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福岡市長選挙2022観察記・その1

1:高島宗一郎市長の3期目だった4年間

※今回の記事は適宜更新します。

前回2018年の福岡市長選挙について、ツイッターとは別にブログに書いていた。
酔狂で書いた『コタツ記事』にも関わらずアクセスいただいた回数がこの記事が一番多く、選挙後も地味にアクセスいただいている。


前回2018年の改選から4年経過し、
・2019新型コロナウイルスのパンデミック:人類史に残る公衆衛生の危機
・ロシアによるウクライナ侵攻:プーチンの『ご乱心』というより計算された狂気に基づく、ソーシャルメディアやドローンも駆使した21世紀型の大規模戦争
・安倍晋三元首相銃殺事件:首相経験者が国政選挙期間中に銃殺されるという日本の現代政治史に残る重大事件
を経た今、私たち日本人にとっての選挙というもの・政治というものがどのように映っているのだろうか。
日本の政治というものが、多くの人々を守る・救うものというよりは、各界のボスとその仲間たちの利益分捕りと分け前の配分合戦だったことが明らかになってしまったのではなかろうか。
戦争やパンデミックが社会の欠陥を暴くことはままあるが、今回はソーシャルメディアによりいよいよ露骨に社会の欠陥を見せつけることになった。
果たして政治は何ができるのか、政治家の皆さんにできることはなにか、というのが2020年代はよりシビアに問われる時代になりそうだ。

2:2022年福岡市長選挙について

今回の2022年選挙は11月6日告示、11月20日が投票日だった。

各候補者の動き
・田中慎介氏(元福岡市議)が9月下旬に立候補を表明。
田中氏を支援する『福岡市から政治をかえる会』が10月下旬より街頭活動を始めていたが、お世辞にも盛り上がっているとは思えなかった。
実際には、共産党あたりで他の候補者が立候補しようとしていたらしいが、田中氏に一本化された。
『野党共闘』の立場上そうなったようである。

・熊丸英治氏(インディーズ系候補者としてマニアの間ではよく名前が出る)も立候補。

・現職の高島宗一郎氏は11月2日に公約を発表し、4期目に立候補した。




・高島市長【4期目当選】:2010・14・18年当選で既に3期勤めているゆえ、多選批判や『ポスト高島宗一郎』の問題は早晩噴出するはずだ。

・新人候補:改選の年の春くらいから街頭演説や支持組織固めなど名前を売るために動くべきだったのではないか。
次が2022年だってことは2018年の時点で分かっていたはずだから、逆算できる人は逆算して動くのがベストだったのではないか。
・2週間の短期決戦で160万市民からみて『ポッと出』の候補者が易々と当選できるだろうか、と思ってはいたが、やはり現職の『実績』や『知名度』などの強みは大きかった。

現職の圧倒的な知名度・支持基盤の強さゆえ、新人の田中氏(+インディーズ候補の熊丸氏)が現実空間だと存在が薄くなっているようにみえる。
ツイッターではユーザーの方の中で熱心な方がどんどんアップしてくださっているが、一般の人々に広がっているとは思えなかった。

ちなみに短期決戦でうまく行ったのは直近だと2019年の『れいわ新選組』『N国党』ぐらいではないか。
もっとも、彼等も議員経験者(山本太郎議員)だったり、ユーチューブなどで知名度『だけは』あった(立花孝志氏)のと、彼等が人々の現在の政治への不満をうまく吸収できたから国政選挙で議席を獲得できたのだろうが。

3:荒れなかった選挙

福岡市内の雰囲気は、ソフトバンクホークスがパ・リーグ制覇を逃し『ポストシーズン特需』の当てが外れたものの『第7波』後の観光・ビジネス客の増加がある一方で、福岡市長選挙があるという雰囲気は薄かった。
むしろ、2023年春の統一地方選挙に向けて現職の福岡県議・市議の方々や立候補予定者のみなさんの方が活発に動いていた。

何よりも、在福メディア各社の選挙に関する報道が目立たなかったように見えてならない。
4年間何をやっていたんだ、という感覚である。
選挙期間が近づいてやっと出始める、通り一遍というかコピペのような市長選のニュースの記事をみると、
・選挙やらないわけにはいかないから今までのやり方でいいよね
・市民の声や候補者の主張を型通りに集めて
「市政の論点としてAがあります、Bがあります、Cがあります。
候補者は甲さん、乙さん、丙さんがいます。
みなさん自身で誰を選ぶか・何に注目するかは自己責任で考えてください。
それではどうぞ。」
とやっているように見えた。
そういう雰囲気を感じ、思った以上にネットで配信されるニュースも見ることがなかった。

また、現職が落選するとすれば、直近の鹿児島県知事選挙のように
・現職首長が『足元』の職場の役所から相当嫌われている
・メディア対応が良くない
・支持組織の分裂
という要素が大きいだろう。

今回(2022年)の福岡市長選挙は、荒れる要素がなかった(外からみると)ゆえに高島氏の4選(しかもいわゆる『ゼロ打ち』)が決まったのだろう。

【※その2に続く】(2022/12/29に投稿しました)

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