アビが鳴く
ポルノグラフィティと広島県のコラボプロジェクトとして制作された楽曲「アビが鳴く」。G7広島サミットの応援ソングでもあり、2023年5月にリリースされている。もちろん僕も、リリース当時から、厳島神社でのTiktokライブ、「PG wasn’’t built in a day」なども含め聞いていた。
ただ、2024年3月27日にリリースされた新曲「解放区」の特典映像である2023年ロックインジャパンフェスの映像(アビが鳴くを披露している)を見て、改めてこの曲をポルノグラフィティが歌うことの意味を感じたため、今さらながら記事にしている。
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以前「PG wasn’’t built in a day」の参戦記で「ポルノグラフィティがついに社会性を伴うもう一段ステージを上がった存在になった」と書いた(詳細は以下の記事に譲る)。
その最たる曲が、この「アビが鳴く」だと思っている。ポルノグラフィティが初めて地方自治体とコラボプロジェクトを行い、それが広島県とであり、G7サミットの応援歌であり、平和を歌う曲なのである。
また、下に記す歌詞からわかるように、具体的な場所の、途方もない時を歌っている。
これらから感じられる重みは、これまでの楽曲のなかでも特異なものだと思う。
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なかでも僕は「古より今の世まで人の願いを受け止めた神の島」という歌詞がとても好きだ。1000年以上に渡り人の純粋な願いを受け止め続けているという奇跡的で壮大な事実に想いを馳せると、不思議と誇らしい気持ちになり、そして自分もこれを繋がなくてはという気持ちになる。
少し話の軸からそれるが、神社やお寺やお墓には、こういった”変わらぬ大切さ”があると思っている。変化が激しくなり、個別化や意味を問われ、混沌とした世界のなかで、100年も1000年も変わらず存在し続けていてくれることそれ自体がなんと頼もしいことか。
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そんな壮大すぎる曲を引っ提げた前回のツアーでは、「オレ、天使」「170828-29」「アビが鳴く」「解放区」というメッセージ性の強いパートも披露された。それでいてライブ全体を通すと、ファンと同じ目線で一緒に進み続けるというポルノグラフィティらしさも変わらずにあった(この辺も冒頭の参戦記に記載したので、もし良かったら読んでください)。
そして、話はようやく冒頭の”2023年ロックインジャパンフェスの映像”に戻ってくる。出演日が8月6日であったこともあり、ヒットナンバーを並べたセットリストのちょうど真ん中に「アビが鳴く」が披露された(その後のラブシャでは演奏されていない)。演奏が良かったことはもちろんだが、僕が感動したのはその前のMCだ。
正確ではないかもしれないが、以下のようなことを語ってくれた。
壮大すぎる曲をそのまま投げかけるのではなく、聞き手ひとりひとりに寄り添う語りかけだ。
ここに、ポルノグラフィティが「アビが鳴く」を歌う意味があると思っている。1000年を超える願い。広島の地で平和を歌う。そんな途方もなく壮大な曲をつくり、歌うほどの実力を持ちながら、常にファンや聞き手と同じ目線に降りてきて、一緒に歩んでくれる。
この曲が、途方もない時間や世界においてひとりひとりに寄り添い、祈りを繋げ続ける存在になって欲しいと思う。
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