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パブリックスペースでの禁酒法制定に基づき、宅飲みに最適な安酒を探して

ロシアの禁酒法

変異株も猛威を振るい新型コロナウイルス感染者が急増して、3度目の『緊急事態宣言』が発令されるなか店内での酒類提供禁止とか、アルコールの売上げ比重が大きな飲食店関係者にしてみれば、コロナ感染拡大よりもそっちの方がよっぽど緊急事態で、コロ助に殺されなくてもそのうち知事に抹殺されかねない勢いなのですが…

それじゃなくても、飲食店経営は1年目で30%、 2年目で50%、3年目では70%が廃業してしまう荒行です。

これまで負け組だった店にとっては、協力金バブルで「ラッキー!」とはしゃいでいられるのも今のうち、いずれ所得課税というカタチで自分に跳ね返ってきますし、そもそも個人事業主で補助金額算定の元になる確定申告をまともにしているオメデタイ店が、日本中にどれくらいあるのか(節税という名の過小申告)?

実の飲食店経営者が言っているので、間違いありません。


飲食店でクラスターが発生した事実の有無は知りませんが、酒場を目の敵にするだけでは飽きたらず、路上飲酒も取り締まっている光景はまるで禁酒法です。

そのうち、公の場で飲酒しているところを監視員に見つかれば、現行犯逮捕されるかもしれません。

これまでも、世界各国で『禁酒令』は施行されてきましたが、そのなかでもロシア国民のアル中具合は群を抜いています。

1914年~1925年まで、ロシア帝国→ソビエト連邦へと体制が変わっても禁酒法は続けられました。

どこの国でも、禁酒法で税収がなくなり国庫が底をついて、アルコールを解禁するのですが…

1985年には、大々的な『反アルコールキャンペーン』が行われ、販売規制と酒税引き上げによって、アルコールが一般庶民の口に入りにくくなりました。

ウォッカ飲みたし金はなし…

そこで思いついたのが、なければ作ればいいというプラス思考。

水と砂糖とイースト菌で、安価且つ簡単にできる自家製蒸留酒サマゴンは一大ブームになり、国民が密造酒作りに精を出しすぎて国内市場から材料の砂糖が姿を消すのでした。

自作できないのなら、飲料用でなくてもなにかしらアルコールが入っている市販品でワンチャン酔えるのではないか?と、発想の転換で飲まれたのが工業用アルコール、オーデコロン。

しまいには、液体でもない接着剤や靴クリームなど、危険極まりない物質を体内摂取するのでありました。

入浴剤や消毒用アルコールを飲んでは、相当数の人が死亡しているというフェイクっぽいニュースもあり、これは代用酒ではなく代用アルコール成分でしかない。

酒ではないので、「酒は飲んでも飲まれるな」ということわざが使えません。

これがホントなら、恐るべしロシア人。

これらの政策に比べれば、今回の禁酒騒動は政府がアルコールの数量規制をしたわけでも増税したわけでもないので、家でおとなしく飲む分にはなんの影響もありません。

ただ、日本人の所得が諸外国と比べて伸び悩んでいるので、日本の平民が高い酒を飲めないだけで…



カナディアンウイスキー

ウイスキー界隈は相も変わらず原酒不足で、居酒屋一番人気の『角』も大容量の業務用ペットボトルは、ついにモルトとグレーン以外の混ぜ物を入れ始めました。

日本の法律上、ブレンテッドウイスキーの原材料にスピリッツ類を使っていても、それをラベルに表示する義務はありません。

なので、そのうち700mlのレギュラーボトルの中身も、しれーっと入れ替わっていることでしょう。

家での『角ハイボール』はアル中カラカラのおっちゃんに任せといて、宅飲み用に混ぜ物のないウイスキーを見つけるのが、今回のミッションです。

低価格で、あまり注目されていない酒…

角瓶と取り扱いが同じサントリースピリッツで、5大ウイスキーと称されながら一般での知名度が低い、カナディアンウイスキーの筆頭格“カナディアンクラブ”がいいかも~♪

ほんのり甘く飲み口が軽いので、ソーダ割りでグビグビ飲めますよ。

愛称「C.C.」。

この業界もファッション業界と一緒で、昔気質のところはコングロマリットの波に呑まれています。

そのなかでも、“ジム・ビーム”を買収した“サントリー”は、あちこちの蒸留所を押さえている。


“C.C.”のラインナップは、無印(確か6年)、ブラック、12年、20年とありますが、炭酸で割って飲むので実売1,000円程度しかしない無印で十分です。

財布に余裕があるのなら、12年を。

というか、ボトル1,000円台のケミカルみたいな味のウイスキーをストレートでとか…とてもじゃないけど飲めません。

味わうために飲むウイスキーではなく、酔うために飲むウイスキーです。

厳密に言えばアメリカンウイスキーとは異なるカナディアンウイスキーですが、ブレンダー並みの嗅覚と味覚がなければ、同じトウモロコシで作ったバーボンとの差が分かりづらい酒です。



アメリカの禁酒法

ちなみに、アメリカ・デトロイトと目と鼻の先のカナダ・ウィンザーに蒸留所を構えた“カナディアンクラブ”は、禁酒法時代のアメリカに違法でウイスキーをバンバン輸出していたので、このときの出荷量が1番ピークでした。


1920年にアメリカ合衆国で『憲法修正第18条』が可決され、狂騒の20年代が幕を開けます。

またの名を『禁酒法』。

本を正せば、イギリスから移住してきたピューリタンの宗教的な価値観で、人間を堕落させる飲酒をきらう背景がアメリカには以前からあり、その息の根を止めたのはアメリカがドイツに宣戦布告した、第一次世界大戦だったのです。

当時のアメリカ大手ビール製造会社のほとんどがドイツ系だったこともあり、これが生粋のアメリカ人にとっては『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』状態。

非酒三原則、消費のためのアルコールを「製造しない、販売しない、輸送しない」ということで、連邦政府の財源が減少したのとは逆に、『スピークイージー』と呼ばれた違法BARへの密造酒の製造販売から密輸酒の物流を担ったギャングなどが、地下で大儲けしただけでした。

色のついたメチルアルコールをウイスキーと嘘ついて売るなら、そりゃ儲かりますわな。

全盛期のアル・カポネの年収は、現在の貨幣価値で約10兆円といわれています(; Д)゚ ゚

マイクロソフトの創業者、あのビル・ゲイツでさえ最高年収は1兆6,635億円です。

けたが違います。


規制が強化されると質より量が重視され、市場には品質が悪くても高値で売れる粗悪品が出回るのですが、禁酒法時代のアメリカでもクソ不味い密造酒の中に主張が強い液体を混ぜて、味をごまかすカクテルが流行しました。

これ、今でも通用する飲み方です。

アルコール臭がダイレクトにくる安酒は、割り材で割って飲め。

と、今回の記事は真っ昼間からC.C.ソーダを飲みながら、執筆したのでありました。

またね♪



noteを書いている中の人はファッショニスタではありません。レビュアーでもありません。 あえてたとえるなら「かろうじて美意識のあるオッサン」といったところです。 自分が買いたいものを買っています。 サポートしなくていいです。 やっていることを遠くから見守っていてください🐰