ブルームバーグより

スコーピオンのレポートの概要は以下になります。

• ⽇本の史上最⼤級の企業不正。収⼊・利益を共に誇⼤に計上した典型的な不正会計。看板商品であるACTIS極端紫外線マスク検査装置発売された2019年以来の累積純利益の約70%が、早晩、減損処理により抹消される。230億ドルという驚異的な時価総額も、世界でも最⾼級の出来⾼も、そろそろゲームオーバーだ。
• ACTIS商品は光源に致命的な問題を抱えている。他にも数々の「⼿の施しようがない」問題があり、装置として不良だ。レーザーテックはこれらの問題を投資家に隠して、まともに機能する極端紫外線技術を持たないにもかかわらず、「極端紫外線」銘柄の神話をつくりあげてきた。
• 棚卸資産⾼/売上⾼は全世界の半導体製造装置業界で最⾼⽔準にある。詐欺の証拠だ。
• 2023年11⽉に発表されたACTIS A300は、レーザーテックの次世代の極端紫外線マスク検査装置で将来の成⻑を牽引すると謳われているが、偽物だ。〝製品化〟発表は茶番劇だった。 前代機種でレーザーテックの看板商品であるACTIS A150に搭載されている、光源が抱える致命的な問題を隠蔽するために仕組まれたものだ。
• レーザーテックが横浜市で開発⼯事中であるという「レーザーテック・イノベーション・パーク」は詐欺だ。この施設は本社に隣接し、⼟地は5倍の⾯積で、2つも「ファブ」があり、研究開発と⽣産の拠点になる、と謳われている。この場所を⼿に⼊れるために、同社としては史上最⼤の設備投資を⾏った。しかし、各種の撮影を含め徹底的な現地調査を⾏った結果、当地では研究開発も⽣産も⾏われていないことがわかった。
• レーザーテックの最⼤の顧客、とりわけその売上⾼の約80%を占めるTSMC、インテル、サムスンという3社は、同社について葛藤、失望、苛⽴ちの思いを抱いている。TSMCとしては数年も前にACTIS装置の購⼊を⽌めたという。インテルでは、極端紫外線マスク検査の責任者は、レーザーテック製の装置について極度な不満を抱き、⼈を激しく怒鳴り散らしたりするので、会議へ出席禁⽌となった。
• レーザーテックの主要な顧客は同社製の装置について、性能、安定性、アップタイムについて不満を持っているため、KLAに競合品の開発を急ぐよう嘆願している。KLAがより優れた装置を発表するのは時間の問題だ。そうなると⼀気に状況が変わり、レーザーテックはゲームオーバーだ。

Xよりスコーピオンの記事を抜粋

上記の通り、かなり強い文句で非難されていますが、太文字にした部分について、注目していくと、インテルはレーザーテックに対し大きな不満を持っていることが書かれていますが、以下の事実はどうなるのでしょうか?

インテル コーポレーションより2024年度 EPIC Distinguished Supplier Awardを受賞
インテルのグローバルサプライチェーンから選ばれた29社中の1社に認定
当社はインテル コーポレーションより2024年度 EPIC Distinguished Supplier Awardを受賞しました。同賞は、卓越性、パートナーシップ、インクルージョンの推進、そしてたゆまぬ品質改善の追求によって、インテルの要求を上回るパフォーマンスを継続的に実現したサプライヤーに贈られる賞です。
インテル コーポレーション チーフグローバルオペレーションズオフィサーのKeyvan Esfarjani氏は次のようにコメントしています。「インテルの信頼すべき全サプライチェーンの中で EPIC Distinguished Supplier Awardを得た29社のうちの1社として、レーザーテックは半導体業界のサプライヤーの中でも際立った存在です。同社は改善への絶え間ない取り組みにより当社の期待を上回るパフォーマンスを達成し、その姿勢は関係各社のベンチマークとなっています。」
EPIC Distinguished Supplier Award は、インテルのパフォーマンス基準において一貫して高いレベルのパフォーマンスを示している企業を認定するものです。世界中で数千社をかぞえるインテルサプライヤーの中で、この EPICサプライヤープログラムへの参加資格を有する企業は数百社のみです。EPIC Distinguished Supplier Awardはサプライヤーに与えられる賞としては上から2番目の栄誉になります。2024年度における EPIC Distinguished Supplier Awardの受賞企業はインテルの全サプライチェーンの内、29社のみでした。
サプライヤーが同賞を受賞するには要求水準を上回り、高い目標を実現し、通年のパフォーマンス評価で80%以上のスコアを達成することが必要です。さらに、自社で策定した改善計画に対しても80%以上のスコアを達成し、優れた品質とビジネス体制を実証することが求められます。

レーザーテック 2024/03/29  IRより

私の感覚では、どうもスコーピオンの記事の方が怪しいと感じられるのですが、皆さんはどのように思われますか?
今後の顛末について、進展がありましたら、ここに追記していきます。

以下引用資料

2024/06/05  追加情報です。
レーザーテックよりIRが出ました。
レポートを明確に否定してますね。
本当に今回のレポートはひどい内容でしたね。。

一部報道について
本日 Scorpion Capital LLC において、当社の不正会計を疑うレポートが発行され、それを受け一部報道機関で報道されておりますが、不正会計の疑惑について明確に否定いたします。

レーザーテックIRより

以下引用先

2024/06/06 追加情報です。
粉飾決算でっち上げ?空売り機関の戯言レポート全部反論!許すまじ!という動画です。日本はなめられてる?

2024/06/07 追加情報です。
レーザーテックより追加のIRが出ました。

一部報道についての補足説明
昨日 2024 年 6 月 5 日、Scorpion Capital LLC において、当社の不正会計等を疑うレポートが発行されました。1)当社のアクティニック EUV パターンマスク欠陥検査装置 ACTIS シリーズ(以下、ACTIS シリーズ)に対する顧客評価や需要動向 2)会計処理において完成品を意図的に計上しないことによる
不正会計への疑義などが主に示されておりますが、当社は、以下の通り、当該製品に対する旺盛な需要を受けており、また適切な会計処理を実施していることをお知らせいたします。

レーザーテック IRより

製品別動向(売上高/受注高)
(1) 売上高
2024 年 6 月期第 3 四半期までの累計の売上高は 157,202 百万円、うち ACTIS シリーズの売上高は 76,561 百万円です。2023 年 6 月期通期の ACTIS シリーズの売上高 40,435 百万円に対し、第 3 四半期時点で既に大きく上回っております。

レーザーテック IRより
レーザーテック IRより

(2) 受注高
2024 年 6 月期第 3 四半期までの累計の受注高は 148,851 百万円、うち ACTIS シリーズの受注高は 68,406 百万円です。2023 年 6 月期通期の ACTIS シリーズへの受注額を第 3 四半期時点で上回っております。

レーザーテック IRより
レーザーテック IRより

棚卸資産の会計処理について
当社の販売は検収基準で行っております。当社の製品は、顧客先で組み立てて試運転を行い、個別仕様によるカスタマイズを施した段階で、顧客により完成品として検収されて、同時に売上計上されます。そのため、検収時点まで製品とはみなされないため、一般に公正妥当と認められる会計基準に従い、これを仕掛品と認識しております。
また、当社では装置製造によるリードタイムが 1 年から 2 年と長期に及ぶため、受注高の増加に伴い仕掛品も増加しております。一方で、仕掛品在庫の品質低下や陳腐化、販売価格の下落による価値減少については、内部統制プロセスに従い、毎期定期的に実施する実地棚卸や長期滞留在庫調査などにより、その結果を適正に在庫評価へ反映しております。
したがって、評価損や減損などは適正に会計処理されており、仕掛品の貸借対照表価額に反映されております。
以 上

レーザーテック IRより

いままでレーザーテックは製品ごとの内訳を開示してきませんでした。確かにIRに熱心ではないイメージがありましたが、今回は対応せざるを得ないと考え、早期に具体的数字を開示しました。
レーザーテックの今回のIRが真実ならば、スコーピオンのレポートが全くの事実無根となりますので、このことについて日本の当局が何もアクションを起こさないのであれば、第二の事件が発生するでしょうね。
当局にはしっかりと対応していただきたいものです。

以下資料

2024/06/15 追加情報です。
楽天 今中氏より、スコーピオンのレポートについての動画が配信されました。結論は以下です。

動画より

どうもスコーピオンのしたことを犯罪と立証することは難しいようです。正直納得できないですが、動画の結論からはスコーピオン側の悪意のあるデマと私は受け取りました。皆さんはどのように考えましたでしょうか?

以下引用先


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