ウメ子ちゃんの物語(5才2〜3ヶ月)
2017年3月8日 ウメ子ちゃんのリュックサック
一昨日のこと。
タケお父さんが珍しく早く起きてきて、一緒に朝ごはんを食べました。ウメ子ちゃんが幼稚園に登園する時間、普段のタケお父さんならまだ布団の中なのです。
早起きしたタケお父さんは、幼稚園の見送りについてきました。3人で歩いて幼稚園に向かいました。(タケお父さんが行くなら、マツお母さんは行かずに二人で行かせても良かったんですけどね…^_^;)
幼稚園の玄関の前で、タケお父さんはウメ子ちゃんと同じクラスの女の子たちの背負っているリュックサックを見て、「うっわ!すごいね」と声をあげました。
みんなが持っているのは、ディズニーのお姫様系キャラクターのイラストがデーンとプリントされたピンクとか薄紫色のキラキラ・ラメラメの特大リュックなのです。
ウメ子ちゃんのリュックと言ったら、ピンク色のキルティングのリュックサック。
1年使いこんですっかり色も薄くなってよれよれです。
キルト地はタケお父さんのおばあちゃんちの押入れにあった年代物だし、その他のパーツは、以前マツお母さんが使っていたリュックから再利用品です。ボロボロになって捨てる前にパーツだけかきあつめていたものでした。YKKの両開きファスナーだけ購入してあとは全部手縫いで作ったという、材料費400円のマツお母さんの力作なのです(^_^;)
幼稚園からの帰り道、「ウメ子ちゃん、他の子みたいなリュックが欲しいって言わないの?」と、タケお父さん。
マツお母さん「う〜ん。言わないねぇ」
あと1年だけだから、しっかり使いこんでおくれ(^_^)
前にも、『ウメ子ちゃんはどうしてあんなに物欲が抑えられるんだ』ってタケお父さんが不思議がっていたけれど、ウメ子ちゃんは結構「なんでもいいよ」って言うタイプなんですよね。
言いたいこと・やりたいこと・好きなものはすごくハッキリしているので、我慢しているって感じでもなさそうです。単に興味がないのかな。
あ……。でも、そういうキャラクター商品が並んでいるお店にマツお母さんが立ち寄らないからかもしれません(^_^;)子ども向けテレビ番組も見せていないし、CMも見る機会がないし。そうか、それもあるのかも。
時々、出張に行くタケお父さんに「ぷりきわのお土産が欲しい!」とか言ってますけどね。プリキュア(アニメ)見せたことはないけれど、幼稚園のお友だちがいっぱいグッズを持ってるからね。
〜〜〜
昨日の朝、ウメ子ちゃんはギンガムチェックのスカートを選んではいていました。
ウメ子ちゃん「これ誰にもらったやつ?」
マツお母さん「これお母さんが前に作ったんだよ」
ウメ子ちゃん「えっ?!お母さんが作ったの?お母さんのことが、だいすきぃ〜〜〜〜!!」
ウメ子ちゃんはマツお母さんの足にぎゅううと抱きついてきました。
ただ四角い布(←もらいもの)を輪っかにしてゴム通しただけの簡単スカートなんですけどね。こんなに喜んでくれるなんて、ありがたいなぁと思います(^_^)
2017年3月10日
家の近所に小さなクリーニング屋さんがあります。いつもおばあちゃんが一人で店番をしています。料金表など一切なくて、ちょっとドキドキするのですが、クリーニングが必要な時はいつもそこを利用しています。
タケお父さんはスーツを着ることが滅多にないし、わが家ではあまりクリーニングを利用する機会自体が少ないのです。
前回利用したのは、半年くらい前だったかもしれません。ウメ子ちゃんも一緒でした。その時に、クリーニング屋さんのおばあちゃんがウメ子ちゃんに「今度来たときにはお菓子を用意しておこうね」と言ったのでした。
おばあちゃんは同じ日にも「何歳?」と何度か聞いてきていました。
(あ、さっきと同じやりとりしてる……)なんて、マツお母さんは思ったりしていて、このお菓子の約束も、どの程度信頼できるのかあやしいなぁと内心思っていました。
でも、ウメ子ちゃんはクリーニング屋さんの前を歩いて通る度に、「あ、今日はクリーニング屋さんおやすみだねぇ」とか「今日はおばあちゃんいないねぇ」とか「おばあちゃん、ウメ子にお菓子くれるって言ったよね」とか言っていました。
お店のカウンターにおばあちゃんが座っているのが見えた日には、かならずぴょんぴょんと飛び跳ねて、「お〜〜い!」と手を振っていました(というのも、ガラスの引き戸の下半分がすりガラスなのです)。
おばあちゃんもにこにこして手を振ってくれていました。
そんなこんなで半年くらい経ち。
タケお父さんから「クリーニング出しといて」という服を受け取りました。
3日前の午後。
クリーニングに持って行った日のことです。
家を出る前にウメ子ちゃんは「お母さん、おばあちゃんに『お菓子くれるって言ってた』って、お母さんが言ってね!」と言いました。
マツお母さんは「え〜〜〜?!お母さん言えるかなぁ……。言えないかも……」
と言いました。
ウメ子ちゃん「お母さんなら言えるよ!」
マツお母さん「う〜ん。ウメ子が言ったら?」
ウメ子ちゃん「え〜〜〜?」笑いながら首をかしげていました。
ウメ子ちゃんが手提げ袋を用意して、タケお父さんのズボンを入れて持ってくれました。
クリーニング屋さんまで歩いて行くと、カウンターには誰も座っていませんでした。
ウメ子ちゃんは扉を開けて中に入り、大きな声で「こんにちは〜〜〜!!」と言いました。
奥からおばあちゃんがやってきました。
服を渡して、マツお母さんがお金を払いました。
ウメ子ちゃんは小さな小さな声で「お母さん、お母さん」と言いながら、マツお母さんのことを両手の人差し指でさして、にやにやしていました。
マツお母さんは「ウメ子、ウメ子」と小さな声で、ウメ子ちゃんのことを両手の指でさしました。
ウメ子ちゃんは笑いながら首を振っていました。
おばあちゃんはウメ子ちゃんに「何歳?」とか「名前は?」とか聞いたり、「いつもここの前を通るときににこにこして手を振ってくれるよね〜」と言っていました。
しばらく会話をしてから、おばあちゃんが椅子から立ち上がり、「ちょっと待っててね。今、おばあちゃんのお菓子を取ってこようね」と奥に引っ込みました。
そして、ウメ子ちゃんにチョコレートのクッキーを3つ渡してくれました。
ウメ子ちゃんは家から用意して持ってきていた、お菓子を入れるための小さな袋にクッキーを入れました。
お店の外に出てから、「おばあちゃん、お菓子くれたねぇ」と言いながら、ぐる〜〜っと遠回りして(散歩して)家に帰りました。
(おしまい)
おばあちゃんもいつもウメ子ちゃんのこと見ていてくれたみたいで、マツお母さんは嬉しかったです。お菓子の約束を覚えてくれていたのかどうかは正直わからなかったですけど、ウメ子ちゃんは嬉しそうでした。お菓子は1日に1袋ずつ食べました。マツお母さんにも少し割って分けてくれました(^_^)
それから、クリーニング屋さんのおばあちゃんの孫のMちゃん(5才)が、春からウメ子ちゃんと同じ幼稚園に入るそうです。おばあちゃんがお店の奥からMちゃんを呼んできて、ウメ子ちゃんとMちゃんは握手して挨拶していました。
ウメ子ちゃんは家に帰ってからも、Mちゃんの話をよくしていました。
年長さんで同じクラスになれるかな〜〜? (^_^)
2017年3月15日 ウメ子ちゃんへの指示 (5歳頃)
ウメ子ちゃんが幼稚園(年中さん)に通うようになってから、1年がたちました。
今日で年中さんはおしまいで、明日から4月5日まで春休みです。
ここ最近、マツお母さんがウメ子ちゃんに対してどんな指示を出しているか、ウメ子ちゃんはどんな反応をするかってことをつらつらと書いておきたいと思います。
〜〜〜
ウメ子ちゃんに食事の用意の指示を出すと、ほぼ9割がた断られます。
マツお母さん「にんじん切ってください」
ウメ子ちゃん「やだ。今お手紙書いてるんだもん」
マツお母さん「ウメ子ちゃん、ジャガイモの皮むいてください」
ウメ子ちゃん「あ、やる」……と言いつつ、机上空間でなにやらやっている。マツお母さんは他の作業を進めながら待っていたけど、残すところがじゃがいもだけになってしまった。「ウメ子ちゃん、じゃがいもどうする?」
ウメ子ちゃん「う〜ん、やっぱ、お母さんやって。今、これ作ってるんだよね」
お弁当作りに関しても、最近はやらないです。最初のうちは混ぜたり盛り付けたりしてたんですけどね。近頃はメニューのリクエストだけして、ほとんど指示には「やだ。お母さんやって」と言って、その間、たいてい机上空間で何かしています。お弁当箱とか袋とかは自分で用意していますが。
ウメ子ちゃんが台所で積極的に動くのは、「クレープ作りたい」とか「ホットケーキ作りたい」とか「明日のおやつに牛乳プリン食べたいから、明日は朝おきたら一緒に作ろうね」とか自分から食べたいもの(主におやつ)を決めてやるときですね。
こういうときは、材料を準備して混ぜたり焼いたりお皿にうつしてテーブルに運んだり……っていう一連の流れを全部自分でやりたがります。マツお母さんはちょこちょこ指示を出してお手伝いするだけで、おこぼれに預かる感じです。
マツお母さん「ゆでたまご食べる?」
ウメ子ちゃん「あ、食べたい!」
こういう時は、ウメ子ちゃん結構指示通りにさくさく動きます。
マツお母さんは「冷蔵庫から卵3個出して」「フライパンに水入れて〜」「卵を入れて火にかけてフタして〜」「火強くしてね〜」「ちょっと弱くしていいよ〜」って感じです。
こないだ、ウメ子ちゃんが卵を落としてしまったのですが、「あ〜、落ちちゃったね。いいよ、そのまま入れて」とマツお母さん。
ヒビが入った卵を加熱していくと、白身が出てきて黄身が飛び出してきて……っていうのが、透明の蓋ごしによく見えて、ウメ子ちゃんは「うわ〜うわ〜」って言いながら、ずっとコンロの前で眺めていました(^_^)やっぱり「透明の蓋」はおもしろい!
マツお母さんが夕飯のメニューを勝手に考えてしまって、ウメ子ちゃんに「あれやって」「これやって」って指示を出すと、最近はまるでダメですね(^_^;) 特に午後は。
食べ終わったお皿なんかは、「流しに持って行って〜」というと割とさっと動きます。たま〜に、お皿を全部洗ってくれることがありますが、ほんとに気が向いたときです。
〜〜〜
幼稚園の上履きを金曜日に持ち帰って、土曜日に洗っています。
毎週、ウメ子ちゃんに「上履きを洗ってください」と指示を出すのですが、去年の春から始めて、最初のうちは楽しそうにやっていましたが、いつからでしょう??ここ最近はまるでやらなくなりました。「やだ〜、やりたくない!お母さんがやって!」と言います。結局マツお母さんが洗っています。ほんとにほんとに気が向いたときに、ウメ子ちゃんはちょろっとお風呂場に顔を出して靴底についた人参や粘土とかを竹串で掃除したりすることもありますが、たいていやらないです。ベランダに干すのだけは毎回ウメ子ちゃんが自分でやっています。
うまく「やだ」が言えるようになってきたということで、マツお母さんは甘えさせてあげています。「やだ」と言った時点で、やることは頭の中でイメージできているから、やったことと同じなんですからね(^_^)ここが大事ですもんね。そりゃ、上履き洗うより、遊ぶほうが楽しいよね〜。
〜〜〜
ウメ子ちゃんが必ずやるのは、幼稚園の準備でしょうか。脱いだ着替えを出して脱衣所のタライにいれ、新しい着替えを用意して……っていう登園準備はささっとやってしまっています。これは苦じゃないようです。というか、自分で着たい服を上下で合わせて考えて選んでいるみたいですしね。「これとこれ着たらセットみたい〜♪」とか言っています。マツお母さんが「これは?」とかって服を提案すると、「これやだ。こっちにする」ってハッキリ言われるので。
でも、今日はマツお母さんが「脱いだお着替え出しといてね」というと、「今日はやりたくな〜い!明日の朝する」と言っていました。明日から春休みだから、明日の朝まで待ってみることにしましょう(^_^;)
〜〜〜
その他、簡単な指示は場合に応じてです。マツお母さんは細かい方かも?毎日毎日同じことを言っています。一緒にやることもまだまだあります。
「洗濯物とりこんで〜」というと、手に届くところは取ってきてくれたりします。
気が向いたときには、マツお母さんが何も言わなくてもたたんで、それぞれのタンスに入れてくれたりすることもあります。もちろん毎日じゃないけれど、助かりますねぇ(^_^)
いろいろと口うるさく言ってますが、ウメ子ちゃんの方は自分で「やる」「やらない」を決断して、のびのび行動しているな〜って感じます。やらされてる感がないです。子育ちの「指示」が、「強制」や「命令」ではないからかもしれませんね。
「やだ」って正直な気持ちを言っても、親が怒ったりするわけでもなく「やだねぇ」って返してくれるんですからね。
動いてくれたときには「ありがとうね〜!」「ウメ子ちゃんのおかげで助かったわ〜!」の労いの言葉も忘れずに(^_^)
そして、マツお母さんはそんなウメ子ちゃんを見ながら、「子育ち」やっててよかったな〜と確信するのでした。
2017年4月3日 金魚の死
1年半ほど前に、ホームセンターでタケお父さんとウメ子ちゃんが金魚すくいをやって、1匹の金魚を連れて帰りました。
近所の公園の池ですくってきたメダカなどの淡水魚と一緒に水槽で飼っていました。
毎朝の餌やりがウメ子ちゃんの仕事でした。(やらない日もありましたけどね。)
今年の3月に入って、金魚の動きが鈍くなったなと感じることが増えてきました。
時々横転していて、タケお父さんと「そろそろヤバイかもね…」なんて話していました。
3月22日(水)
ウメ子ちゃんとマツお母さんが午後の散歩から帰ってくると、金魚が水槽の水面で横向きになってじっとしていました。
マツお母さんは「あ〜っ!!金魚さんが弱ってる!」と言いました。
ウメ子ちゃんとしばらく水槽を見ていると、金魚は体をまっすぐにして少しだけ泳ぎ始めました。
普段、タケお父さんは17時過ぎに帰ってきて、夕飯を食べてからまた仕事に戻るのですが、この日はタケお父さんの会社が「ノー残業デー」とかで、ウメ子ちゃんとマツお母さんが寝支度を整えていた頃に帰宅しました。
玄関が開く音がすると、ウメ子ちゃんはパッと布団から飛び出して、「ウメ子はもう寝るところだよ〜〜!」と、タケお父さんに向けて元気よく言いました。
「ウメ子がごはん用意してあげるね」と、台所まで行って夕飯の用意をタケお父さんとやっていました。
準備ができるとウメ子ちゃんは布団に戻ってきました。
タケお父さんがリビングで夕飯を食べている間、隣の寝室まで明るくなってしまうので、マツお母さんは扉(引き戸)を閉めようとすると、ウメ子ちゃんはムッとして開けようとしました。
リビングの光が漏れてくる寝室で、ウメ子ちゃんとマツお母さんが横になっていると、タケお父さんが「あ、金魚がよこになってる!!」と声をあげました。
ウメ子ちゃんも布団の中でうつぶせになって、頬杖をついて水槽を見ていました。
タケお父さんは「うわーー!他の魚に食べられてるよ!うわーー!ヒレとか口とか食べられてる!」と言い、「どうしよう?!公園の池に返してこようか?!」と言いだしました。
マツお母さん「金魚は公園の池から来てないじゃん…。それに、池にやっても同じことじゃない?」
タケお父さん「でも、見てられない!」
ウメ子ちゃん「お父さん、どうするの?」
タケお父さん「池に持ってってくる!」
タケお父さんは小さな容器で金魚をすくって、そのまま公園まで行ったようでした。
マツお母さんは一人でウトウトと眠ってしまいました。
タケお父さんの声がしてふと目を覚ますと、マツお母さんの横でウメ子ちゃんがうわーんうわーーんと泣いていました。
ウメ子ちゃんは「うわーーーん!うわーーーん!うわーーーん!!」と激しく大号泣で、いつまでたっても泣きやみません。
マツお母さんはウメ子ちゃんの頭をなでたり、背中をさすってやったりしました。
マツお母さんが号泣するウメ子ちゃんの背中を無言でさすっていたら、タケお父さんがそばまで寄ってきて、「ウメ子ちゃん、大丈夫だよ。大丈夫だよ。そっかー、悲しかったんだね。一緒にホームセンターでつって帰ってきたんだもんね」と言うと、ウメ子ちゃんは泣きながらも顎を縦に小さく動かして、うなづいていたのでした。
ウメ子ちゃんは布団にうつぶせになったまま、ずっと「うわーーーん!うわーーーん!うわーーーん!!」と涙を流しながら泣き続けているので、マツお母さんはウメ子ちゃんの身体の向きを変えて、腕枕して抱きしめるようにして背中をなで続けました。
しばらくして、ぐすんぐすんと泣き止んできて、ウメ子ちゃんはそのまま眠ってしまいました。
〜〜〜
マツお母さんは夜中に目を覚まして、ウメ子ちゃんをはさんで反対側で寝ていたタケお父さんに「何があったの?」と聞きました。
タケお父さん「それがさ、池から戻ったら、ウメ子ちゃんが『何て言ってた?』って聞くんだよ。だから、『ウメ子ちゃんに会いたいって言ってたよー』とかって、
金魚の心象風景を語ってたんだよ。そしたら、ウメちゃんが布団のはしっこをカミカミしながら、ポロンポロンって涙を流して、『うわーーーん!』って泣き出したんだよ」
「こどもって、感受性が強いんだね。金魚が死んだって事実にこんなに泣くなんて」と言うタケお父さんに対して、マツお母さんは、『金魚が死んだ事実』じゃなくて、タケお父さんの創作話でウメ子ちゃんの気持ちをあおって泣かせたんでしょ!と、心の中で思ってしまいましたが……。
〜〜〜
翌朝は、いつも通りウメ子ちゃんが「オハヨー!お母さん、暗いけど、起きよう!お母さん、おばあちゃんち行く準備まだできてないでしょ!」とマツお母さんを起こしてくれました。
実はマツお母さんは、夜中の1時頃から寝られなくなってしまって、布団の中でずーーっと悶々と考え事をしていて眠たかったのですが、起き上がりました。
ウメ子ちゃんも起きて布団の上に座ると、水槽の方を見ながら「あ、昨日、ウメ子、金魚ちゃんがいなくなって、悲しくなって泣いたんだった……」とつぶやきました。
……が、すぐに、「今日はおばあちゃんちに行く日だ〜!明日にはKちゃん(マツお母さんの妹)にも会える〜!きゃぁ〜〜♪」と、喜声をあげていました。
でも、朝ごはんを食べている時や、お昼ごはんを食べている時なんかに、急に真顔になって「もっと金魚ちゃんに居て欲しかったな……」とぼそっとつぶやいていました。
(おしまい)
もっと別のお別れの方法もあったんじゃないかって、後から考えてしまうのですが、どうしようもないですね。
あれから10日以上たって、「金魚ちゃんがいなくなって悲しくて、ウメ子泣いちゃったんだよね〜」と、本人軽い感じで笑いながら言うようになっていますけどね。
でもまだ時々「金魚ちゃんにもっと居て欲しかった…」とぼそっと言います。
マツお母さんはその度に、「金魚ちゃんにもっと居て欲しかったね」と返しています。
2017年4月7日 年長さんになりました。
昨日、ウメ子ちゃんの通う幼稚園で進級式がありました。
年中さんから年長さんにあがり、他の保育園や幼稚園から来た子など新しい園児がたくさん増え、クラスのメンバーはガラッと変わって、担任の先生も変わりました。
ウメ子ちゃんのクラスの担任の先生は、この4月に新しく幼稚園に来たばかりのY先生になりました。年中さんの時の担任だったC先生は、持ち上がりでお隣のクラスの担任になっていました。マツお母さんはなんとなく、そのままC先生だったらよかったな〜って思っていたので、ちょっぴり残念に思いましたけど。
今日は進級式後の初登園で、給食も食べて14時降園でした。
ウメ子ちゃん、夕飯の時にしゃべる、しゃべる、しゃべる。話に夢中で食べ終わるまでにかなり時間がかかりました(^_^;)マツお母さんは先に食べ終わってしまって、ずっと横で相槌を打ちながらウメ子ちゃんの話を聞いていました(時々、指示を出しつつ……)。
「あのね、Y先生はね、いじわるした子がいても『あ〜、いじわるしている子がいる〜』って、言うだけなんだよ。言うだけで、怒ってないんだよ。C先生の時は、怒ってたけど、Y先生は一回も怒らないから、Y先生の方が優しいみたい。ウメ子、Y先生でよかったな〜〜!」
ウメ子ちゃんは新しいY先生のこと、高評価のようです。ひとまずよかったよかった(^_^)マツお母さんにはどんな先生か分からないけれど、大事なのはウメ子ちゃんの気持ちですもんね。個人面談の日が少し楽しみになりました。
教室が2階から1階に変わって、そのまま園庭に遊びに行けるようになったこと。
Y先生の歯磨きの歌がC先生の時と微妙に違うこと(←なぜか大ウケ)。給食を食べるグループのメンバーのこと。年中さんで一番仲の良かった女の子と同じグループになったこと。
今日はどんな遊びをしたかとか、隣のクラスにクリーニング屋さんのおばあちゃんの孫のMちゃんを見かけたから、今度園庭で一緒に遊べるかも…とか、新しく聞くお友だちの名前もちらほら耳にしたり。
「今日、幼稚園楽しかったな〜!」と、ウメ子ちゃん。
ウメ子ちゃんが年長さんを楽しくスタートさせたようで、マツお母さんは何よりです(^_^)
2017年4月14日 春休みに駄菓子屋さんへ行きました。
マツお母さんの実家の近くに駄菓子屋さんがあります。
マツお母さんが小学生の頃によく行っていたお店で、今も変わらずにあるのです。
ウメ子ちゃんは一度だけ行ったことがあります。
春休みに帰省するということで、ウメ子ちゃんは「おばあちゃんちに行ったら、駄菓子屋さんに行きたいな〜」と言っていました。
「子育ち理論」では、なるべく「買う」という言葉も避けて、6才くらいまではお金に関わらせないようにするのですが、4才くらいからは少しずつ「遊び」の中で現金を使う機会を与えてもよいということが言われています。
3月23日(木)
実家に向かう日の朝。
タケお父さんが仕事に行く前に「駄菓子屋さんに行くなら……」と、10円玉をひとつウメ子ちゃんに渡しました。
ウメ子ちゃんはそれをリュックのポケットに入れて、大事に持って行ったのでした。
おばあちゃんち(マツお母さんの実家)に着くと、ウメ子ちゃんは斜め掛けの紐のついた小さながま口に10円玉を入れて、いつも肩からかけて持ち歩いていました。
24日はマツお母さんの同級生とランチに行き、お友だちと別れた帰りに歩いて駄菓子屋さんまで行ってみました。
マツお母さんは「これは、お母さんからね」と言って、10円玉を渡しました。
ところが、駄菓子屋さんは閉まっていました。
家に戻ると、ウメ子ちゃんは「お父さんにもらったお金があるから、これはいいよ」と、マツお母さんに10円玉を返してきました。(10円でどれだけ買えるのか知らないんだから……^_^;)
3月25日(土)
マツお母さんの妹(Kちゃん)と婚約者のM(フランス人)を囲んで、親戚家族が集まって手作りの食事会をしました。タケお父さんもやってきました。
夕方、タケお父さんがMを散歩に誘い、Kちゃんとウメ子ちゃんとマツお母さんも一緒に、5人で家の周りを散歩しました。
ついでに、駄菓子屋さんまで歩いて行ってみることにしました。
ウメ子ちゃんはその時、斜めがけのがま口を持っていなかったのですが、タケお父さんのジャケットのポケットにちょうど20円だけ入っていました。
駄菓子屋さんに着くと、またしてもお休み!!
でも、駄菓子屋さんの隣のアパートに住むお兄さんがマツお母さんたち5人がお店の前に突っ立っているのをみて、「おばちゃん、今日って休み〜?」と駄菓子屋さんのおばちゃんに声をかけてくれたのです。
おばちゃんは「今、孫が来とるけぇねぇ」と言いました。
お兄さんは「……だそうですよ!」と大きな声で、マツお母さんたちに聞こえるように親切に教えてくれました。
駄菓子屋のおばちゃんはマツお母さんたちに気がついて、「せっかく来てくれたんじゃけぇね」とお店を開けてくれました。
ウメ子ちゃんが持っているのは20円。
でも、おばちゃんによると、消費税を導入したから20円のものを買うには21円になるとのこと……。(妹は知っていたけど、マツお母さんはすっかり忘れていた〜)
ウメ子ちゃんに「10円までだねぇ〜」と言っていたら、なんとMが財布を持ってきていました。1円を借りることに。
マツお母さんが「10円のだったら2個選べるよ」と言うと、ウメ子ちゃんはひとつひとつのケースの中をよく見ていました。
ウメ子ちゃんが長いチューブに入ったゼリーみたいなのを持ち上げて、「これがいいな」と言いました。
マツお母さん「それは20円だから、それにするなら1個だけね」
ウメ子ちゃん「じゃぁ、これはやめる」ケースの中に戻しました。
ウメ子ちゃんはいろいろと悩んで、20cmくらいの長さのスティックタイプのピンク色のゼリーをひとつ選び、「あれがやってみたい!」と、くじ引きのコーナーを指さしました。
ウメ子ちゃんが引いたくじを開けると「48番」で、おばちゃんに見せると、「はい、これね」と2センチ角くらいの小さな容器に入った、ベビースターラーメンみたいなのを渡してくれました。
ウメ子ちゃんが21円を渡すと、おばちゃんは紙袋にゼリーとそのお菓子を入れて渡してくれました。
ウメ子ちゃんはお菓子の入った紙袋を手に持って、またみんなで来た道を帰りました。
(おしまい)
マツお母さんはこだわりが強い人間でして、ウメ子ちゃんには駄菓子みたいなお菓子ってあんまり与えたくないんですけど(というか、普通の市販のお菓子も買わないですけど)、たまにはね……とOKしています(^_^)
まぁ、お店のおばちゃんとのコミュニケーションって感じは薄いなぁと思いました。小学生とか中学生くらいになったら「おばちゃん!おばちゃん!」って感じになるでしょうけど、そんな関係性が築けるほど頻繁に通えるわけでもなく。
でも、いつまでもお元気で続けて欲しいと思います。
2017年5月3日 「生活」の中での工夫について。
先週の土曜日。
タケお父さん・マツお母さん・ウメ子ちゃん(5才3ヶ月)の3人で家にいたときのことです。
おやつにクレープを3枚焼きました。
マツお母さんはくるくるっと巻いて筒状にして、お皿に3本並べました。
ウメ子ちゃんは「半分に切りたい〜」と言ってナイフを持ってきて、筒状になっている3本のクレープの真ん中を切り、6つに分けて「ひとり2個ずつ食べれるね」と言いました。
そして、切り分けたクレープをひとつ手に取ると、巻いていたクレープがぺらっと開いてしまいました。
ウメ子ちゃんは半円形になったクレープを両手で持って胸の前に広げて「見て〜!エプロンみたいになってるよ〜〜!」と言って、笑いながらかじりつきました。
マツお母さんとタケお父さんは「エプロンみたいだね〜」と言いました。
そして、ウメ子ちゃんは食べかけのクレープをくるくると巻き直して、横からかじってまた広げ、「見て見て〜!」と言って、二つあいたクレープの穴から両目を覗かせて笑っていました。
(おしまい)
なんでもないことなのですが、ささいなおやつの時間の中でも、ウメ子ちゃんはいろんなイメージを蓄えていってるんだろうなって思います。
丸いクレープを巻いて半分に切ったら、エプロンみたいな半円の形になったこととか。巻いたクレープをかじったら、穴が並んであいたとか。
3個あったクレープを全部半分にしたら、一人あたり2個食べられるようになるとか(全体量は変わらないのですけどね)。こういう遊びや生活の中での体験が、「学力の素」となるのかもしれません。
もちろん、クレープを焼くまでに粉をアナログな秤ではかったり、材料を混ぜたり、フライパンを温めて生地をながしたり、ガスコンロの火力を調節したり、フライパンが温まっているかどうか手をかざしてみたり、生地が焼けて端っこから色が変わってくるのを見たり……といった一連の動作の中でも、計り知れないほどの実感を伴った情報を得ているのだろうと思います。
マツお母さんの方では「生活」の場面だと意識して、「目盛りがここにくるまで粉を入れてね〜」とか「大きい方で1杯いれてね〜」とかってウメ子ちゃんに指示を出していますが、まぁ、そもそも秤なんて必要ないんです。目分量でもクレープは作れます。
それでも、あえてアナログな秤や計量カップや大さじ・小さじを使っているのは、
ウメ子ちゃんが一人でも作れるように…って言うのもありますけど、「学習」の準備期間だとも認識しているからかもしれません。
「生活」の中で工夫している(思考回路を作っている)ところって、どんな場面がわかりやすいかなぁって考えていたのですけど……。
「ボウルに入ったクレープの生地をおたまですくって熱したフライパンに移すとき」とか?
ウメ子ちゃんが一人でやり始めた最初の頃は、生地がトロトロとこぼれてガスレンジ台の上とかに落ちてしまいました。
ウメ子ちゃんはだんだんと、おたまに入れすぎないようにするとか、垂れてくる分をあらかじめボウルの中で落としておくとか、ボウルをフライパンに近づけて置いてみたりとか、逆にフライパンをボウルの方に近づけてみたりとか、そういうことをやっていたなぁって思い浮かびました。
こういうのが「生活」の中での工夫(試行錯誤)かなぁと。
マツお母さんはとりあえず、ウメ子ちゃんがどうするのかを見ています。生地がこぼれたって、「こぼれちゃったね〜」って言って、後で一緒に拭けばいいのです。こぼれた分がちょっともったいないけれど、そこは「子育ち」のためだと割り切っています。
あと、「クレープの生地を焼いて、裏返すとき」とか?
フライ返しを乾いた生地の下にさしこんで、ひっくり返そうとするときに、すべってうまくいかないことがあります。
ウメ子ちゃんが「お母さん、できない〜!」って言うこともありますが、マツお母さんは「あら〜、滑っちゃうね〜」なんて言って、とりあえず黙って見ています。
ウメ子ちゃんはなんどもなんども同じ動作を繰り返し、反対側の手でフライパンを持ち上げて傾きを変えたりとか、ちょっと手で押さえてみたりとか、いろいろやっているわけです。
これを「生活」の場面ととらえたら、理論上の返し方は、言葉で「指示」を出すことになるのかもしれません。でも、ここで「アドバイスする」というのは違うかなぁとなんとなく思っています。
ざっくりとした指示に対して、いろんなやり方を試してみるチャンスを与えているって、そういう感じかなぁ。もちろんそれまでに実際にやっているところ、つまり「見本」は見せていますけどね。こうした方がいいなっていうのはあるんですけど、まずはウメ子ちゃんがどんな風にやるのかを見ることが大事だなぁって思います。
(洗濯物を干したりとかたたんだりとか、お皿の洗い方とか、すべてのことに言えることなんですけどね。)
「生地をひっくり返してね」という指示を出したあとは、どんな風にひっくり返すかはウメ子ちゃんにまかせています。マツお母さんがやっていた見本のイメージがなんとなーく頭の中にあるかもしれません(ないかもしれません)。指示出しのバージョンアップはゆっくりでいいなと思います。
これって、「学習」の場面での返し方にも通じるんじゃないかなって考えているんですけど、この部分はまた今度書きますね(^_^)
「思考回路をつくる」って、子育ちの散歩みたいなものだなぁって、ふと思いました。
散歩中は、家の玄関から歩いていくわが子の後ろを、母親は黙って受け止めながらついて歩きます。
小さい頃ほど、「え?こんな道をいくの?」「この階段あがるの?!」って思うようないろんな道を、ウメ子ちゃんは歩いて歩いて歩いていました。そうやって、頭の中に自分の地図を作り上げていたのだろうと思います。「あれ、こんなところに池があった!」とか、「ここに住んでいるおじいさんが柿をくれたよねぇ」とか、散歩中もいろんな発見や出会いもありました。
だいたいの道(回路)がわかると、目的地は決まっていても、いろんな行き方をするようになります。「今日はこっちから行きたい」とかお魚を見るために無駄に遠回りしてみたりとか、意図的に。
6才から9才の間にいかにたくさんの思考回路を作っていくかということが重要なのは、頭の中で「散歩を始めたばかり」みたいな感じだなぁって思うのです。
「今」は、この寄り道が大事な時期なんでしょうねぇ。
学習に関しても、「こっちの道から行った方が近いんじゃない?」って親が教えるんじゃなくて、いろんな道を自ら選んで進んで行くという過程を大切にしたいと思います。親は後ろから見守りながら(^_^)
「子育ち」という育児方法をどんな親でも使える形で表現したいと思っています(^_^)