総合型地域スポーツクラブってそもそも何なの?
歴史
「生涯スポーツ社会の実現を目指して」1995年から日本が取り組み始めたのが総合型地域スポーツクラブです。
生涯スポーツ社会というのは、「国民の誰もが、それぞれの体力や年齢、技術、興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる社会」と定義されています。
2000年には文部科学省が「スポーツ振興基本計画」を発表して、2010年までに全国の市区町村に最低1つは総合型地域スポーツクラブを創るという目標を掲げました。その後、2018年時点では全国に1,741存在する自治体に対して3,445のクラブが立ち上がっています。
現状、数だけを見ると目標が達成されているように見えますが、まだ存在していない地域も多数ありますし、「誰もがスポーツに親しむことができる」存在になっているのか?という質的な課題もあります。
国としての定義
②あくまで「誰もがスポーツに親しむことができる」が根本の部分となるので、そのための「多種目」であり「多志向」です。特に、多志向のなかの「トップレベル」というのは母数として小さいものであり、優先順位としては低いのではないかと思っています。
③自主的、主体的に運営されているのは理想であって、かなり難しいことだと思いますし、あくまで目指すのは本質(誰もがスポーツに親しむことができる)です。
④国として力を入れると考えると、「非営利」で「公益」というのは必然だと思います。
認証制度
各都道府県には、総合型地域スポーツクラブを支援する組織(連絡協議会など)があります。国の公式な総合型地域スポーツクラブに認められるためには、その組織からの認証を受けて登録する必要があります。
ただし、この認証・登録は各都道府県によって基準が異なり、統一化されているものではありません。登録によって得られるメリットも同じく都道府県や自治体によってまちまちです。メリットとして一番大きいのは「公的機関との連携」です。補助金、広報、施設利用などの支援を受けることができます(これも自治体によります)。
統一化されていない現状や、後に記載するクラブの質的な課題の改善を目指し、現在スポーツ庁主導で認証・登録制度の整備が進められています。
課題
①総合型地域スポーツクラブは、内容によりますが立ち上げてから数年は様々な助成金を受けることができます。この助成金を受けている期間中にクラブとしての土台を整え、助成金がなくなった後も自立した財源で活動を継続する必要があります。これは経営であり、クラブマネージャーに急になってもかなり難しいのではないかと思っています。また、活動を続けていたとしても「誰もがスポーツに親しむことができる」という目標に合致しているかどうかという視点が大切です。
②繰り返しになりますが「誰もが」です。そのためには、知名度を上げることは必須かと思います。
③これについては深すぎるので割愛(笑)
まとめ
「誰もがスポーツに親しむことができる社会」を目指すとしたら、各地域に多世代、多種目、多志向型のクラブが必要。そこに国として力を入れている、という取り組みです。
「多世代、多種目、多志向」がクローズアップされがちですが、考え方としては逆の思考を持っていないと、本質を見失う恐れがあると思います。
もちろん認証・登録を受けずに独自で活動することもできますし、それを実施している企業や団体は無数にあります。ただ、認証を受けると公的機関と連携できるという大きなメリットがあります(それによる制約ももちろんあります)。
書こうと思うといくらでも出てきそうなので、最後にまとめて終わりたいと思います。
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