自分の好きな服

3、4年前まで自分はファッション全般に興味が全く無かった。それがコロナ禍になり一変。コロナ禍でYouTubeを視聴する機会が多くなり、ファッション系YouTuberの動画を何気なく見たのがきっかけで洋服に興味を持つように。一目惚れしたブランドがバブアー(Barbour)。今まで洋服のブランドに惚れたことが無く、「めちゃくちゃかっこいい!欲しい!」と興奮したものの、1着5万円以上の値段を前に悩みに悩んで購入したのがちょうど2年ほど前。そこからあっという間に所持点数は10点を超えて今に至る。ワックスドコットンのジャケットに初めて触ったときの感触は忘れられない。思ったよりしっとりしていて、ベタつかない。想像とは全く違っていた。ワックスコーティングされている関係でホコリがつきやすいので、手入れは必要だが、手間がかかるところがなんとなく愛おしい。着込んでいってワックスが抜けて経年変化するところも楽しみの一つである。デニムと同じ。長く付き合うとまた違った魅力というか見え方をするジャケットなんだ。
 魅力といえば他にもあって、ジャケットの型がいくつかあるところもまた良い。これはバブアーに限らず、有名ブランドなら珍しくは無いのだが(マッキントッシュやトラディショナルウェザーウェアなど)、それぞれの型に名前があるのが興味深い。バブアーであれば、代表的な型のビデイル。元々は乗馬用のジャケットで細かい仕様が乗馬する人を考えて作られている。その他にはフライフィッシング用のスペイ、競馬鑑賞用のゲームフェアー、ハンティング向けのビューフォートなど用途別に名付けられているのが収集癖をくすぐる。もちろん本来の用途からは離れて街着として着用している。乗馬も釣りもハンティングもしない。ただ単純に好きだから着る。自分に似合っているかどうかも考えない。好きだから着る。
 ただ気をつけていることはあって、バブアーを着る時は必ずシャツやタートルネックなど首周りを布なりニットなりで覆う服を着ている。なぜかというとバブアーのコーデュロイ襟を首の汗やら皮脂やらで汚したくないからだ。ワックスが塗布されているジャケットなのでもちろん洗濯できない。クリーニングにも出せない。ワックス塗布部分が多少汚れても味と思えるが、自身の汗・皮脂で汚れたコーデュロイは味と思えない。必然的にロンT一枚にバブアーを着ることはない。ではセレクトショップ別注のノンワックスバブアーはどうか。これも襟無しのトップスは着ない。洗濯できてもコーデュロイ襟だけは汚れから死守したいのである。これはもう完全に個人の好み、性向であって理屈ではない。「この部分だけは汚したくない」という服を人生で初めて持った。
 ここまでつらつら書いてきたけれどまったくのズブの素人なのでこれからもバブアーを勉強しつつ末長くお付き合いしていくつもりです。

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