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よりどりインドネシア第167号(2024年6月7日発行)

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国民住宅基金は誰のためか/『インドネシア政治とイスラーム主義 ひとつの現代史』/映画往復書簡(ジャラナン)/スラウェシ市民通信(マカッサル海峡を渡るパジュクカン村の漁民たち)
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記事一覧

[2024/06/07] 国民住宅基金(タペラ)は誰のためか(松井和久)

~『よりどりインドネシア』第167号(2024年6月7日発行)所収~ 大統領選挙と議会選挙が終わったインドネシアでは、10月の次期プラボウォ政権発足や統一地方首長選挙を控え、政治的駆け引き以外にも、いろいろな動きが起こっています。それは、憲法裁判所法案であり、放送法案であり、ヌサンタラ首都庁の正副長官の辞任であり、最高裁による地方首長選挙立候補者の年齢制限改訂の承認であり、と様々です。今号からしばらくは、そうした動きをピックアップして、『よりどりインドネシア』で取り上げて論

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[2024/06/07] インドネシア本乱読精読耽読 第1回:『インドネシア政治とイスラーム主義 ひとつの現代史』茅根由佳・著 名古屋大学出版会 2023年10月15日初版 本体5,800円+税(轟英明)

~『よりどりインドネシア』第167号(2024年6月7日発行)所収~ はじめにこれまで『よりどりインドネシア』では、インドネシア映画について言いたい放題好き勝手に書いてきましたが、今回発行人の松井さんのご厚意でインドネシアに関する書籍についても書かせていただけることになりました。 文学方面については、専門家の太田りべかさんにお任せして、こちらの連載では主に日本語で出版された人文系の本やノンフィクション本を取り上げたいと思います。すぐに入手可能な新刊だけでなく、やや古い本で

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[2024/06/07] 往復書簡-インドネシア映画縦横無尽 第82信:ストリートミュージシャンの現実と夢を生き生きと描く~カナダ人監督のドキュメンタリー快作『ジャラナン』より~(横山裕一)

~『よりどりインドネシア』第167号(2024年6月7日発行)所収~ 轟(とどろき)英明 様 5月中旬に一時帰国しましたが、穏やかな天候が続き、自転車に乗っているとツツジの花の香りを楽しむなど久々に爽快な春を味わえました。インドネシアで大汗かきながら歩き回るのも好きなのですが、この時期はやはり日本ならではの良さがあると改めて感じました。 さて、前回轟さんが取り上げたティーンズ・ロマンス作品は私も苦手なのが正直なところです。轟さんも触れた、『ビューティフル・デイズ』(Ad

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[2024/06/07] スラウェシ市民通信(9):魚を追いかけ、6ヵ月間の移住生活~マカッサル海峡を渡るパジュクカン村の漁民たち~(2007年9月翻訳)(ニラム・インダサリ/松井和久訳)

~『よりどりインドネシア』第167号(2024年6月7日発行)所収~ なぜ南カリマンタンへ?クンブン(サバ)漁の季節が来ると、南スラウェシ州マロス県のパジュクカン村は死んだようにひっそりとなる。この村の大半の漁民たちが、約6ヵ月の間、マカッサル海峡を挟んだ対岸の南カリマンタンへ、海を渡って漁に出かけるからである。こうした漁の伝統は先祖伝来のもので、世代から世代へと受け継がれてきた。 今回(2006年)の場合、80隻の漁船が出帆したが、一隻に平均で20人が乗り込む。すなわち

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