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脳梗塞になって変わった自分のこと6

冷え、痺れの後遺症 | 

脳梗塞(ワレンベルグ症候群)を2022年大晦日に発症して、それ以前と以後で変わったこと その6


・概要

脳梗塞の一種であるワレンベルグ症候群を発症、退院したがいくつかの後遺症のうちの冷え、痺れ(温痛覚異常)の話。夏場の冷房が苦手になった。
その症状は、大きく分けると①顔の左半分の冷えと②首から下の右半身、夏場に露出する右腕・右脚が冷えたり痺れる。冷房や扇風機の風でも辛い。
特に顔については、朝起きてからずっと、左目の周囲、頬骨からこめかみにかけてジーンと冷え痺れている。脳梗塞の後遺症、治ることはないらしい。
発症時、左目の奥に、ちゅわーっと何かが注射されたように広がった感覚、顔の左側はほぼ麻痺状態。退院後の今は、だいぶ回復し、冷えが残る範囲は徐々に小さくなった。
夏場、空調が効いた居間は苦痛、元々は暑がりの汗っかきだった。自宅の自室兼寝室は、夏でもエアコン不要、ただし除湿機が24時間稼働中。


・発症直後/急性期病院では、冷えでなく痺れや麻痺

 大晦日に脳梗塞(ワレンベルグ症候群)を発症、急性期病院に入院した時点では、体が動かせないとか、モノが見えないとか、右半身の失調、温痛覚異常、首から上は顔の左麻痺、喉は唾液すら飲み込めない等、重篤な状況だった。このときは、顔の麻痺での痺れの感覚はあったが、冷えは感じなかった
 ちなみに、脳梗塞発症時のことはよく覚えている。夜中にベッドで横になって動画をタブレットでみていたのだが、急に左目の奥に冷たい何かをちゅわーっと注入されたような痛みが走り、あっという間に壁と天井が回りだし、そこから体を起こせなくなり、猛烈な吐き気に見舞われ(以下略)、、という状況だった。左目奥の脳血管の一部が梗塞した瞬間だった。

 その結果、顔左半分の麻痺がすぐきた。左瞼は垂れ下がり、目やにで塞がった、左右の目の焦点が合わなかった。そして顔左半面全体に他人の皮膚を貼り付けたような麻痺感覚をはじめ、痺れた感覚がずっと。麻痺はクチの中まで及んでいて水道水を含むとクチの中は左側と右側で温度差があった(クチの中は右側が正解)。
 いっぽう、首から下は右半身(の温痛覚)が壊れている、左側は正常。ワレンベルグ特有の症状で小脳と延髄が部分的に冒されているから。右手でベッドの鉄柵を触っても冷たさが伝わらない点滴の針を入れるときも無痛右脚は全体的に冷たい感じだが冷えと言うほどではない、皮膚の感覚が麻痺、あるいは押してやると痺れの感覚がある、ただ足先は氷のようになっていて、入院中は靴下が手放せなかった(単なる麻痺だけでなく血行障害もあったよう)。
 総じて入院中は、冷えの痛みを伴う症状は少なく、麻痺による違和感がほとんどであった。唯一、退院前後、普通の食事に近いものを食べるようになってから、食後に脚の腿や付け根当たりが強烈に痺れるようになった。退院後は一層強く痛みを伴うものとなった。


・何もできなかったが病院で徐々に回復したところ

 基本的に、病院が冷えや痺れに関して、治療や処方をしてくれたことはほとんど無い。
 救急で運ばれた病院(急性期病院)では、顔が麻痺だとか、手足が冷たいとかそういうことは二の次、三の次だった。(まずは生命維持、脳の梗塞の対応が最優先)
 1週間ぐらいして、点滴の代わりに経管栄養剤(鼻から喉を通す管で胃に入れる)を入れるようになってから、ようやく左顔が冷えたままだとか、右腕が冷たいとか、クチの中に温度差があるとかを聞いてくれた(しかし、これといって治療も対処もない、これは今もほぼ同じ)。

(嚥下障害(唾すら飲み込めない状況だった)の回復のため)リハビリ病院に移ったのが、一ヶ月半たってからだったが、温かい風呂に週3回入れるようになって、顔や首筋を湯につけていると気持ちよく、この時に顔の冷えた部分が徐々に小さくなっていくのが感じられた、クチの中の温度差もほぼ完治(別に病院から指示された療法ではない)。
 右手の温痛覚異常は、転院前くらいに自然に手のひらの大まかな温度感覚は戻ってきていた。冷たいものを冷たいと感じられるようには成った。腕の痛覚も、(部分的に)お風呂でやや改善されたように感じる。
 しかし、腕全体の温痛覚の異常はあまり改善されず、またお風呂のお湯に触れた際左右の手のひらで温度差があることが分かる。脚もほぼ同様だが脚の方が治りが悪い気がする。


・退院後に後遺症が残り、顕著になった

 結局、いくつかの後遺症が残っていて向きあう日々である。
 一つ目顔や手足の痺れ(冷え)は、退院後も残っている。ただし顔について、その領域は左目の周囲の限られたところになってきて、ほぼ固定している。
 朝起きてから、顔の冷えは始まる。夏のこの時期、冷房が効いた居間に行くと、エアコンの風などに左頬は敏感に反応しじわーっと痛みを発する。それと同期するかのように右腕や右脚もじわっと痛みが来るのである。
 ちなみに病院では、空調による手足の冷えはなかった、というのも、まだ4月末までの入院だったので冷房自体がまだ無かった。ただし、朝の洗顔の水で左顔を洗うと、脳天まで響いた。お湯が出たのでお湯で洗っていた。
 二つ目食後の脚のしびれ、痛み。これは退院後に、より顕著になってきた。いま処方された薬を朝と晩に飲んでいて、なんとか痛みは緩和しているが、薬を飲む前、1ヶ月前はけっこう痺れが強かった。

 自然と徐々に良くなっている箇所はあるものの、全部の痺れ冷えが綺麗になくなることは、ないだろうと医者から言われている。これは、痺れ(や痛み)が所謂、脳の誤信号によるモノだからである。脳の血管の詰まったところ(梗塞したところ)は二度と元通りにはならないので、脳は誤信号を出し続ける、けっこう日によって強弱もある。
 また不思議なのは、寝ているときは、余り感じない。痛みや痺れで目が覚めるということがないというのが正解かも。やはり脳が動いている時の誤信号か
  これまで述べたとおり、脳の誤信号なのだが、なぜ食後に痛みが来るかというと、諸説ある。食後は、消化のため血流が内臓へ集中するため、脳への血流が減って誤信号がでやすいという説。
 ちょっと短絡過ぎだが、痛み止めの鎮痛剤(それも効かない人もいると言われた)しか手がないということからして、脳外科として打つ手がないのだ。脳梗塞の人は、もちろん早期に手が打てたりして回復する人もいるが、梗塞部を作ってしまった人は、大なり小なり、後遺症(こういった冷えや痺れとかフラつき)と向きあい、ずっと付き合っていかないといけないようだ。


・後遺症がやっかいなところ

 顔の痺れや麻痺については、ある療法士さんは、できるだけ放置考えないようにするのが脳にはよい、また顔を素人がマッサージすると顔面神経に影響でるかもしれないと言っていた。顔はやっかいである。
 自分はベッドで目覚めたとき、すぐにベッドから出ずに左目の周りや左こめかみ、首筋後ろあたりを軽くマッサージしてから起き上がるようにしている。起きがけは左の瞼が重く目がきちんと開かないときもあるからだ。日によって症状が違うようで、嫁さんが「きょうは目が重たそうね、痺れてない?」とか気にしてくれる。自分だけでなく他の人に見て貰う事ってけっこう大事。

 冷えについては、夏場などの季節性のものだが、この夏にまさか居間のエアコンを止めてくれと嫁に言うわけにも行かない、28℃くらいでも辛い。ご飯時とかは我慢。左の目の周りが冷えて痛い。右腕右脚はサポーターみたいなものを巻くとかで何とか凌げる(いちいち面倒だが)が、顔はやっかい
 居間に長居はできないので、すぐ自室兼寝室に逃げる。エアコンなし、部屋の温度は常に30℃前後で除湿機で湿度を50%くらいにして緩ーく扇風機などで空気を回せば、そこまで汗をかかずにわりと快適に過ごせて寝ることもできる。ちなみに隣の嫁さんの部屋(兼寝室)は、エアコンがあり24時間稼働、続き間だが仕切ってある(エアコンの冷気が入ってこないよう、自室の熱気でエアコンに負荷が掛からないようしている)。

 いろいろ冷えや痛みが出ない工夫をすることはできる、が 基本は脳の誤信号、直らない(と医者はいう)。付き合っていくしかない。


 



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