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ウメ子ちゃんの物語(2才9ヶ月)


2014年10月7日

昨日の午後。散歩に行く前のこと。

マツお母さんはウメ子ちゃんに「靴下はいてください」って何度か言いました。
ウメ子ちゃんは赤ちゃんの真似をしながら、「できない〜。お母さんやって」と言いました。

マツお母さんが靴下をはかせようとしていたら、ウメ子ちゃんはちゃぶ台の上にあるフタも中栓もしていない状態の水筒に気がつき、「お水飲む〜」と言って、手を伸ばして飲もうとしました。

マツお母さんは水筒を両手で持ったウメ子ちゃんの片足を少し持ち上げました。

すると、水筒がボトンと畳の上に落ちて、お水がドボドボドボ〜〜〜っとこぼれました。

マツお母さんは倒れた水筒をおこし、ウメ子ちゃんに「雑巾持ってきてください」って言いました。

ウメ子ちゃんは水たまりをじーっと見ています。
マツお母さんは雑巾を2つ持ってきました。

ウメ子ちゃんに小さい雑巾を渡し、「お母さん、こっち拭くよ。ウメ子ちゃんそっち拭いてね」と言いました。

私が水たまりの反対側から拭き始めると、ウメ子ちゃんも「やる!やる!」と言って拭きました。

しばらくしてから、ウメ子ちゃんは不機嫌そうなマツお母さんの顔を見て、にこっと笑いました。

マツお母さんも、真似して、ちょっとにこっと口元を動かしました。

すると、ウメ子ちゃんは「びっくりしたねぇ!なんでこぼれちゃったのかなあ?!あ〜、びっくりした!」と言って笑いました。

マツお母さんは、「びっくりしたねぇ。なんでこぼれちゃったのかな?拭いてくれてありがとうね」と言いました。

(おしまい)

もし私が「こら! なんでこぼしたの!!」って怒っていたら、ウメ子ちゃん「びっくりしたね」って言えなかったと思うし、「なんでこぼれちゃったのかな?」って言ってるくらいだから、なんでこぼしちゃったか自分でもわかってないんですよね。

ウメ子ちゃんはびっくりしたんだよね。水飲もうとしている時に足を持ち上げた私が悪かったよね。
水こぼした時は、内心イラっとしたけど、たんたんと指示をだすことの方が大事。
真似で返してよかった、と思いました。


2014年10月11日

10日(昨日)はマツお母さんの誕生日でした。
タケお父さんが「前日なら早く帰れる」というので、9日の夕飯をちょっとご馳走にすることになりました。
ウメ子ちゃん(2才9カ月)の日課である午後の散歩に行かず、家でアップルパイを作ることにしました。

練りパイ生地を半分に分けて、マツお母さんは片方を麺棒でのばしました。
もう片方の生地と小さい麺棒をウメ子ちゃんに渡して、「ウメ子ちゃんこっちのばしてね」と言いました。

マツお母さんは、自分で伸ばした生地を型にしきこんで、余った生地を切り取りました。
すると、ウメ子ちゃんが切り取った生地に手を伸ばして口に入れようとしました。

マツお母さんは「あー、食べないよ」と言って、ウメ子ちゃんの口から、生地を奪い取りました。
ウメ子ちゃんは「いー」とうなりながら地団駄を踏みました。

マツお母さんは「ウメ子ちゃんものばして」と言って、ウメ子ちゃんの生地を少し押しました。
ウメ子ちゃんは「ちっちゃいのがいいの!」と言って、私の手を払いのけました。

「ちっちゃいのがいいね。でも、もうちょっと薄くしてよ」とマツお母さんはウメ子ちゃんの持っている麺棒をころがしました。
ウメ子ちゃんは「やらない!」と言って、麺棒を取り、「わーん!」と泣いては、麺棒で何度も生地をガンガンと叩きました。
マツお母さんは「もういいよ」と言いました。
ウメ子ちゃんは麺棒で、生地を乱暴にガンガンと叩いていて、マツお母さんの手も叩きました。

マツお母さんは「痛った〜…。もう知らない!」と言って、洗面所に行って踏み台に腰掛けました。
ウメ子ちゃんは「わ〜ん」と泣いてマツお母さんのあとをついてきました。
マツお母さんのひざの上に頭をのせて、「わ〜ん!わ〜ん!わ〜ん!」と泣きました。

それから、ぐちゃぐちゃの顔をあげて、「鼻水でた〜」と言いました。
マツお母さんは、「鼻水でたね」と近くにあったタオルで顔を拭いてあげました。
ウメ子ちゃんはちょっと笑いました。

マツお母さんは「りんご詰めよう」と言って、ウメ子ちゃんと一緒に台所に戻りました。
マツお母さんは型にしきつめたパイ生地の上に前日に煮ておいたりんごを並べながら、「ウメ子ちゃんもりんご並べてね」と言いました。

ウメ子ちゃんはマツお母さんの顔をじーっと見ながら、りんごに手を伸ばして、りんごを口に近づけました。
マツお母さんは「食べたいねぇ。一個食べちゃおうか」と言って、ひとつつまんで食べました。
ウメ子ちゃんもにこっとしてりんごを食べました。
それから、りんごを放射線状になるように一緒に並べました。
ウメ子ちゃんは「くるくるだね〜」と言いました。
マツお母さんも「くるくるだね〜」と言いました。

ウメ子ちゃんが叩いてつぶれた生地をマツお母さんが伸ばして、上にのせました。
2人でフォークでぶすぶすと穴をあけました。

一緒にオーブンに入れたところで、タケお父さんが帰ってきました。

ウメ子ちゃんは、玄関まで走っていって
「おかえり〜。ウメ子ちゃんねぇ、泣いちゃったんだよ。え〜ん、ってなっちゃってね、涙がぽろぽろって出たんだよ」と言って笑いました。

(おしまい)

マツお母さんの未熟っぷり満載話で恥ずかしい……。

えぇとですね、この前半部分、大失敗ですね。
生地を伸ばすなんてことをこれまでやらせてできたことがないので、まだ一緒にやった方がよかったんですね。
子の成長に合わせてちょうどよい指示を出すことが肝心です。
あまり高度な指示をだしてはいけないですね。とほほ

あと、生地をちょっとくらい食べてもよかったかなぁって。
私が「食べないよ」なんてウメ子ちゃんを止めてしまったのが、発端なわけで。
りんごの時みたいに「食べてみたいねぇ」って言って、一緒にちょっと食べて、
「焼いてから後で食べようね」とか何とか言って、次にすすめたらよかったんですが……。

ウメ子ちゃんを大泣きさせちゃいましたが、過ぎたことは仕方ない。
「こうしたらよかったのかなぁ」って考えて、次にいかすのが大事かと(^_^;
育児ってこんなことの積み重ねだなって思います。


2014年10月18日

3日前のこと。

ウメ子ちゃんと一緒にクッキーを作りました。

マツお母さんが「クッキーを作るよ」と言うと、ウメ子ちゃんは「ウメ子ちゃんやりたい」と言って踏み台にのぼり、ボウルの中の粉と油をスプーンでかき混ぜ始めました。

マツお母さんが目を離したところ、「グワングワン〜」と音がしました。
見ると、ボウルが床に落ちて粉の山ができていました。
「えー!」とマツお母さんは声を出しました。

ウメ子ちゃんはしばらく固まって、えへっと笑いました。

マツお母さんはため息をついて肩を落として笑い、紙を取ってきて、粉の山をすくってボウルに戻しました。
2人で生地を作って、小さくちぎり、丸めて潰してオーブンへ入れました。

マツお母さんは白く汚れた床を見て、「そうじしよっか」と言いました。

すると、ウメ子ちゃんは「ウメ子ちゃんやるよ」と言って、自分専用のほうきとちりとりを持ってきました。
「お母さん、持って」と言うので、マツお母さんはちりとりを受け取って持つと、ウメ子ちゃんが粉を掃き入れました。

マツお母さんが雑巾を濡らしてしぼりました。
ウメ子ちゃんは「じぶんでやるよ」と言って、マツお母さんの手から雑巾を取り、床を拭いて、「きれいになったよ!」と言いました。

(おしまい)

またまたこぼすネタです。
えー落ちた粉を食べたの?!というのはさておき…(^_^;

マツお母さんはいきなり雑巾で拭いちゃおうかなと思っていたので、ほうきとちりとりを持ってきたウメ子ちゃん見て、「へ〜」と思いました。
普段の掃除で、マツお母さんが掃きそうじの指示を出しても、ここ最近はめったに一緒にやらなかったウメ子ちゃんですが、こういう時にこそほうきとちりとりの出番はやってくるんですね。

ウメ子ちゃんは何か落としたら掃除するし、服が汚れたら「洗濯しよっか。着替えるよ」と自分で脱いで着替えるし、失敗してもさっと動いてポジティブだなぁとわが子ながら感心します。
判断の見本をみせるって大事ですね。

あと、失敗した時にウメ子ちゃんが笑うのを真似しながら思ったのですが
(あそこは意識的に「真似」をしたんです。真似で返そうって気持ちがなかったら、マツお母さんはたぶん「なんで落としたの?!」ってなっていたと思います^^; 気分にもよるかな?)、このおおらかさはいいなぁって。
怒ったりぐちぐち文句言ったりするより、気が楽だなぁって。

子は親の真似をするもので、親のコンプレックスほど子に乗り移るのだそうです。
自分のいやな部分が似てくると、見ているこちらも悲しくなります。
真似で返すことはお互いに歩み寄ることになります。
マツお母さんはこの部分が少し腑に落ちた気がしました。
ウメ子ちゃんの真似をしていたら、もう少し優しい人間になれるかも。

そうそう、今回はさっそくアップルパイの時の苦い経験がいかされました。

ウメ子ちゃんは「ちょっと食べてみたい」と言って、クッキー生地の小さな切れ端をつまんで口に入れました。
マツお母さんも「ちょっと食べてみたいね」と少しだけ口に入れました。

ウメ子ちゃんが「もうちょっと」と言って、手を伸ばしたので、マツお母さんはブロックして「もうちょっと、だね。焼いてからにしよう」と言ってオーブンに入れたのでした。


2014年10月23日

昨日は一日中雨が降っていました。

ウメ子ちゃんは、お昼寝から覚めて、おやつを食べて、窓の外を見ながら「公園行こうか」と言いました。
マツお母さんも「公園行こうか」と言いました。

くまのぬいぐるみを抱っこしたまま上からカッパを着て、傘をさして、歩いて散歩にでかけました。
マツお母さんはウメ子ちゃんの後ろを歩きました。

公園に着きました。
ウメ子ちゃんは大きな声で「あれ〜? 誰もいないねぇ! なんでだろうねぇ?」
と言いました。
マツお母さんも「誰もいないねぇ。なんでだろうねぇ?」と言いました。

いつも遊ぶブランコの前まで行きました。
ブランコの下に大きな水たまりができています。
雨で濡れたブランコを触って、「びちゃびちゃだねぇ。やめとこっか」と言いました。
水たまりを靴でびちゃびちゃとやって、「靴ぬれちゃった」と言いました。

木製のベンチのところへ行きました。
「座ってみようか」と片足をベンチにあげて、「びちゃびちゃだねぇ」と言って、足をおろしました。

ウメ子ちゃんは「帰ろうか」と言って、おうちに帰りました。

(おしまい)

雨の日の散歩っておもしろいです。
この日は公園に来て長居せずに帰りましたが、一人で砂遊びしたり、遊具で遊んだり、傘さしたままマツお母さんと追いかけっこしたりする日もあります。
毎回、公園に誰もいないことに驚くウメ子ちゃんが大好きです。

小雨の日と大雨の日では、同じ場所でも水たまりの大きさが違ったりして、ウメ子ちゃんは「なんでだろうねぇ」と言っています。
マツお母さんは「なんでだろうねぇ」と真似で返します。

雨の日も風の日も、散歩に行くからこその「日課」です。
ウメ子ちゃんは、窓の外を見て雨が降っていると、「カメいるねぇ」と言ってカッパ着て傘を持ちます。
傘のことを「カメ」と呼んでいるのです。
雨だからってモチベーションが下がったりしないのかもなぁって思います。
TPOが分かるようになるってこのことかなと思います。

晴れた日に半袖の服をウメ子ちゃんが自分で選んで着て、玄関から外に出たとたん「寒いね。長袖がいいね」と言って、また家の中に入ったときには、「おっ、自分で判断してる〜〜」と心の中で感心したマツお母さんでした。

土砂降りの日に公園へ行ったとき、木の幹を伝う雨水が滝のように流れているのを見て、マツお母さんの方がひとり感動していました。
ウメ子ちゃんに「見てごらん」なんて余計な事は言わないんですけどね。

台風がきて危険そうな時はさすがに出歩きませんが、土砂降りの日でも散歩したと言うと、「えーーー?! あの雨の中、外でたの?」とみんなにビックリされるのでした。
ま、そんな日はすぐに帰るんですけどね。


「子育ち」という育児方法をどんな親でも使える形で表現したいと思っています(^_^)