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僕が家族を連れてアメリカに移住したときのこと

僕が家族を連れてアメリカに移り住んで、あと数日で丸17年になります。その前にも高校、大学で通算5年住んでいるので、合計すると23年間もアメリカに住んでいることになります。

正直言って、まさかこんな長くアメリカに住むことになるとは夢にも思っていませんでした。3〜5年くらいで帰国するんじゃないか.... そんなふうに考えて始めたアメリカ生活でした。今日は、僕がそもそもなぜアメリカ移住を決意したのか。どんなところに迷ったか、そして最終的に何が僕を決断に向かわせたことなどについてお話ししたいと思います。

キャリア問題

僕が一番最初に海外移住を考え始めた原因は、キャリアの行き詰まりです。幸運に恵まれて30歳前半でアップルジャパンでマネージャーに抜擢されたのはよかったものの、割とすぐにキャリアの天井に行き着いてしまったのです。当時僕はSystem Test Engineering Tokyoという部署のマネージャをしていたのですが、僕の上司は本社のディレクターで、この時点でもう国内にはこれ以上のキャリアパスが存在しませんでした。30代の半ばで一番脂の乗っている時でしたし、一連の社内改革も片付けてしまったので、もはや東京にはチャレンジが存在しなかったのです。これが、海外移住を考え始めた最大の要因でした。

教育はどうする?

ちょうどその頃に長男が日本の公立の小学校に入学したのですが、授業参観に行って、タイムスリップしたかのような変わりばえのなさにかなり愕然としました。また、そのまま公立で進学すれば彼が6年後に行くであろう地元の中学はかなり荒れていました。それを避けようと思ったら、3年生くらいから塾に行かせて私立中学を受験させるしかありません。ただ、3年生くらいから塾に行かせることには大きな抵抗感がありました。「いったいこのまま日本で教育を受けさせていいのだろうか?」そんなふうに思い始めたのもこの頃でした。

年金、そして人口減少問題

もう一つ気になったのは、さほど遠くない将来に予想された人口減少とそれに伴う財政難や年金問題でした。息子の小学校に授業参観に行った時に、あまりにガラ空きの教室が多いのにはいささか驚かされ、少子化って実は相当ヤバいんじゃないかと思い始めたのです。また、まだ家を買ってほんの数年なのに、すでに地価が下がっているのも気になりました。ちなみに家を購入したのは辺鄙な場所とはいえ一応東京都内だったのです。それでも地価が下がるのですから、これは実は巷で言われているよりもずっと深刻なのではないか...と考えるようになったのです。色々と情報を集めてみると、このまま経済の低迷が長期化するであろうことも、やがて年金が破綻するであろうことも、すでに多くの識者たちが警鐘を鳴らしていました。日本に住み続けるのはあまり賢い選択ではないかも知れない....。そんな思いを強くしました。時はまだ平成真っ只中の、2000〜2001年くらいことです。

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