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空き缶、彩へ舞う

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―極寒の土地。その土地にある国家。そしてここはその国家の為に勤める労働者の生活母体の建物。理由は分からないが外の世界からは「空き缶」と呼ばれている。
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【空き缶、彩へ舞う】第1話 ブリキの缶詰

 キコキコと缶切りで丁寧に缶の上の方をなぞっていく。この時の私は無心。何も考えずにスター…

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【空き缶、彩へ舞う】第3話 ターミナルのお勤め

 ターミナルは都市缶の中心部に位置する開けた半地下の大きな場所にある。国に点在するこのよ…

【空き缶、彩へ舞う】第4話 忘れ物を担ぎ上げる

 普段なら勤めが終わってそのまま帰るのだけれど何故か気になってしまった。私はステーション…