ウメ子ちゃんの物語(事件) 親の財布からお金を盗む <6>
<5>からのつづきです。
タケお父さん「ウメ子、スパイペンを買ったときのこと、『あ~、そっかぁ』って言ったんだね。金額の辻褄が合わなかったんでしょ。マツちゃんは、そこでつめなかったんだ。『あー、そっかってどういうこと?!』って」
マツお母さん「えっ。あぁ、そのセリフが証拠になるのかぁ・・・。う~ん。なんか、もういいかって思っちゃったんだよね。だって、こっちにはバレバレじゃん。頭が良くないと、うまい嘘ってつけないんだなぁって思って。ウメ子は今さ、言い訳の仕方とかいろいろと考えて、思考力を使ってるわけよ(笑)。あまり良い方向じゃないかもしれないけどさ、勉強する場が変わってきてるんだよね」
ここからは、少しずつ、断片的な物語を。
10月15日(木)
ウメ子ちゃんと一緒にお風呂に入っていたときのこと。
火曜日にやったというゲームの話題がいきなり始まりました。
ウメ子ちゃん「お母さん、ウメ子、ゲームでね、『ねずこ』つかんだんだよ。でもね、あとちょっとってところで、あ~っ!て、落ちちゃったんだ」
マツお母さん「へ~。『ねずこ』掴んだけど、後ちょっとってとこで落としちゃったんだ」
ウメ子ちゃん「うん。あ~、『ねずこ』かわいかったんだよ。欲しかったなぁ」
マツお母さん「ふ~ん。『ねずこ』かわいいだろうねぇ。人形なの?」
ウメ子ちゃん「うん、キーホルダーなんだよ」
マツお母さん「ウメ子、フェルトとかで作ってみたら?」
ウメ子ちゃん「えっ?本当だね!ウメ子、作りたい!いいね!お母さん、作り方調べておいて!」
マツお母さん「いいよ」
お風呂からあがってから、フェルトでのマスコットの作り方を検索してみたら、なんだかすごく難しそうだったので、折り紙で作ろうということになりました。
10月16日(金)
ウメ子ちゃんがRちゃんと遊ぶ約束をしていたのは、10月17日でした。
マツお母さんは、引き出しの中の手紙を見てしまったことを伝えていません。
夕方になって、ウメ子ちゃんが「あのね、明日Rちゃんと遊ぶとき、1500円持って行くことになってるんだ~」と言い出しました。
マツお母さん「あ、そうなの」
ウメ子ちゃん「うん。でもね、ウメ子は500円までしか使わないって決めてるんだ」
マツお母さん「へ~」
そして、10月17日(土)
家でお昼ごはんを食べてから、ウメ子ちゃんは支度して「いってきま~す」と出かけていきました。「ウメ子がRちゃんちにピンポンすることになってるんだ」と言っていました。
その後、しばらくしてから、ウメ子ちゃんが家に帰ってきました。
ウメ子ちゃん「Rちゃんの家にいったんだけどね、Rちゃんの家、誰もいなかったわ」
マツお母さん「え?あ、そうなの?お休みの日だから家族でどっかに出かけてるのかなぁ・・?」
タケお父さん「は?遊ぶ約束してたんでしょ?友だちとの約束って、そういうもん?」
ウメ子ちゃん「まぁ、いいや」
ウメ子ちゃんとマツお母さんは、ツル美ちゃんが昼寝中に、二人でYoutubeの動画を見ながら、折り紙で『鬼滅の刃』のキャラクターの『ねずこ』を作って過ごしました。
ウメ子ちゃんがお金を盗んだ物語(事件)は、ここで一旦おしまいです。
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この後も、ウメ子ちゃんはタケお父さんと喧嘩したり、買い食いしたりと、いろいろとあるのですが、ウメ子ちゃんすっかり通常運転な気がします。
ほんとに、うるさいくらいによくしゃべるウメ子ちゃんが戻ってきました。
Rちゃんのお母さんからは連絡がないのですが、今のところ放っておいています。
Rちゃんが家に来たときに、マツお母さんからRちゃんに積極的に挨拶するようにしています。
な~んか、まだマツお母さんとRちゃんとの間には信頼関係がない感じです。
でも、東京に引っ越してくる前に、ウメ子ちゃんと一番仲良しだった女の子Uちゃんも、最初はこんな感じだったんです。私に挨拶ができない子。1年生のときから常にお金をいっぱい持っている子。
最初はなんだかなぁと思っていたけれど、付き合ううちに、私にも心を開いてくれて、ものすごくかわいく見えてきました。
1年生と3年生でも違うのかなぁ・・。
引き続き、様子をうかがって見ていきたいと思います(^_^)
タケお父さんが言っていたように、これからはウメ子ちゃんに何か事件がおこるたび、ひとつひとつ親としてベストを尽くして行くしかないのだなと思います。
あのときの会話には続きがあって・・
タケお父さん「これからエロもくるよね」
マツお母さん「そうだよね・・。もう少し大きくなったら、避妊の話とかさ・・」
タケお父さん「ひょえぇぇぇ~~~」
マツお母さん「タケくんのお母さんはハッキリ言いそうだよね」
タケお父さん「あぁ、俺はね・・(以下、略)」
マツお母さんは、今回のことで、自分の過去がひとつひとつ思い出されましたし、タケお父さんの過去の話もたくさん聞けて、ふたりでたくさん笑いました。
やらかしちゃってること、いっぱいあるんですよね。ほんっと、あわわわわってなります。
そして、今回の物語(事件)を読んだ身内からも暴露話がたくさん聞けて、とてもおもしろかったです(笑)。
実のところ、ウメ子ちゃんを起こしての説教タイム中、マツお母さんは泣きもしたけれど、なんだか滑稽で、笑いそうになっちゃっていたのでした。
タケお父さんも、笑いをこらえていたと後から言っていました。
マツお母さんやタケお父さんが子ども時代にお金を盗んだことがあるという話も、ウメ子ちゃんにはまだまだ暴露できないなと思います。
でも、大人になったときにはいずれ打ち明けて一緒に笑えたらいいなぁ。
ツル美ちゃんの場合はどうなるやら。
「おこづかい」のことについては、やっぱり、その子の「環境」をよく見てあげないとダメだなって思いました。
タケお父さんは「子どもなんてみんな悪いんだ」と言っていたけれど、マツお母さんはやっぱり「子どもはみんな良い子なんだ」って思っています。
悪い子なんていなくて、親や周りの環境がそうさせてしまったんだと思っています。
まぁ、良い親も良い環境もありえないって言っちゃえば、みんな遅かれ早かれ悪さをするのは必然なのかもしれませんが。
ウメ子ちゃんが図書館で『キング牧師』を借りて読んでいました。
本の中で、キング牧師が言っていた言葉が引っかかりました。
「黒人がおかしいのではない。黒人がおかしいというアメリカ合衆国憲法がおかしいのだ」
タケお父さんもよく「子育ち理論」を「憲法」に喩えていました。
タケお父さん「『ウメ子が泥棒になった。こづかい300円だから盗んだ。こづかい300円にしたのは子育ち憲法に書いてあるからだ。
おおお。これをキング牧師の言葉にあてはめると、、、
ウメ子がおかしいのではない。ウメ子を泥棒にする子育ち憲法が悪いのだ。』ってこと?」
マツお母さん「おこづかいが『学年×100円』で問題があったって話を聞かないけど、みんなうまくいっているのかなぁ?もしかしたらそれで何も問題がない子もいるのかもしれないけど、環境次第だから、どの子にも通用するって話ではないんじゃないかってこと」
帰省したときの臨時収入(現金)の一部をそのままウメ子ちゃんに渡していたので、マツお母さんは子育ち講座で聞いた話を100%実践していたわけではありません。もし、完全に与える現金が「おこづかいのみ」だったとしたら、どうなっていたかなぁ・・と考えたりもしますが、過ぎたことはどうしようもないですね。
基本的なところでは、『わが子の育ちを信じること』、『わが子のありのままを受け止めようとすること』で、間違っていないのだとマツお母さんは思っています。
「子育ち理論」は便利だけど、親の方も自分の頭で考えて、こまめな修正が必要ってことですね。
「どんぐり倶楽部」も同じですけどね。
しかし、親の方が『うまくいっている』と思い込んでいる場合はどうにもなりませんね・・。
タケお父さんと話したのは、「ウメ子に『良い子』を期待するんじゃなくて、生きてるだけでいいよねくらいの大きい気持ちでいないとね」ってこと。
「子育ち」ってもっと、シンプルでいいのだろうなぁ。
「子育ち」という育児方法をどんな親でも使える形で表現したいと思っています(^_^)