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新たな勉強方法!EMSで頭が良くなる!?

こんにちは。

今回は僕の大学院での研究テーマのひとつである「経皮的電気刺激を用いた受動的な筋活動による認知機能への影響」ついて書きたいと思います。


ある日のことです。僕が空いた時間にネットサーフィンをしていると、ある記事を見つけました。

それは、、、

運動すると頭が良くなる!!

という記事です。

胡散くさっと思いつつも気になったので、色々調べてみると

運動をすると認知機能が向上するという研究がいくつかあり、調べるうちになんだか自分自身でも運動をしてる時の方が頭が冴えてような気がしてきました(笑)

おお、これ勉強に使えるじゃん。という考えが頭を過ぎりました。

でも…

よく考えたら、運動をしすぎれば疲れて勉強したくなくりますね(笑)

それに、運動と勉強を一緒にやるのはなかなか難しいですよね。

そこで、僕は考えました。

「最近流行のEMS(電気を筋肉に流して、力を入れなくてもトレーニングできるやつ)を運動の代わりにできるんじゃね?」

僕は学部生の頃から、バイオメカニクスのゼミでEMSについて研究していたこともあって、EMSについては多少の知識があります。

EMSには様々なメリットがあるのですが

・自分から動かなくても筋肉が収縮する 
・中枢疲労がほとんどない 

僕はこの2点が上記のようなデメリットを打ち消すことができると考えました。


研究と結果

そこで、50人の被験者に協力してもらい、大腿四頭筋に電気を流す群(Quad)、ハムストリングスに電気を流す群(Hum)、電気を流さない群(Con)の認知機能の変化を比較するという実験をして確かめることにしたのです。

その結果、、、

特にハムストリングスへの電気刺激が認知機能を高めることが示されました!!

note図

※図のHumとQuadの横にあるMidは最初の認知検査と2回目の認知検査の間に10分間の電気を流したということで、Postは電気を流しながら2回目の認知検査を行っているということです。


考察

大腿四頭筋への電気刺激でも、Postのみ認知機能が有意に向上しましたが、ハムストリングスに比べると小さな向上でした。

これはおそらく、大腿四頭筋は抗重力筋という普段から重力に逆らって活動している筋肉なので、電気刺激を流しても普段と活動量があまり変わらなかったためであると考えています。

そして、なぜ認知機能が向上したかということですが、これは脳血流量の増加が原因であると考えています。

と言うのも、大腿部への電気刺激が脳血流量を上げることは先行研究で既に分かっており、脳血流量と今回の認知検査であるストループテストの結果は正の相関がある事も先行研究で判明しているためです。

うちの研究室には残念ながら脳血流量を測る設備がないので実際に測ることはできていませんが、測定すればおそらく電気刺激による脳血流量増加が見られるでしょう。

脳血流量の増加以外にも認知機能向上の要因はあるかもしれませんが、それを明らかにするには今後さらなる研究と考察が必要ですね。


結論

今回の実験で、介入方法によって異なるが、電気刺激による受動的筋活動はその認知機能を向上させることが示されました。

このことから、学習に電気刺激を適切に取り入れることは有効であるといえるでしょう。

もちろん、そのために明らかにすべきことはまだたくさんありますが。

また、EMSには筋力向上や筋肥大を促す効果や、インスリン感受性を高めることで糖尿病の予防効果があることが先行研究で明らかになっています。

つまり、電気刺激を学習に取り入れることで、認知機能の向上に加えて、筋力向上や糖尿病の予防も期待できるということです。

どうでしょう、EMSの新たな可能性を感じませんか?

今後勉強をするときに筋肉に電気を流しながらすることが当たり前になるかもしれませんね!!

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