見出し画像

ポルノグラフィティ"PG wasn't built in a day"埼玉 参戦記(1/2)

誕生日ライブとなった"暁"松戸講演から1年と2ヵ月。25周年アニバーサリーライブサーキットである”PG wasn't built in a day”の埼玉公演初日に参戦してきた。プレビューやセトリ予想などは以下の記事にて。

プレビューでも書いたライブコンセプト予想(願望)を簡単に振り返っておく。

・「ポルノグラフィティは一日にしてならず」というタイトルや積み重なるロゴから、デビューから今日までの曲が多く織り交ぜられること。そのなかでも、”ライブ曲”が多く入って欲しい。
・コロナ禍以降初の声出し解禁ライブのため、声を出す曲が多く入るだろう。
・2019年、20周年を東京ドーム2daysで華々しく飾ったポルノグラフィティは、コロナ禍においても決して止まることなく、ファンと共に歩んでくれた。この5年間の歩みの最終地点としての「PG wasn't built in a day」

上記の予想は、そこまで深く考えずとも思いつくことだと思うし、ここ数年のポルノグラフィティを見ていると必ず”超えてくる”とは思っていた。そして、超えてきた(笑)。圧倒的に超えてきた。

ライブ単体だけではなく、まさにタイトル通りに、これまでのポルノグラフィティの積み上げによってここに到達したと感じた。そして、”これから”の期待感も、これまで以上に高まっている。

*以下、セトリネタバレを含みます

今回は久しぶりに友人と一緒に参戦したライブだった(チケットは別で取ったが、行き帰りを共にした)。おそらく、2015年の”The dice are cast”以来のことである。2016年の結婚以降は行けるときに一人でサクッと行くスタイルになっており、周囲も同じくライフステージが変わる年代になってきていることから、ライブに限らずそういうフェーズになっている。

また、今回に限らずポルノグラフィティのライブに参戦していて思うのは、年齢層がとても広いということだ。僕は30代前半で、ポルノグラフィティを小~中学生時代に聞き始めたストライク世代だと思うが、50代や60代くらいの方もいるし、僕たちが過去そうしていたように10代の学生もいる。子どもを連れて来ている人も今回特に多かったように思う。

ライフステージがどんどん変わってもポルノグラフィティのライブには参戦し続ける。僕も間違いなく、今後も参戦し続ける。それもまた、ポルノグラフィティだからこそ積み上げることができたものなのだと思う。

冒頭から話がそれてしまった。今回は10年ぶりのさいたまスーパーアリーナで、当時と、ロイヤルストレートフラッシュの時は両方とも向かって右側200”レベル”だったのに対して、今回は左側後ろめの200レベル。ちょっと遠いかなと思ったが、真横ではなく斜めから客席含む全体を見ることができてとても良かった。

真ん中に花道が伸び、中央にステージ。その基となるメインステージは、2人が立つ真ん中が盛り上がっている(ように見えた)。西洋のお城のようなセット、城壁と窓の映像が映し出されてオープニングが始まる。

勇猛果敢な騎士の行進が始まりそうな音楽と共に2人が中央から現れ、いつのまにか行進曲に”Centry Lovers”のイントロが混じり、何も言われずとも「Fu-‼Fu-‼」で会場が一体となる。「神VS神」以来4年と5ヵ月ぶりの観客の”声出し”。にもかかわらず、この音が流れるだけで一体となれるポルノグラフィティのファンと曲は、やはり強烈だ。

これで声を出させて、1曲目はテーマソングだろう。そう思っていたら、ステージ中央で2人がそのまま「Centry Lovers」を始めてしまった。一瞬驚いたが、すぐに4年5ヵ月ぶりの声出しのうれしさが勝る。そして(繰り返しになるが)会場の一体感と声がすごすぎて、夢中で叫び、跳ねていた。

間髪入れずに「テーマソング」。後で冷静になって思ったが、ポルノグラフィティファンが一番声出し(叫び)に慣れているCentry Loversを経てからテーマソングに入る流れは、”ポルノグラフィティさすが”としか言いようがない。本当にファンのことをわかっているし、しっかり考えてくれている。

コロナ禍と真っ向から向き合ったこの曲は、歌えない時期にリリースされ、2回のライブで披露された。歌える日までの”約束”はようやくここで果たされ、最初のメロディーが終わったところで昭仁さんが「やっと歌えたね」と優しく言ったときに、思わず涙があふれてしまった。

コロナ禍以降の4年間は、社会的にはもちろん、個人的にも大きく激しく変化のあった月日だった。

歴史学者のペン先が 決して描くことのない
ささやかな私のストーリー 

テーマソング/ポルノグラフィティ


長すぎた時期が思い返され、その間ずっと支えになったポルノグラフィティの優しさを改めて強く感じ、ようやく解放されたことをしっかりと感じさせてくれたテーマソング。そのどれもが大好きだが、ずっとみんなで歌いたかった、言いたかったフレーズ。

ほら 振り向けば 夕日があって
燃えるような 熱い赤
その胸は 震えてるか?

テーマソング/ポルノグラフィティ

これをみんなで初めて歌えたこの日を、僕は一生忘れないと思う。

そして、ちゃんと白いスニーカーを履いてきてよかった(笑)

3曲目「キング&クイーン」、4曲目「Mugen」。この流れに思わず笑ってしまった。声出し解禁で”そういう曲”を多くやるとは思っていたが、こんなにも並べてくるとは。やっぱりちゃんと超えてくる(笑)

これまでのうっ憤を晴らすかのように叫びまくり、MCへ。

5曲目は「REUNION」。演奏されてみれば今回やるのは当たり前のような曲だったが、なぜか予想では完全に頭から外れていた。コロナ禍初年度にオンラインライブで”繋いで”くれたポルノグラフィティ。力強いサウンドで改めて繋ぎなおし、次へ進むための演奏だったとも思える。

6曲目、15周年記念第一弾シングルであった「俺たちのセレブレーション」。ここから10年も経ったことが未だに信じられない(笑)

7曲目、「アニマロッサ」。個人的には14年ぶり(TARGET以来)にライブで聞く曲である。力強い昭仁さんの言葉とクールな曲は、あの時と変わらずかっこよく、芯がぶれていなかった。

REUNIONはカップリング曲だが、それ以降時を撒き戻しながらシングルを演奏していることに気づく。次は何がくるんだ・・・?「リンク」か?と思っていたところで昭仁さんの煽りと響くベース。今回のライブは”声出し曲”以外も惜しみなくポルノグラフィティを出し切ってくれるらしい、と震えた8曲目の「メリッサ」だった。

いやいや、まだこれ8曲目なんですか?濃すぎませんか?笑

「次はステージ中央で」と、移動するポルノグラフィティとサポートメンバー。”中央でサポメンと奏でるアコースティック”は、もうポルノライブの定番だ。”何が”アコースティックになるか期待感が高まり、昭仁さんから発せられた言葉は「sheep」。9曲目は「Sheep ~song of teenage love soldier~」。個人的には10年ぶりにライブで聞く曲となった。

タイトルや昭仁さんがMCで言っていた通り、10代の純心で甘酸っぱい恋が存分に描かれている曲だ。これがリリースされたときに僕は中学生で、高校生にかけて多く聞いていたので、その頃が思い返されてむずがゆい気持ちになる。ただ、今回のアコースティックバージョンは、大人がそれを優しく包み込むような柔らかさが感じられた。

アコースティックバージョンでもう一曲。10曲目は「ジョバイロ」。アコースティックの優しい音を会場の安定したクラップが包み込む。

中央ステージに戻り11曲目「フラワー」、12曲目「夜間飛行」で一気に観客を深く深く聴き込む世界に連れて行ってくれる。夜間飛行もフラワーも比較的最近の曲かと思っていたが、もう5年、6年以上前の曲になる。後にも書くが、ポルノグラフィティのライブで聞きたい曲は数多くありつつも、ここ数年はライブに参戦するたびに最高のセットリストでこれ以上の隙がないように見えてしまう。それを表す重厚な2曲だ。

instrumentalを挟み、13曲目に「オレ、天使」。2001年にリリースされた、かっこいいサウンドとメッセージ性が強く皮肉に富んだ若い歌詞は、年を経るごとに大人のロックへと昇華されている。1曲目に選ばれた「UNFADED」なんかはまさにその極みだ。今回ももちろんゴリゴリのサウンドにかっこいい昭仁さんの歌が乗っていたのだが、その昭仁さんに本当に”白い羽”が装着されていたのだ(笑)。それに一切触れずにかっこいいまま1曲が終わってしまったが、おそらく会場全員ニヤニヤが止まらなかっただろう。

その後、14曲目に「170828-29」、15曲目に「アビが鳴く」、MCを挟んで16曲目に「解放区」。あとから考えてみると、13~16曲目は、社会に対するメッセージ性が非常に強い並びになっている。特に、170828-29とアビが鳴くは、重い重いテーマであり、どうしても避けたくなる話題だ。ただ、日本人として、ひとりの人間として、考え、心に留めておかなければいけないことでもある。その受信者(RECEIVER)となるきっかけを、ポルノグラフィティの音楽はつくってくれている。

この辺については、解放区の感動や今回のライブコンセプト振り返りとして最後に記したいと思う。

想定より長~くなってしまっているため(笑)、いわゆる"終盤戦"となる懐かしのあの曲から、次の記事に分けようと思う。

▼ポルノグラフィティの記事はこちらのマガジンでまとめています。良かったらフォローをお願いします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?