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『インターバルとしてのモーニング』としての30分

お世話になっております。
演衆やむなし所属、個人ユニット黒後家蜘蛛の会会長、睫唯幸と申します。

このたび、現在石川県にて開催されているいしかわ百万石文化祭2023内のプログラム『百万石演劇大合戦』へ、北陸のいち演劇団体として参加してきました。

今回の黒後家のみなさん

ご来場、ご観劇頂いた皆様、
黒後家蜘蛛の会をたくさんサポートしてくださった皆様、
楽屋や様々なところで構ってくださった皆々様。
その節は本当にありがとうございました!

このエントリで何を書こうかいまいち決めずにキーボードを叩いておりますが、参加を決めたときから本番までの経緯と感想と、あとは他団体さんの演目についての感想なども書こうかしらと思っています。何卒よろしくお願いいたします。

そういえば。

さよならキャンプさんの旗揚げ公演『さよならの書き方』に客演させていただいてから、主として関わってきた公演の感想文はすべて書いてきたのですが、そういえば演衆やむなし第十回公演『修学旅行』については、特段エントリを書いていませんでした。
書こうという気がなかったわけじゃないんですが、正味、書くことがないなと思ってしまって。
もちろん、小ネタ的に、ノミヤさんをやる上でとてもよいマインドを作ってくれたのが山本リンダの『狙い撃ち』と北村想楽の『you're』だったよ~くらいの話はあるんですが(ところでアイドルマスターsideM 8thライブの感想文も書きたいですね)、修学旅行が終わった時点では、私が毎度こういったエントリを書いているのは、言い訳がしたかったからなんじゃないかと本気で考えていました。そのぐらい満足な公演だったのです。

楽しかった ╲修学旅行╱

というところで、百万石演劇大合戦の予選が終わってみて、なんでこんなものを書こうと思ったのかといえば、言い訳的部分がないわけでもないですが笑、関わってくださった皆様へ、感謝をお伝えしたいのと、あとは、単純に楽しかったからです。
中身があるようで無いエントリになるかとは思いますが、ぜひ、お時間のあるときにでもお読みいただけますと幸いです。

参加を決めるまで

必要書類を準備して提出したのが〆切当日だったことはよく覚えています。
こういう催しがあるよーと教えてくれたのは、やむなしのメンバーで、今回の大合戦では石川県のRecord'Sさんに客演していた橋詰くんでした。感謝。
30分の短編と聞いて、私は今回上演した『インターバルとしてのモーニング』をはじめとした短編戯曲ばかり書いているので、「おっ」と思いました。
私はあまり公演を目的として戯曲を書いていないので、いくつか積みあがっていた短編戯曲は、公開の場こそあれ、上演の機会はありませんでした。
というのも、私の個人的な都合として、作・演出・出演はどれも兼ねられないな、という自分に対しての思いがあります。私はかなり客観的視点を持つことに欠けた人間でありますので、ひとつだけならまだしも、ふたつ、みっつと役割を兼ねてしまっては、前のめりで独りよがりな作品ができてしまうのではないかという不安がありました。
かつ、短編戯曲というのは上演する機会を作るのが難しいというのもあります。オムニバス公演をやるにはテーマが不ぞろいだし、30分もない芝居一本だけを見せる公演は打てないな、という意識がありました。
そんなときに舞い込んできたのがこの百万石演劇大合戦のお話です。『インターバルとしてのモーニング』を書いたのは2017年頃のことだったので、内容も大まかにしか覚えておらず、今なら自作という意識の薄い自作脚本として、自分が演出に立って作品作りに取り掛かれるのではないかと思いました。
キャスティングに関しては、やむなしの和美さん(酒井和美)はもう先に決めていて、男役だけ少し悩んで、でもわりとすぐにこうちゃん(中谷幸一郎)に決めました。本番までの期間にこうちゃんがやむなし一員になったので、結局全員やむなしになりましたね。音響準備と当日スタッフとして同行頂いたしおりさん(四折貴之(しおり演劇企画))には肩身の狭い思いをさせたことかと思います。本当にありがとうございました。

しおりさんがいなかったらなりたたねえ公演でした

稽古期間のはなし

ちょくちょく稽古期間を質問いただくことがあったので書きますと、稽古は台詞を入れた状態で10/3(火)からスタートして週2回、全9回でした。
最初の3回くらいはディテールの話をして、あとはもうずっと立ち稽古かつ、毎回通し稽古、という感じで進めていたと思います。

あまり動きのある舞台ではないので、ほとんど人として、この関係としての距離感、みたいなものを作る稽古をしていたように思います。やむなしの皆さんには見学自由とお伝えして、(これはマジで感動したんですが)本番含め、すべてのメンバーが観に来てくれて、それぞれにご意見ご感想を残してくれました。やむなしってそういうとこある。

稽古風景

おかげさまで、客観視の苦手な私はすごく助けられました。
本番のある週の火曜日に食事をマイムではなく実際に食べるに変更し、これまでハケていたところを舞台に残るとしたのは、役者に対しては本当に申し訳なかったのですが、おかげさまで血肉の通った、夢のような雰囲気ながら(下品じゃない程度に)現実味のある作品にできたのではないかと思います。ご飯は食べて本当によかった。

戯曲『インターバルとしてのモーニング』について

前述の通り、戯曲『インターバルとしてのモーニング』は2017年に劇作家協会主催のリーディングフェスタ2017に合わせて、「食」をテーマに書いたお話でした。当時の私は東京から福井に帰ってきたもぬけの殻で、何者かになりたくて、フェイスブックで見かけた戯曲募集の公募に手を出した覚えがあります。もっと前に書いた、ほぼ同じ内容の小説が下敷きでした。

リーディングフェスタでは有難いことにリーディングの戯曲に選出していただき、私を東京へ連れて行ってくれた、思い出深い戯曲です。そのときにこの戯曲を読んでくださったのが菊池佳南さんと鍜治本大樹さんでした。高校演劇を除いて、役者さんに戯曲を読んでもらったのはこの時が初めてでした。初めてがあまりに恵まれていたので、その印象は私の中に色濃く残っています。
戯曲の面白い/面白くないは正直自分ではよくわからないのですが(私は「好き」ではあります)、あの時よりいいものを作らなければならない、というのは、私の中での一大事でした。
ただ、最終的に終わってみると、今回の『インターバルとしてのモーニング』は、前回の『インターバルとしてのモーニング』とは全く別の、手触りのよいものができたと思っています。同じお話だとしても、演出家や役者、場所、時間などが変わればそれは全く別物になるということを、いつも心にとめているはずなのに、自分事となるとどうしても気になってしまいますね。最初に持っておくマインドとして、ここは反省点。

お話の内容は『見ず知らずのままセックスして朝を迎えた男女が朝ごはんに肉を食べる会話劇』です。私は合気道みたいな会話のできる男性が好きなので、その好みがバリバリ反映されています。

女 梨が栄えるでリエ
男 梨が栄える?
女 梨が栄える
男 梨が栄える
女 梨は嫌い?
男 俺、梨好きだよ

睫唯幸『インターバルとしてのモーニング』

自分の戯曲の好きなポイントをあげるのも恥ずかしいですが、ここはかなり好きです。女が自分の名前を男に教えるシーンで、女の名前は梨栄(リエ)(中学の友達の名前から貰った)で、漢字を説明するところ。私の戯曲には、同じ言葉を繰り返すことでの相互確認がよく出てきて、ここもそういうやりとりです。
感覚的にしか言えないんですが、これって相手にまつわるひとつひとつを肯定する作業なんですよね。自分の名前の説明があまり男にピンときてなさそうだから「梨は嫌い?」と、ある意味では笑いへ逃げた女へ、男がすっと梨は好きだよと伝えてあげる。
こんなふうにひとつひとつ、女の帰り道を柔らかく潰してあげる男のひとが、私はとっても好きなのです。

ちなみに戯曲『インターバルとしてのモーニング』はX(旧Twitter)にて公開しております。よしなに。公演や何やで使用する際はお声かけください♡

会場入りから本番、その後のおはなし

場当たりが11/2(木)の18時だったので、その時間に現地入りしました。
もう最初の現地入りから、石川の皆様には本当によくしていただきました。特に私の、要領も得なければとても抽象的な照明や音響のあれこれを丁寧に紐解いていただき、どうにか舞台を作ることができました。その節は本当にありがとうございました。
あとはケータリングとして用意くださっていた蜂蜜紅茶がマジで美味しかったです。甘露ってこれじゃんって味がしました。すごい。

改めて全く他人の方から「黒後家さーん」って呼ばれたのも面白かったです。自分でつけた団体名ながら、人から呼ばれる経験が稽古場予約の時くらいしかなかったので、不思議な感覚でした。はやく体になじませたい(特に活動の予定はない)。

ゲネ写真(撮影:しおりさん)

また、実行委員会の東川さんをはじめ、石川の皆様はX(旧Twitter)では繋がっているものの直接のご挨拶やお話をさせていただいたことがない方ばかりで、改めてご挨拶させていただくのはとても新鮮で楽しかったです。
人の名前を覚えるのが苦手なので、初対面の方だと、お顔だけは覚えられても名前が……! ということが多々ある人間なのですが、その点、SNSで先に繋がっていられたというのは、いろいろな側面でよいことでした。これまで文字とお写真でしか見たことのなかった方々が現実を生きているのを見られたのも嬉しかったですし、新しく繋がってくださった方も、SNSがあれば常に記憶を更新できるので、そういう意味ではSNSっていいものだなと改めて感じました。演衆やむなし所属・黒後家蜘蛛の会会長の睫唯幸(役者名義・唯)と申します。ぜひ今後とも仲良くしていただけますと幸いです。らぶ。

会場の金沢市民芸術村ドラマ工房も、とても素敵な場所でした。
お泊りする場所として用意いただいた湯涌創作の森も、ハイジの世界のブランコがあってめちゃよかったです。キッチンもあったので、無事にお肉を焼くことができました。お天気に恵まれていたことも幸いでした。
11/4(土)の公演終わりに観劇シェア会へも出させていただいて、芸術村横のレンガ亭にて、想定していた「軽食」を優に飛び越えたフレンチオードブルをいただきました。お腹ペコペコだったのでピザばっかり食べてすみません。
シェア会まで、他団体の方とはご挨拶くらいしかできていなかったので、ちょうどいらしていた星の劇団の池端明日美さんとお話ができたことも嬉しかったですし、観劇を終えたばかりのお客様から、直接お話を聞けたことも嬉しかったです。

睫 with ブランコに乗る和美さん

その夜、北陸予選出場団体を交えた交流会もありました。ここでみなさんとしっかりお話できたのも楽しかったし、とてもよかったです。
演衆やむなしの石川ワークショップに参加してくれたのをきっかけにSNSで繋がっていた姫川あゆりちゃん(Record'Sさんに客演)と写真を撮れたのをはじめ、たくさんの方と、ノンアルコールビール片手に中身のあるようなないような話をできてほくほくでした。もっといっぱい写真撮ればよかった。

交流会後はひたすら運転して福井へ帰りました。行きがマジで眠くて死ぬかと思ったので帰りも戦々恐々としていたのですが、帰りは割と元気に帰ることができました。よかったー!

かわいいかわいいあゆりちゃん!

お芝居の感想文

さて、というところで、今回、たくさんの方が黒後家蜘蛛の会『インターバルとしてのモーニング』について感想を寄せてくださり、それがとても有難かったので、他の団体さんの上演作品についても私なりに感想文を書かせていただこうと思います。個人的な都合で観られたのは北陸ブロックだけなので、その5作品分です。言っておきますが読書感想文はマジで苦手なタイプです。よろしくお願いいたします。

coffeeジョキャニーニャ『ときねこさばき』

はじめて拝見したのがゲネプロで、そのまま本番の2回も全部音響席(2階)から観させていただきました。まず第一に思ったのは「そうだ! これ、賞レースだった!!!」です。笑
私、この催しが賞レースだってちゃんと意識できていなかった! ということに、ジョキャさんにいきなり気づかされたのをよく覚えています。
有名な落語『時そば』をベースにしたお話から、次に『猫の皿』とつながり、最後は転生RPGものらしく仕上げられた『天狗裁き』からの夢オチ、という、豪快で大胆でめいっぱい繊細につなげられた30分のエンターテインメントでした。
冒頭、2階で聞いていたせいもあるのか言葉の聞き取りづらい箇所が多く、とはいえ時そばは知っていたので何をやっているのかはわかるなあという心持ちで見ていたのですが、後半の、怒涛の畳みかけるような展開に、オワー! エンタメ! 最高! の気持ちになりひっくり返りました。
360度どの席に座ってもストレスのない構成も素敵で(もちろん上から観てもストレスはない)、台本も舞台も、構成力に感動しました。要所要所、外しちゃいけない、笑いのための大切な間、みたいなところがたくさん出てくるのですが、役者さんたちが全員めちゃくちゃセンスがいいのか、稽古で突き詰めているのか、誰も笑いどころの間を外さないのもすごい。すごかったです。あと照明がいろいろ工夫が凝らされていてとてもきれいでした。これは上から観たから特にかも。

星の劇団『あなたと世界の、ちょうど半分のところ』

タイトルが素敵だな、が第一印象です。
シェア会で伺ったのですが、もともとは同じタイトルで全く別の3人芝居を作っていらっしゃったそうです。それが諸々の都合で出演できるのが2人となり、タイトルはそのままに、2人芝居の台本を新しく書かれたそうです。
私はゲネプロでのみ、客席から観劇させていただきました。大きな木の枠をふたつの長机で挟み、男女が向かい合って座っています。女の子側の机にはたくさんの化粧品などファンシーなものが置かれ、男の子側には付箋など、どちらかといえば事務的なものが木の枠に貼られたりなどしていました。
私は女の子側から観ていたので、最初はドレッサーかな? と思ったのですが、そこはお互いにパソコンをいじるためのデスクでした。オンラインゲームで繋がった全く違う場所、日常、世界に暮らす2人はポーカーに興じます。ドローのたびに相手に質問をされる、という可愛らしいルールや、互いの嘘や本当、その他もろもろ。実は女はネット上で男を騙し、お金を奪い取る犯罪を行う組織の一人であり、自分とポーカーをする男から無事お金を入金させることに成功する。が、実は男はおとり捜査を行う警察官だったーーというのが話の大筋。舞台美術が本当に趣向を凝らされたものになっていたのが印象的でした。女の子側から見るか、男の子側から見るかで随分印象の変わるお話だと思います。女の子側の私は最後のオチに「ああなるほど」と思ったのですが、男の子側から観たらどう予測をして、どう感じていたのか、そういう思考実験のような空間が作れるのが360度客席の面白みように思えました。男の子の目がきれいだった。

び~めんぷろじぇくと『JYOMON』

私はこの作品の意図を汲み取って解釈することはできなかったのですが、それは一旦置いておいても、観ているだけで面白い舞台でした。見るからに異様な白塗りの人間たちが正方形の舞台の上であれやこれやと動き回り、意表をついた小道具が飛び出し、人間たちも小道具となって飛び出し、舞台をのしのしと歩き回り……。
途中、白塗りの男が別の白塗りの男(そもそも舞台上の人間全員白塗り)に日常をじわじわと乗っ取られていくシーンがあるのですが、そこの不気味さがとても好きでした。家にいると知らない男が訪ねてくる。男は当然のように部屋に入ってくる。男は自分こそ部屋の主人であるから出ていってくれ、と元々部屋にいた男に告げる。自分こそが「タナカミノル」だと名乗る。元々部屋にいた男も「タナカミノル」である。元々のタナカミノルは管理会社や行きつけのスナックなどに電話を掛けるが、みんな後から来た男を「タナカミノル」だとする。
関係ないかもですが、ちょっと気になって調べたところ、「タナカミノル」って日本で一番多い名前なんですね。名前は一番のその人の記号であると思っているのですが、そうすると、『日本で一番多い名前』って、なんかすごく、なんていうんだろう、ある意味では矛盾した?概念のように感じました。
ドッペルゲンガーに会うと死ぬ、というような話がありますが、なんかこれを書きながら、名前のドッペルゲンガーのほうがよっぽど怖くないか? みたいな、そんなことを考えたりもしました。これは私がコールセンターや電話受付など、その人にまつわる記号で人間を振り分ける仕事についてきたからかもしれません。

かはづ亭みなみ『超立体落語「宿屋の仇討」』

めっちゃすごかった。
有名な落語の筋は知っていても、落語の名を冠したものを生で観るのは初めてでした。いやほんと、もうほんとまじですごかった。
以前に、オモコロのかまどさん(多分)が、寄席で落語家の方が観客からお題をもらって即興で落語を披露するし、しっかり面白いししかも泣ける、みたいなお話をラジオ(多分)でされていて、いったいどういう理屈でそんなことが起こる? と思っていたのですが、今回の舞台を観て、なんとなく、ああそういうことも起こりうるのかなという気がしてきたというか、落語というもののとんでもなさみたいなものを実感できたような気がします。
最初にひとつの方向を定めて座ったみなみさんはそのあと縦横無尽に顔を向け、体を動かし、ギターをつま弾いて、360度に配置された観客をこれでもかと楽しませてくれました。
正味、冒頭10分程度は、「これは演劇なのか?」みたいな気持ちがあったのですが、話が進んで、みなみさんが舞台上を本当に自由に飛び回るのを見るにつれ、いやこれってメッチャサイコーのお芝居じゃん!!!! となりました。アルティメット演劇。それが超立体落語。
予選Bブロック(び~めんさん、みなみさん、Record’Sさん)はかなりフィジカルでしたが、みなみさんが一番フィジカルでした。

Record’S『マイ_シーザー』

今回参加されている団体の作品は、すべてタイトルが美しいな、と思っています。その中でのRecord’Sさんのタイトルは整然として美しくて、つい意味を考えたくなる余白もあって、本当にとても綺麗。
この催しのために、ありとあらゆるパッションを込めて書かれたお話だと思います。正方形である舞台をプロレスリングと定義したとき、劇作家としてはやられた! と思いました。正方形の舞台に載せられる作品として『インターバルとしてのモーニング』を選びましたが、正方形の舞台のための本を選ぶ、という発想には至らなかったからです。正方形の舞台を先に定義してしまうことは、お芝居の見やすさに繋がるように思えました。
内容は、すべてを解釈はできないですが、とにかく見終わった後に、無性に元気の出る、そういう作品でした。ジョキャさんの『ときねこさばき』にもそういう節がありましたが、こちらの気分を問答無用で盛り上げてくれる作品はやっぱり観ていて楽しいですね。
主人公の姫川あゆりちゃんが基本的には舞台の中央でずっとフリーダンス(本当にフリーダンスでしたと本人から聞いてびっくりした)を踊っていて、それぞれの登場人物が身に着けている衣装も目に鮮やかで、小道具も可愛くて、そういうところも良かったです。
私の座っていた席がずっと心電計の役割を担っている(芝居の一部でずっと「ピッ」「ピッ」とカウントしているシーンがある)(しかもその合間で台詞も喋る)室木くんの目の前で、めちゃくちゃ緊張感がありました。

この正方形がいろんな世界になりました

最後に。

最後になりますが、今回、バタバタな中ではありましたが、百万石演劇大合戦に参加できたこと、本当に良かったと思っています。
個人的に良かったことを言えば、やっぱり『インターバルとしてのモーニング』をたくさんの、それも県外の人に観ていただくことができたこと。その中で、複数の役者さんに「自分も読んでみたい」とのお言葉を頂けたこと。このふたつはマジでよかったなと思っています。
睫的に、書いた戯曲を読み物として面白いと思っていただけるのはもちろん嬉しいのですが、今回、「役者が思わず声に出して読みたくなる」のが、私の戯曲の強みかもしれないと感じることができました。これはめっちゃよかったです。
他にも、これまでSNSでしか繋がっていなかった方々と直接お会いできたことや、石川の演劇界隈を覗かせていただけたこと。これらもとっても嬉しい出来事でした。
交流会のとき、少しだけお話した、当日スタッフとして参加していた大学生の男の子がいたのですが(お名前やSNSを聞くのをすっかり忘れてしまったので、もし心当たりあれば教えてください……!)、その子のやりたいこと、みたいなお話を聞いて、その時、なんか、めっちゃ都会の子だ! すごい! と思ったんですよね。都会の子って言い方はちょっとあれですが、芸術文化がいろんな角度から入ってくる街に暮らしている子だ、と思ったというか。それがすごく新鮮で、もちろん福井にいてもアンテナが高ければ情報はいくらでも入ってくるし、面白いチャレンジをしている方もいらっしゃると思うのですが、なんか本当、ものすごい感銘を受けました。めっちゃいい子だった。インターバル褒めてくれたし(そこ)

今回のチャレンジには、たくさんの方の力をお借りしました。出演してくれた和美さんとこうちゃんを始め、あまりある私のわがままに付き合ってくれたしおりさん、稽古を数回観に来てくれたゆかりちゃん、的確かつ様々な方向からアドバイスをくれた演衆やむなしのメンバーたち。
メールで果てのないやり取りをして下さった竹下さん、現地でたくさん助けてくれた東川さん、私の要領を得ない話を聞いてくれた長山さん、他スタッフ、実行委員会の皆様、宿泊施設の方々、出演団体の方々、そして何より、ご来場くださった皆々様。
このたびは本当に本当にありがとうございました。

これからも演衆やむなし、黒後家蜘蛛の会、睫唯幸を何卒よろしくお願いいたします。

思ったより金沢ぜんぜん行けたから、これからいっぱい行く!

予選A集合写真
(撮影:フォトグラファーNOD 野田啓)

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