組織アジャイルTで「組織仮説キャンバス作ってみた(途中)」という話
本日は、現在加入しているシン・アジャイルコミュニティの「組織アジャイルチーム」で、「組織仮説キャンバス」なるものを作っているので、そのことについて触れていきたいと思います。
なお、本記事は組織アジャイルチームの活動内容の発信とともに、同コミュニティのプラクティスチームが推進している、以下マガジンへの投稿も兼ねようと思います。
仮説キャンバスとは?
仮説キャンバスとは、自分たちの仮説を立てるために現時点でチームが分かっていること、分かっていないことを整理するためのフレームワークで、リーンキャンバスをもとに、レッドジャーニーの市谷さんが作成されたものです。詳しくは以下記事をお読みください。
このプロダクト開発に使われる仮説キャンバスを、組織変革用にUpdateされたのが、「組織仮説キャンバス」です。フォーマットは、以下スライドの58ページをご参照ください。
組織アジャイルチームとは?
私が所属している組織アジャイルチームとは、「組織を芯からアジャイルにするにはどうしたらいいのか?」「組織をアジャイルにすることによる価値は?」などをワイワイ語り合い、より組織・チームをよくするにはどうしたらいいのか?を真剣に考えている人たちの集まりです。
現在は、6名程で隔週or毎週1回くらいの頻度で、定期的に集まり議論を重ねています。この6名は、SIerやSaas系のプロダクト開発、事業会社(製造業)など様々な方が集まり、業界・仕事内容なども異なる方々集まっていますが「アジャイル」を共通言語に、お互い切磋琢磨しながら活動しています。
これまでの活動実績
我々は2022年7月ころから活動をはじめ、本年1月に組織をシンからアジャイルにするために、今悩んでいることや、成功体験などを共有する場として、以下イベントを開催しました。
なぜ組織仮説キャンバスなのか?
我々組織アジャイルチームは、現在上記イベントの後、今後我々がどこに向かっていくのかを議論しており、絶賛「むきなおり」中です。議論する中で、話が発散しはじめたため「仮説キャンバスを使った議論をしてはどうか?」と提案させてもらい、「やってみよう!」となりました。
組織仮説キャンバスの作り方
仮説キャンバスの作り方は何パターンかあると思いますが、今回我々は「目的」と「ビジョン」の設定から入りました。各々が、どういう目的で「組織をシンからアジャイルにしたいのか?」「それによって組織・チームをどうしたいのか?」という事を対話しながらまとめていきました。この対話の時間は、非常に楽しく、各々の想いや課題感、何を目指しているのかなどをmiroを使いながらワイワイとまとめていきました。
議論を進めていく中で、我々のチームとしては、目的とビジョンを以下の通り仮決定しました。
【目的(我々は何故このチームにいるのか?)】
アジャイルの拡散期にあって困っている人同士で助けあえる場所を作る
【ビジョン(われわれは組織をどの様な世界に変える存在になるのか?】
所属組織の全部署をアジャイルにすることで、持続的成長が実現できイキイキと働けるように変える
各々のやりたいこと、課題を踏まえると、上記にまとまり、まずは仮説キャンバスの上段を決定することができました。
作ってみたはいいものの・・・・
その場は「みんなの意見を集約するとこうだね!」と纏まったはいいのですが、後日見返すとなぜかモヤモヤする・・・。そんな事が自分の中で起きました。
対話の際は、チーム内での議論も活性化し、ものすごく楽しい場だったのですが、あとからこの目的・ビジョンを見返すと、どうもあの対話の時に感じた「グッとくる感じ」がない。なんでだろう?私の中でものすごくモヤモヤがでてきました。
そんな時は立ち止まってみる
モヤモヤしたまま進めるのが気持ちが悪かったので、一度手を止め、自分なりにふりかえりをしてみました。シンアジャイルWeekでも幾度となく話題がでた「立ち止まってみる」ってやつです。私のふりかえりは以下の通りでした。
<Keep>
仮説キャンバスを使った対話により、チーム内の共通認識が深まった
対話の中で出てきた個々のWhy・これまでのストーリー(芯)に触れるとグッときた
<Problem>
各々似たような課題感はある一方で、業界・背景も異なるメンバーの中でandを取ろうとすると、抽象的な話となり「浅く」なる
<Try>
もう少し解像度のあげた仮説キャンバス(自分Ver)を試しに作ってみる
自分なりの仮説キャンバスを作ろうと思った背景
私がこの考えに至った背景には、市谷さんが公開されている「組織をシンからアジャイルにする (MVP Edition)」の以下の問題定義が頭にあったからです。
<組織に芯が容易に宿らない理由>
全体での合意形成が事実上不可能
全体で一致できることは「浅い」
変える対象は「文書」ではなく「認識」
我々のチームはまさに今この状態にあるなと思いました。我々はもともと、業界も仕事も全く違う人たちの集まりなので、どうしても意見を集約しようとすると、「浅い」言葉になってしまう。けど、その言葉(文書)を変えることに一生懸命になるのではなく、「認識を深める」ことに意味があるのではないか?と思ったからです。図にすると↓のようなイメージです。
その為、自分の「具体」の話をもう少しチームの中で理解してもらうために、もう一段解像度をあげた自分なりの組織仮説キャンバスを作ろうと思ったのでした。以下が実際に私が作った仮説キャンバスのイメージです。付箋の数も多く、もう少し背景なども細かく書き出してみました。
やってみてどうだったのか?
チームの定例の冒頭で、私の作ってきた「組織仮説キャンバス」を共有してみました。そうすると、結構好評で「私も自分Ver作ってみたい」と言ってくださる方もいらっしゃり、よりもう一段深い対話につながったのでは?と感じることができました。(自画自賛w)
わかったこと
この体験を通じてわかったのは、上記でも記載した『全体で一致できることは「浅い」』『変える対象は「文書」ではなく「認識」』という2点です。個々の具体(ストーリー)の話を解像度をあげてチーム内で共通認識を深めるのは非常に重要だと感じた一方で、チーム全体の「組織仮説キャンバス」の言葉を一生懸命合わせる事には、労力に比例する価値は薄そうだなと感じました。
それであれば、対話を通じて各々の具体の話を理解し、「認識」を深めることに時間を使った方が有益だと。
次やること
この対話を通じ、チーム内での「目的」「ビジョン」の認識は深まったとおもうので、次はお互いの「状況」「課題」などを共有し、対話を続けていきます。また、今回のように、その作成の過程についても個々にnoteで発信していき、情報発信とともに、仲間を集う活動を続けていきます。
組織アジャイルチームは新たな仲間を募集しています!
我々は、同じような悩みをもつ仲間、このような活動に共感してくれる仲間を募集しています。私はこの手のコミュニティを何年かやっていますが、「精力的に活動している人は強そう(熟練者)」っぽく見えてしまうのが、悩みです。私自身は企画の人間なので、アジャイル開発の経験は全くありません。それでもアジャイルの価値観・マインドセット・プラクティスに可能性を感じ、どうにか自分の組織をよくできないか?と、日々もがき苦しんでいる人間です(^-^;)
なので、私自身はアジャイルの熟練者でもありませんし、何だったら何の経験も無い人間です。そんな私でも非常に暖かく受け入れてくれる、そういうオープンなマインドを持った人たちが集まっているのが、シン・アジャイルコミュニティです。もし、少しでも共感してくれる方がいましたら、ぜひ以下ページからシン・アジャイルコミュニティに参加いただき、Discordに何でもいいので、つぶやいてみてください。そうしたら、そこから何かが始まるかも!?ぜひともお待ちしております!