見出し画像

続・CROSS FMにまつわるエトセトラ

前回CROSS FMにまつわる個人的な雑感を書いたが、今回はCROSS FMのスポンサー事情などをあくまでも個人的主観でテキトーに書いていくことにする。

前回の記事⬇️

1:スポンサー

現在のCROSS FMは、DHCの100%子会社である。
他にも北九州地区を中心に福岡県内の企業ごスポンサーとなっている番組が多い。
とはいえ、1993年の開局以降の経営は順風満帆とは言い難い苦しい状況が続き、当時運営企業だった『株式会社エフエム九州』は2008年に倒産した。(後に解散)
その後設立された『株式会社 CROSS FM』が運営を引き続き現在に至る。
『株式会社 CROSS FM』は当初は投資ファンドが出資していたが、2016年にDHCが投資ファンドから株式を取得し、DHCの吉田嘉明会長が『株式会社 CROSS FM』会長を兼務している。

反差別運動や各種の差別問題についてアンテナを張っている方々だと察しがつくはずだが、このDHCは『要注意企業』であり、時にはボイコットの対象として名指しされる企業である。
実際、CROSS FMの番組には田母神俊雄の出演番組や『虎ノ門ニュース』のダイジェスト番組もある。
※2022/11/11追記1:『虎ノ門ニュース』自体は2022/11/18付で終了するとのこと
2022/11/16追記2:『Weekly 虎ノ門ニュース(虎ノ門ニュースのダイジェスト版)』は11/20で終了し、2022年内は居島一平さんと小坂真琴さんが特番を担当する模様

だが、2021年7月期で売上高901億円・純利益5億円を上げている、コマーシャルなどの露出も多い大企業であるのも事実である。
今のところ、上記の番組以外にDHC色の濃い番組はほぼ存在しない(あっても影が薄いだろう)のも不思議なものである。
『金は出すが口は出さない』方針なのだろうか、金の心配がないゆえに自由闊達な番組が放送できるという皮肉な現実がある。

※なお、DHCは官報で決算公告を出しているが株式上場していない。
2022/11/11追記2:オリックスがDHCを買収することが明らかになったため、今後はオリックスのグループ企業として有価証券報告書に載せる対象にはなる。また、DHCの吉田嘉明会長は株式をオリックスに譲渡し、かなりの譲渡益を得るようだ。

一方、地元の企業や小規模事業者や通販会社も、番組前後・番組内のコマーシャルや、番組形式のコマーシャル(インフォマーシャル)を多く出したり、地元紹介レポートなどの形式でPRを行っており、その関連で広告宣伝の契約を請けているのだろう。
後述するタレントの方々も、これらの仕事を担当していたりする。
また、意外な話に思うかもしれないが、この秋(2022年秋季)からは『金ズマ』(コウズマユウタさんが司会進行の金曜日夕方の番組)内の一つのコーナーに民商(共産党系の小規模事業者団体)がスポンサーとして付いている。

追記3(2022/11/24)
DHCの2022年7月期決算公告が出たが、この期も黒字決算であり、吉田嘉明会長は経営者としては有能だといえる。

2:中の人たち

ラジオ番組やテレビ番組を視聴していると、毎年春と秋の『番組改編』に出演者の方々が戦々恐々している様子が出てくるのを見ることが多い。
みなさんもおそらくそうだろう。

以前、愛知県の東海テレビ(2011年に重大な放送事故を起こした)が制作した『さよならテレビ』というドキュメンタリー映画を観た。
この映画に登場するニュース兼情報番組の制作スタッフの多くは、テレビ局(東海テレビ)に直接雇われているのではなく、外部の制作会社の従業員あるいは人材派遣会社の派遣社員である。
『さよならテレビ』に登場したメインのアナウンサーは東海テレビの『社員』(直接雇用)だった。
賃金は所属している会社から払われているはずだが、番組が続くか否か・番組の制作上『使える』か否かにより仕事が続くか否かに左右される模様が出ていた。

(『さよならテレビ』の感想)


あくまでも個人の想像でしか書けないが、他の番組の出演者・進行役(ナビゲーター)・制作スタッフも大部分がタレント事務所や番組制作会社に所属していたりするようである。
(例:『UP↑UP↑』担当の坂口カンナさん・岡部来亜さん・コウズマユウタさんはタレント事務所所属、番組のディレクターの方もおそらくどこかに所属しているか個人で請け負っているかしているはず)




そして、番組の制作にあたって事務所と放送局の間で制作の請負契約を結び、その対価のやりとりが行われているのだろう。

映画作品やテレビ番組のエンドロールを見ていて、いくつか有名どころの制作会社の名前が出てくるのをみなさんもご覧になったことがあるはずだ。
番組や映画作品の制作は、建築・建設のプロジェクトのように考えてみると理解しやすくなるのではなかろうか。

・放送局が番組プロジェクトの大枠を決める
・制作会社やタレント事務所と制作契約を結ぶ
・スポンサー(企業などの事業者やスポーツチーム、官公庁など)契約を取り、広告を出してもらう
・制作会社やタレント事務所は番組を作って放送局に納品する
・放送する
という流れか。

2010年代のはじめ、東京でやっていた経理・社会保険関係の仕事がなくなり、田舎(熊本県)に一時期戻っていた頃建設現場の仕事をかじっていたが、建設の仕事は
・企業や官公庁がプロジェクトを決めてゼネコンへ発注
・ゼネコンが種々の工事業者に仕事を振り分ける
・工事業者は工事を進め、ゼネコンが管理監督する
・最終チェック後発注者へ引き渡す
という大雑把な流れである。

仕事が途切れなければいいが、途切れるリスクがつきまとうのが建設業界である。
ふと、放送業界も似たようなものだと思った。

いつもニコニコしたりワチャワチャしたり、時に馬鹿騒ぎしているタレントの皆さんや制作スタッフの方々の地位は、俺たちが思う以上に不安定な立場なのだということを頭の片隅に置いておきたいところである。

聴くこと、可能であれば常識の範囲内で応援のメッセージを送ることなど、できる範囲でタレントさんや番組の関係者のみなさんを引き続き応援したい。

そして、放送局に対しては、問題があれば堂々と批判し、応援したい時は堂々と応援する、それが視聴者として健全な民主制の体制を持続していくために大切なことだろう。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?