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なぜ僕らは「不幸」だと感じるのだろうか?

もっと疎外感が少ない世の中って、一体どうすれば実現できるんだろう...そんなことを考えながらアメリカに戻ってきました。

インターネットが普及して世界中の誰とでも瞬時に繋がれる世界が実現したというのに、より多くの人が疎外感を感じるようになったなんて、考えてみれば皮肉な話です。別に「昔の方がよかった」なんて思いませんが、自殺率の推移を見てみても、世の中は豊かになったはずなのに、不幸に感じる人の割合は確実に上がっているようなのです。終戦直後よりも今の方が確実に生活の質が向上したはずなのに、今の方が自殺者がずっと多いってなんだか不思議な話です。

厚生労働省自殺率の推移」より

なお、自殺率は失業率が連動するのは割とよく知られていますから、上下動はそれで説明がつきます。実際、こうして失業率を被せてみると、見事なくらい失業率に連動しています。最近はかなり減少していてホッとします。

なお、自殺率と失業率の関連は、特に男性でその傾向が顕著です。「男のプライドの源泉は仕事である」いう趣旨の記事を以前書いたことがありますが、まさしくこの通りなのです。

豊かな時代に不幸を感じるのはなぜなのか?

自殺率の上下動自体は失業率との連動で説明がつくにせよ、それ以外にも不思議なことがいくつか残ります。もっとも不思議なのは、今の方が圧倒的に豊かなはずなのに、なぜ終戦直後よりも自殺率が高いのかという点です。

現代社会は、失業中でだって冷暖房が完備された快適な家に住めるのです。食事に困る人はほとんどいないでしょう。ボタン一つ押せばお風呂が沸き、洗濯もできます。トイレにはウオッシュレットが付いており、いつでもどこでももスマホで遊んだり、情報収集したり、友達と連絡を取り合ったりすることが可能なのです。

しかしそれでも、人々は不幸感に苛まれ、中には命を絶ってしまう人で現れるのです。生活水準で言えば終戦直後と今では比べものにならないはずですが、今の方が自殺者がはるかに多いという事実にはいささか驚かされます。

それでは一体何が、人々を不幸に感じさせるのでしょうか? どうしたらこうした不幸感を取り除くことができるのでしょうか。今日のこの記事では、不幸感をもたらす原因について考えてみました。

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