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おたりスマートソンプロジェクト2019

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おたりスマートソンプロジェクトの記事をまとめたマガジンです。これから産官学連携を行いたいと思っている方の、プロジェクトの進め方のご参考になればと思っています。
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記事一覧

おたりスマートソンプロジェクト記事に関しまして

 おたりスマートソンプロジェクトの記事を書かせていただいておりましたが、美しい小谷村の自然をご紹介するにあたりご興味を持っていただく機会が、現状の外出自粛を余儀なくされている方々のストレスにならないだろうか、と考えておりました。  そんな折、小谷村観光連盟さまより以下のアナウンスがございました。  多くの地域で言えることですが、限られた医療資源とともに暮らされている地域において、互いの生活圏を超える移動は大きなリスクを持っています。 医療体制についての参考記事:  小

おたりスマートソンプロジェクトを振り返る Vol.0

 こちらの記事にありますように、「おたりスマートソンプロジェクト」が地域課題解決型データ流通プラットフォームの基礎になりました。この記事では、プロジェクトの紹介と流れについてご紹介していきます。 おたりスマートソンプロジェクトとは  「おたりスマートソンプロジェクト」は、長野県北安曇郡小谷村の地域課題をIoT技術を使って解決するプロジェクトです。小谷村ではエリアネットワークのSigfoxを利用可能とする整備が行われており、2019年度は水田の水位監視を省力化する為の安価な

おたりスマートソンプロジェクトを振り返る Vol.1

アイデアコンテストから産官学連携へ※ 本ページは研究室教員松井の視点から書かれています。 本プロジェクトの面白い点は、アイデアコンテストから実証実験につながった点にあると思います。現在、多くのテクノロジーに関連するアイデアコンテストやハッカソンのようにプロトタイプまで作り上げよう、というタイプのコンテストなど、様々な学生向けのコンテストが存在しています。 今回は東京電機大学卒業生の西垣さん、河西さんが京セラコミュニケーションシステム(KCCS、敬称略)主催の、Sigfox

おたりスマートソンプロジェクトを振り返る Vol.2

本記事は、Vol.0の時系列、 2019年5月16〜17日:知的情報空間研究室 「第1回小谷村訪問」システム に当たります。 官学プロジェクト Tips今回の訪問理由は、KCMEさんからご紹介いただいた小谷村役場さまに、 ・Sigfox対応水田水位管理システムのプレゼンテーション ・実証実験の仮現場 を確認させていただくためでした。KCMEご担当者さまと小谷村担当者さまにお時間いただき、水田水位管理システム案をお伝えしました。 プレゼンテーションの結果、実証

おたりスマートソンプロジェクトを振り返る Vol.3

本記事は、Vol.0の時系列、 2019年6月6〜 7日:知的情報空間研究室「第2回小谷村訪問」開発デバイスの紹介・水田の視察 に当たります。 前回と同じくKCMEさまと、小谷村役場にお伺いし、ご担当者さまとお打ち合わせしました。 開発デバイスの紹介ハードウェア: アイデアコンテストの際に審査員にお見せしたプロトタイプをベースに、更に実証実験で使用するデバイスの完成版に近づけたものをお持ちしました。 ソフトウェア: まずはどのような情報が欲しいのか、デザインが良いのか、

おたりスマートソンプロジェクトを振り返る Vol.4

本記事は、Vol.0の時系列、 5. 2019年7月9日:KCME×知的情報空間研究室「SPACETIDE 2019 in 虎ノ門ヒルズ」にてデモ展示 に当たります。 KCMEさまのご行為で、京セラ株式会社が参加されるSPACETIDE 2019に参加させていただきました。 SPACETIDEとは…、 SPACETIDE 2019 Concept (一部抜粋) SPACETIDEは、日本初となる民間による宇宙ビジネスカンファレンスを通し宇宙ベンチャー、大手企業、異業種企

おたりスマートソンプロジェクトを振り返る Vol.5

本記事は、Vol.0の時系列、 6. 2019年7月10〜12日:知的情報空間研究室 「第4回小谷村訪問」水田水位監視システムの設置」 に当たります。 設置事前準備 前回プレゼンテーションしたハードウェアを(物理的に)ブラッシュアップし、組み立てたデバイスを積み込み、東京電機大学からレンタカーで小谷村へ向かいました。 設置に関しては、これもマニュアル作成の天才河西さん(マニュアルだけでなくプロジェクトオーガナイズですね)が、事前に下見した水田の情報をもとに、設置

おたりスマートソンプロジェクトを振り返る Vol.6

 本記事は、Vol.0の時系列、7. 2019年7月24〜25日:知的情報空間研究室 「第5回小谷村訪問」水田水位監視システムユーザページ公開、に当たります。 水田水位監視システムおさらい 水田水位監視システムのデバイスは、大まかに「送信部」、「計測部」、「電源部」の3部から成り立っています。  前回のデバイス設置によって,計測部から水位センサおよび環境センサからデータを取得できるようになりました。今回はそのデータを情報化し、Webページから水田管理者の方に情報を提示しま

おたりスマートソンプロジェクトを振り返る Vol.7

 本記事は、Vol.0の時系列、8. 2019年8月、9月:知的情報空間研究室 「第6、7回小谷村訪問」水田水位監視システムの点検・アップデートに当たります。  本来であれば、フルリモートで実証実験を行うことが理想的ではありますが、ひとつひとつの水田の環境が異なったこともあり、何度か点検に小谷村にお伺いしました。 点検1回目訪問  今回はデバイスの見回りと、取材に来てくださった日本経済新聞(北関東・信越版)さま、信濃毎日新聞さまとお話させていただきました。  より

おたりスマートソンプロジェクトを振り返る Vol.8

 本記事は、Vol.0の時系列、9. 2019年9月19〜20日:知的情報空間研究室 「第8回小谷村訪問」水田水位監視システム回収、に当たります。  これまでの記事を読んでくださった方はお気づきかと思いますが、9月中旬から稲穂が黄色に色づき始め、刈り取りの時期が近づいていました。 2019年8月はまだまだ青い稲穂でした。   この時期になると水田の水張りは行わないため、本来であれば水田水位監視システムの利用は必要ありません。本システムでは、環境データを取得していたため、