ポルノグラフィティ"PG wasn't built in a day"埼玉 参戦記(2/2)
ポルノグラフィティの25周年アニバーサリーライブ"PG wasn't built in a day"埼玉公演初日のライブレポ。前回の記事が気づいたら4000字を超えていたので、2つに分けました。
▼前半戦の記事はこちら
以下、”終盤戦”についてのネタバレを含みます。
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ポルノグラフィティがさらなる進化を遂げてしまった「アビが鳴く」「解放区」を経て、終盤戦。
17曲目に選ばれたのは、初期のポルノグラフィティアルバム曲のなかでも、ライブ曲として人気な「空想科学少年」。これも13年ぶりにライブで聞く曲だ。否応なしにテンションが上がり、身体が揺れる。
花道から中央ステージに進んだ晴一さんは、お馴染みのギターフレーズを溜めに溜めて観客を焦らす。惹きつける。それに負けじと、全方位からそれぞれのタオルを掲げる観客。18曲目「ハネウマライダー」。僕がライブで最も多く聞いている定番中の定番曲だが、実は前回は演奏されていなかった。コロナ禍が明けて、再びライブで歯車が噛み合い、時間を刻む。舞うタオル、歓声。会場のボルテージは最高潮だ。
畳みかけるように19曲目は「アポロ」。もちろん盛り上がるライブ曲だが、時が経ち、ポルノグラフィティが進化していくたびに、"変わらない愛の形探している"というフレーズは、僕たちを安心させてもくれる。まさに原点の曲だ。
昭仁さんだけ花道に残り、ソロの歌声から始まる。その歌唱力でSNSを通じてリバイバルした、おそらく今現在最も知名度のある「サウダージ」が20曲目。
そして、最後の1曲に選ばれたのは「オー!リバル」。今回演奏されるとは思っていたが、本編ラストとは思っていなかった。ただ、クラップ、ラテン調、そして今回のテーマでもある"声出し"と、ポルノグラフィティのライブ曲要素が詰まり、気づけば9年ものキャリアを重ねたこの曲は、25周年ラストにふさわしい。
こうして並べてみるとほんとうに怒涛の終盤戦で、ポルノグラフィティのライブ曲を惜しみなく出してくれた。前の記事でも書いたが、これでもほんの一部なのだ。だからこそ、近年のライブセトリはどうあっても満足感があるのだが、同時に、"聞きたいけど聞けない"曲も多く残されたままなのである。贅沢な悩みだ。
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アンコール前の"ポルノコール"も、当然ながら4年半ぶりだ。これを聞くと、ほんとに帰ってきた安心感がある。笑
2人で登場し、中央ステージで演奏し始めたのは「アゲハ蝶」。本編ラストのオー!リバルが近年の"ポルノらしい"ライブソングだとしたら、アゲハ蝶は初期のそれになる。アコースティックとなると、クラップと"ラララ"がより観客頼りになるが、アゲハ蝶という楽曲とファンとの信頼関係に心配は一切ない。最後の転調も、相変わらずニヤけてしまうほどしっかりキマった。これこそがポルノグラフィティと僕たちのライブだ。
あえてアンコールをアゲハ蝶にして、ポルノグラフィティだけの演奏にしたのは、25年間のポルノグラフィティとファンの歩みを再確認し、またここから共に歩を進めるという決意、そして約束の表れだったのかもしれない。
あと2曲聞きたい…と思っていたが、残念ながらラスト1曲。ポルノグラフィティのライブではおそらく初めての”撮影OK”。余談だが、これによりこの曲だけ大いにネタバレが発生することになっていたが、僕は何とか回避できていた(笑)
会場そこらじゅうでスマートフォンを構えるという、初めて見る光景。屋内なのでより際立つ。撮影しながらも思いっきり暴れたいという欲望に駆られるラスト1曲は、「ジレンマ」。
今まではとにかくアホになって、何も残らないように出し切って終えるのがジレンマだったが、撮影OKになったことにより、消化不足となってしまったのは僕だけだろうか?笑
僕は冒頭少ししか撮影をしなかったが、周囲でどうにか撮影しようとする姿に少し気を取られてしまった。それでも楽しかったのは間違いない。終わってみると、脚も腰も、そして喉に関しては過去一番、気持ちの良い疲れに襲われていた。
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友人2人と合流して、感想を言い合いながら帰る。学生の頃にタイムスリップしそうになるが、全員が親になっていて、ところどころに親としての感想や気持ちが入ってくる。当時といい意味で変わらず、いい意味で変わっているこの関係性や感覚は、かけがえのないものであり、これもまたポルノグラフィティによって生み出されているものである。
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ということで、今回のセトリはこちら。
願望を強く込めた事前予想(初期曲多め)に比べると、非常にバランスよく配されたセトリだった。前回の「暁」でも思ったが、近年のポルノグラフィティのライブのセトリにはぐうの音も出ない。
コンセプトの中でも重要であっただろう”声出し曲”は満遍なく入れてくれた。
「俺たちのセレブレーション」「アニマロッサ」「フラワー」など、”いわゆるライブ曲”から少し外れたシングルも広い時代から入れてくれたし、「夜間飛行」「Sheep」「空想科学少年」というアルバム・カップリング曲も同じくバランスが良い。まさにポルノグラフィティの25周年の積み上げが感じられる。
そして「REUNION」「オレ、天使」「170828-29」「アビが鳴く」「解放区」と、社会性をまとったメッセージソングは、今回のライブや近年のポルノグラフィティの裏コンセプトに自然となっているように思える。
もちろん、細かいところで言えば声出し曲以外のライブシングルは入れ替わってもいいだろうし(実際、他公演ではミュージック・アワーが入っていたりする)、アルバム・カップリング曲も同じくだ。ただ、構成としては、23曲、このタイミングで実施するライブサーキットとしてはこれ以上ないのではないだろうか。
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さて、”声出し解禁”や”25周年アニバーサリー”としての側面は上記までである程度捉えることができたと思うが、もうひとつの側面について最後に考えていきたいと思う。
これが良いことなのかどうかはわからないが、ポルノグラフィティは、「オレ、天使」で歌っていたことを地で行き続けている。
25周年となったポルノグラフィティの音楽は、僕の想像をはるかに超えるものになっていた。そう感じた今回のライブだった。それは、16曲目の最新シングル「解放区」にも表れている。
そんな夜の世界こそ我らの解放区と、ファンタジーを交えて歌ってくれた(個人的に、こういう世界観は大好きだ)。僕は今年で34歳になるので、まさに”失われた時代”と言われるなかを生きてきた。でも、晴一さんの言う通り、一度も”失われた”なんか思ったことはなくて、むしろ自分の人生で良かったと感じることの方が圧倒的に多い。この、社会との乖離を、優しく肯定してくれる曲だ。
そう、ポルノグラフィティの音楽は、ついに社会を真っ向から捉える存在になったのである。この進化が、今回のライブや最近の楽曲に”自然に”表れていると、強く感じた。
これを考えるために、昔別ブログに書いた記事をリライトしてみた。
デビューから最初は”ポルノグラフィティとしての決意"の10年(~09年)。そして、”最高のファンと共に歩み続けるという約束”の10年(~19年)。驚くことに、この約束はコロナ禍でも「テーマソング」という形で果された。
そして、20周年以降の確固たる”自信”を持った歩みにより、「テーマソング」「アビが鳴く」「解放区」という曲が生み出された。どれも、個人的な想い出だけに寄らない、社会を伴い記憶される壮大な曲たちだ。
25周年から30周年に向かうポルノグラフィティは、社会性を伴い、もう一段ステージをあげた進化をし続けるのだと思う。あえて言い換えるなら、”逃げない受信者(RECEIVER)”であるだけでなく、”発信者”としても高いステージに登りつつある。そこでまた葛藤を続け、それでいてファンと共に歩み続ける道を探してくれるのだろう。
壮大なテーマソングは、ポルノグラフィティが奏でてくれるなら迷わずついていける。
毎回同じ締めになってしまうが、僕は一生ポルノグラフィティについていきたいと、心から思っている。
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ライブ本体のレポはこんなところにして、最後に個人的な集計を。
今回で、僕がライブで聞けたポルノグラフィティの曲は178曲(延べ458曲)となった。初めて聞けた曲は4曲。「アビが鳴く」「解放区」「夜間飛行」「170828-29」。後ろ二つは「ButterflyEffect」に参戦していなかったために聞き逃しており、すごくうれしかった。
レポでも書いた10年以上ぶりの3曲「空想科学少年」「sheep」「アニマロッサ」はすべて3回目。
そして以下の表を見てもわかる通り、上位陣がずらりと回数を更新してみせた。「ミュージック・アワー」も他会場では演奏されていたようなので(代わりに、ハネウマやメリッサが入らない)、本当に”ライブのポルノグラフィティ”をすべて出し尽くすライブサーキットであることがわかる。「幸せについて本気出して考えてみた」を聞きたかったが、次へのお楽しみということで。
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