見出し画像

ウメ子ちゃんの物語(6才0〜1ヶ月)

2018年1月10日

ウメ子ちゃん6才0ヶ月になりました。

誕生日の2日前から奥歯がはえはじめました。
ウメ子ちゃんは「もうすぐ前歯も抜けると思うんだ!」と言って、とても喜んでいます。マツお母さんは仕上げ磨きを丁寧にしてあげたいと思います。

ウメ子ちゃんは「誕生日にリップスティックが欲しい」と言っていました。

リップスティックというのは、小さな車輪が2個ついた、ゆらゆらするスケートボードみたいなやつです。

それから、「神社に行っておみくじをひいてみたい」とも言っていたので、誕生日当日はタケお父さんとふたりでリサイクルショップと神社のはしごをしてもらうことになりました。

リップスティックデラックスミニを手に入れて、神社でおみくじをひいて帰宅しました。

おみくじは中吉だったとのこと。タケお父さんは絵馬も書かせてあげたようです。
「さかだちができるようになりますように」とお願い事をかいたそうです。

家に帰ってからは、ウメ子ちゃんが机上空間で誕生日ケーキの図案を描いていました。

その図案を冷蔵庫に貼って、午後はマツお母さんとふたりでケーキ作り。卵を割って白身と黄身に分けたり。器用になってきたなぁと思います。

マツお母さんからは折り紙で作ったメダルとウメ子ちゃんがず〜〜っと前から食べてみたいと言っていたチュッパチャップス(棒付きキャンデー)をプレゼント。

ウメ子ちゃん「これ、これ、ウメ子欲しかったんだ〜!お母さんこれ、買ったの??」

マツお母さん「うん、買ったんだよ」

ウメ子ちゃん「やったーー!」

少ししてからウメ子ちゃんが「お母さん、ありがとうね」と言いました。
マツお母さんは、ウメ子ちゃんの「ありがとう」にしみじみと感動しました。

マツお母さんはこどもの頃、「ありがとう」なんて、さらっと言えなかったからなぁ。あ、今このタイミングで言えばいいんだろうなってのは、心の中で分かっていても口からその言葉が出てこずに、ずっとぐるぐると悔やみ続ける……そういう子でした。簡単なようでとても難しいことでした。ウメ子ちゃんがマツお母さんには高かったハードルを軽々と乗り越えていて嬉しい。


誕生日前日。

マツお母さんは寝る前にウメ子ちゃんをぎゅぅっと抱きしめました。そして、思わず、「5才11ヶ月最後のウメ子ちゃんをぎゅぅ〜〜」と言ってしまいました。

ウメ子ちゃんは「なんだか涙が出てきそうになっちゃった。あ、目を閉じたら涙が出てきたよ」と言いました。

もう一度ふたりでぎゅぅぅ〜っと抱きしめあってから布団に入りました。


2018年1月17日


ウメ子ちゃんの本読み(分かりやすく言うと、「読み聞かせ」です)の日課は、
わが家では子育ちの実践を始めてからもうずっと長いこと「夕飯の後、お風呂の前」というタイミングです。この流れがウメ子ちゃんの中にすっかり定着しています。

まだまだ割合として絵本を選ぶことが多いですが、児童文学と絵本との間を行ったり来たりしています。

昨日は岩波書店のクマのプーさんえほんの第1集『プーのはちみつとり』を読みました。時々かわいい挿絵が入っているけれど、文字の方が多い本ですね。

マツお母さんは座布団に座ってツル美ちゃんにおっぱいをあげていました。ウメ子ちゃんは本を持ってきて、マツお母さんの真ん前に座りました。

ウメ子ちゃんの後頭部が邪魔で、本がまったく見えない……!マツお母さんはこっそり体を右にずらして、斜め後ろから覗き込むようにして本を読んでいきました。

ウメ子ちゃんが本を持ってページをめくっていきます。
ウメ子ちゃんはマツお母さんが読むのを黙って聞いていて、時々「ふふふっ」と笑います。絵だけのページではじーっと眺めて「わ〜、いいなぁ。ここ、鳥がいっぱいいるよ!」とか言ってました。

最後のページにクリストファー・ロビンがお風呂に入っている絵がありました。

ウメ子ちゃんが「クリストファー・ロビンがお風呂に入ってるよ」と言って、
挿絵を眺めていました。
マツお母さんは「クリストファー・ロビンがお風呂に入ってるねぇ。ウメ子もお風呂に入ろう」と言って、ツル美ちゃんをお布団において、二人でお風呂に入りました。(ツル美ちゃんはご機嫌で待っていてくれました。)

ウメ子ちゃんの頭が邪魔で本が読みにくいと感じることが増えました。ウメ子ちゃんの背丈も伸びているんですよね。マツお母さんは座布団じゃなくて低い椅子に座ればよかったんでしょうけど、いつのまにこんなに大きくなったんだろうって、
昨日あらためて思いました。

本を読むのを「お手伝いする」スタイルも、つまり親と子のポジションもちょっと考えてみる時期なのかなぁと思ったり。
ツル美ちゃんが寝ていたら、膝の上にウメ子ちゃん抱っこして、密着して読んでもいいんですけどね。でも、身長だけでなく、重たくもなってきているので足にキビシイという……(^_^;)

ウメ子ちゃんは昼間、ツル美ちゃんに本を読んであげることもあります。
赤ちゃん向けの絵本だったり、児童文学だったり。昨日は『まどれーぬちゃんとまほうのおかし』をツル美ちゃんが寝転がってる横で読んであげていました。

ツル美ちゃんへの絵本の日課はまだまだ先と思っているけれど、ウメ子ちゃんとツル美ちゃん、ふたり分となったらどうなるかなぁと1年後2年後のことを想像している今日この頃です。


2018年2月13日

今月に入ってから、ウメ子ちゃんがイライラしていました。

たぶん、インフルエンザにかかったことがきっかけなんじゃないかな……なんてマツお母さんは思ったりもします。元気になってからも外出できず、幼稚園に行きたいのに行けなくて、ずっと家の中にいてストレスがたまったのかな……と。

幼稚園に行けるようになってからも、朝から癇癪をおこす日が多かったです。
今まではお迎えの後もリュックを放り出して公園で遊んでいたのに、まっすぐ家に帰るあたり、まだ本調子じゃないのかなとも思いました。


おとといの朝。

マツお母さんは台所にいました。

目を覚ましたウメ子ちゃんが布団の中に座ったまま「どうせ卵ないんでしょ!」と、唐突にイライラした声で言い出しました。

マツお母さん「うん。卵ないよ」

ウメ子ちゃん「ウメ子、卵かけごはんしたいのに!」

マツお母さん「昨日ウメ子ちゃんが『買い物行きたくないっ!』って言ったからね」

ウメ子ちゃん「分かるよっ!!」

ウメ子ちゃんは布団から出てこず、マツお母さんは黙って朝ごはんを用意しました。机にごはんと汁椀を並べました。

ウメ子ちゃん「ウメ子味噌汁欲しくない!昨日のスープならいいけど…」

マツお母さん「味噌汁欲しくないんだね。これ昨日のスープに豆腐入れたやつだよ」

(前日には「どうして今日は味噌汁がないのっ!」と言っていたのでした。)

ウメ子ちゃん「豆腐はやだっ!」

マツお母さん「豆腐はやなんだね」

ウメ子ちゃん「ごはんはやだ!ウメ子、おにぎりがよかったっ!」

マツお母さん「じゃ、おにぎり作ろうよ。こっちおいで」

ウメ子ちゃん「やだっ!作りたくない!ウメ子三角できないもん。お母さんが作ってっ!」

マツお母さん「どのくらいの大きさがいいの?起きてこっちおいでよ」

ウメ子ちゃん「大きいのがいい!3個がいい!」

マツお母さん「大きいの3個って、そんなに作れないよ」

ウメ子ちゃん「やだ!3個がいいっ!」

マツお母さん「わかった。もう、お母さんごはん食べないから3個作るわ。ウメ子、大きいおにぎり3個食べるんだよっ」マツお母さんもイラッとしてテーブルに並べていたお茶碗を取りに行って、土鍋にごはんを戻しました。

ウメ子ちゃん「……やっぱり2個でいい。お母さんに1個あげる」

マツお母さんはおにぎりを3個作って、焼き海苔を手で切って1個だけ巻いて食べました。

ウメ子ちゃんも起きてきました。
ウメ子ちゃん「海苔、自分でやりたかったっ!」

マツお母さん「これはお母さんとお父さんが食べるから、ウメ子の海苔は自分でやって。はい」

ウメ子ちゃん「もうっ!海苔出さないでほしかった!」

マツお母さん「はぁ〜(ため息)。タケくん、お願いだから起きてきて!お願い!起きてっ!」

ウメ子ちゃん「ウメ子のスープ、なんでこんなに少ないのっ!」

マツお母さん「まだ鍋にあるから全部たべれたらおかわりしたらいいよっ」

マツお母さんはさっさとごちそうさまをしました。タケお父さんが起きてきました。

タケお父さん「もー、ウメ子ちゃん。お母さん怒るからさ、朝から怒るのやめようよ。」

ウメ子ちゃんは「どうせ果物もないんでしょっ!」とあらゆることにイチャモンをつけてきます。

マツお母さんはウメ子ちゃんの言葉に返すのをやめました。頭の中には「イライラしたら、時間的、空間的に離れるしかない」という言葉がありました。ウメ子ちゃんのことは無視して、洗濯と部屋のそうじを始めました。時々、ツル美ちゃんがにこにこして手足をジタバタさせているのを見て癒されました。

しばらくすると、洗濯物を干しているマツお母さんのところに「お母さ〜ん、見て見て〜」と、にこにこ顏のウメ子ちゃんがやってきて、何事もなかったかのように話しかけてきました。

ウメ子ちゃんは「ウメ子とお母さん、また仲良しになってきちゃったねぇ」と言いました。

マツお母さんの方が気持ちの切り替えが追いついていなかったけれど、にこやかな風を装ってなんとか真似で返しました。

(おしまい)


最近のウメ子ちゃんはよく「いやんなっちゃう!」「もうっ、いやんなっちゃう!!」「怒りたくなっちゃうの!」と言っています。
「いやんなっちゃう」っていうのは、クマのプーさんの言い方を真似ているんだろうと思います。

タケお父さんとウメ子ちゃんが言い合っていて、タケお父さんが「もうっ!ウメ子、うるっさいなぁ!」なんて言っている時には、マツお母さんは遠くで笑っています。あ〜、またやってるわ〜(笑)って。これが、当事者となると、ほんと腹が立ってしょうがない。どうにか一対一になるのを避けたいと思って、おとといの朝はタケお父さんにヘルプを出しました。ツル美ちゃんに間にはいってもらうこともあります。イライラしていても、ツル美ちゃんが笑うとウメ子ちゃんも笑うのです。

マツお母さんがイライラしたときもですが、ウメ子ちゃんがイライラしたときにも、あんまり真似で返さない方がいいこともあるなって最近思います。言動から真似で返して欲しそうだなってわかる場合を除いて、ちょっと相手にするのをやめてみることもあります。

しばらく放っておくと、パッと気分が切り替わって、お母さん大好きモードのウメ子ちゃんになっていたりします。この切り替わりの速さは子どもならではなのでしょうか。マツお母さんはなかなか追いつけない……。

でも、物語を振り返ってみると(ウメ子ちゃんの物語というよりはマツお母さんの物語だったりして…)、おとといの反省点としては、ウメ子ちゃんに「こっちにおいでよ」という前に、マツお母さんがウメ子ちゃんのところまで行ってあげればよかったなってことです。そうすれば、もっと早くに立ち直れたかもしれない。何度もこういうことあるのに、よく忘れます。別に怒りたければ怒ってもいいのですが、無駄にイライラを増幅させても良いことないなと思います。

昨日は、ウメ子ちゃんごきげんな1日でした。イライラすることもなく、朝からサラダを作ったり、おやつに蒸しパンを作ったり。
ウメ子ちゃんも「今日は怒らなかったねぇ」とにこにこしていました。

〜〜〜

ウメ子ちゃんが自分から何か作りたいと言ってやり始めたら、あんまり指示出ししないようにしています。マツお母さんならこうやるなぁ…と思っても、黙って横で見ているだけ。

おとといのおやつははちみつヨーグルトに果物を切って入れたいとウメ子ちゃん。
ウメ子ちゃんがバナナとりんごを切って、お皿にいれたヨーグルトの上に「いち、にい、さん……」と数えながら、小さく切ったバナナを一個ずつ入れていました。

タケお父さんは「うわっ。何そのやり方。ちょっとやらせて」と言って、一気に入れようとしていたので、マツお母さんは「タケくん、お願いだからやめて!」と止めました。「ウメ子の好きなやり方でやりたいようにやらせてあげてよ」

タケお父さん「じゃ、はちみつはお父さんにやらせて」
マツお母さん「も〜、それもウメ子にやらせてあげて!お願い!」

ウメ子ちゃん「ねぇ、お父さん、はちみつ自分でやる?」
タケお父さん「ウメ子にやってもらいたい」
ウメ子ちゃん「わかった〜♪」

ウメ子ちゃんがテーブルに並べてくれて、3人で食べました。
「美味しかった。ごちそうさま」とマツお母さん。
「う〜ん。もうちょっとはちみつがほしかった」とタケお父さん。
マツお母さんももうちょっとはちみつが欲しかったけれども、言わなかったのです。まぁ、でもウメ子ちゃんは満足そうでした。

タケお父さんが途中でウメ子ちゃんの邪魔をしていたら、たぶんウメ子ちゃんはとてつもなく怒って泣きわめいていただろうと思います(^_^;)タケお父さんを止めることも多いかな。最近は。

昨日は寝る前に「朝ごはんはウメ子がつくるね♪」と言っていたけれど、どうなるやら〜。

やっぱり、赤ちゃん返りもあるのかな。昨日は「ツル美はいいなぁ。だれからも怒られなくて」と言っていました。今日もぎゅぅ〜っと抱きしめて、イライラせずに一日を始められたらなぁと思います。


2018年2月22日

マツお母さんは昔あった嫌なことをなんども思い出して、くよくよするタイプです。

たまにですが、「うわ〜〜〜〜!あのとき……」と、ウメ子ちゃんの前でも昔こうこうこうだったと愚痴を聞かせてしまうことがあります。よくない行為ですね(^_^;)


今からちょうど1ヶ月前のやりとりです。

マツお母さんはおやつを食べていたときに、数年前にあったいやなことがぶわっと思い出されて、急に頭をかかえて「あ〜〜〜〜〜」となっていました。

ウメ子ちゃんは「お母さん、またそれ思い出すー!」と言いました。

ウメ子ちゃん「うれしいこととか、楽しいことを思い出す方がいいでしょ?お母さんはどうして嫌なことを思い出すの?いい脳じゃないんだね」

マツお母さん「あはは!お母さんはいい脳じゃないみたい」

ウメ子ちゃん「ウメ子も嫌なこと思い出すことあるよ。えーっと。……、忘れた。あ、嫌なこと思い出した。あ、どっか行った。もう忘れたよ。うれしいことを忘れて、嫌なことを思い出すの、いやでしょう?」

マツお母さん「ほんとだねぇ」

(おしまい)

ウメ子ちゃんから「いい脳じゃない」と言われて、お腹の底から笑いました。
よく「脳」なんて言葉を知っていたなと思いましたが。

ウメ子ちゃんがマツお母さんのためにステキな絵を描いてくれました。

「あ いやなことわすれた」

画像1

ウメ子ちゃんのおかげで、このとき思い出していた嫌なことはもうどうでもよくなりました。もやもや考えるのをやめて切り替えられるようになりました(一時的かもしれませんが)。マツお母さんは、ウメ子ちゃんのおかげで救われそうです。


2018年3月9日

ウメ子ちゃん、下の前歯がグラグラしていました。

散歩中に近所に住むお友だちのお父さんと会ったときに、「歯、見せてごらん」と言われて、ウメ子ちゃんは口を開けて見せていました。お友だちのお父さんは歯医者さんなのです。そのまま自然にしていてもいいけれど、横から大人の歯が見えてきていたら、ガーゼで挟んで抜いたらいいよと教えてもらいました。

数日経って、ウメ子ちゃんの口の中を見ると、永久歯の頭が見えていました。
他の子のお母さん(衛生士さん)からも「抜いちゃえ」と言われたので、マツお母さんは思い切って抜くことにしました。

本当はタケお父さんが抜こうとしていたのですが、ウメ子ちゃんは怖い怖いと逃げ回っていたのです。
「お母さんの方がいい」と言っていました。

マツお母さんはグラグラになっているウメ子ちゃんの歯をガーゼで挟んで、指でしっかりつまんでグッと引っ張りました。抜けません。

「あら〜、抜けないねぇ。もう一回やってもいい?」
ウメ子ちゃんは口を開けました。

マツお母さんはもう一度ガーゼで歯をはさんで力を込めて引っ張りました。
マツお母さんの手に歯がスポッと抜けた感覚があった瞬間、ウメ子ちゃんは「あー、抜けたかと思った」と笑って言いました。

ウメ子ちゃんの歯茎から血が出ていました。
マツお母さんはすぐに丸めたティッシュを抜いた歯のところにあてて、「しっかり噛んで!5分ね」と砂時計を渡しました。

ウメ子ちゃんは不安そうに砂時計を見つめ、5分たつとマツお母さんに砂の落ちた時計を指差しました。
口を開けてティッシュを外すと血は止まっていました。

ウメ子ちゃんは「見たい!見たい!」と鏡を見に行って、「あ〜、抜けたかと思ったら本当に抜けてたねぇ」と言っていました。
布団に入ってからウメ子ちゃんは「ウメ子歯が抜けて嬉しくてたまらない」と
何度も何度も言っていました。
「あ〜、なんで同じことを何回も言っちゃうんだろう(笑)」
「歯が抜けて嬉しくて涙が出そうだよ〜」

翌日以降、ウメ子ちゃんは幼稚園のお迎えの時、他のお母さんたちに会うたびに、
「見て見て〜♪」と口を開いて見せています。

何度もやるもんだから、「え?!またもう一本抜けたの?」とか言われています(^_^;)

そんなに嬉しくて仕方ないんだねぇ。マツお母さんは小さい頃の歯を抜く時の恐怖感だけは憶えていますが、ぬけた後どんな気持ちだったかとかさっぱり忘れてしまいました。


「子育ち」という育児方法をどんな親でも使える形で表現したいと思っています(^_^)