選んで食べたものでさえ上手に消化できなくて

吐いた。

職場のトイレで、吐いた。

胃に入る最大容量の2倍くらいは出ていったのではないかと思うくらい出ていった。

お昼当番を終え、少し遅めのランチを食べた1時間後くらいからだった。

早退しようか、どうしようか。午後の3時間はずっと吐き気と戦いながら、いつ帰りたいと言い出すか迷っているうちに、退社時刻を迎えた。
帰宅中もずっとむかむかと吐き気がし、ぐらぐらと頭痛もして、泣きたくなった。
駅から家までの間のコンビニエンスストアで、ゼリーや栄養ドリンク、ポカリ、冷凍フルーツなどなど、食べられそうなものを次々とかごに放り込み、1400円お払い、即帰宅。

すぐに服を着替えてベッドに横になる。

やっと一息つけた。小さな確かな安心感。

閉じた目をゆっくりと開け、買ってきたドリンクゼリーをゆっくりと体内に流し込んだ。

この吐き気の原因はきっと前日の過食と、前々日の拒食だ。

過食や拒食というと、大袈裟だが、めんどくさくて食事をしなかったり、逆に満腹でもなぜか食べ続けてしまうことがある。

私は平均より少し痩せているくらい。健康的な痩せ型だ。

それでも小さな過食と拒食を繰り返す。

最近では自分が太ってきたのか痩せたのかもよくわからない。

真実を見つけ出せない。

求めるものにはなにかが絡まって、まとわりついて、その核はもう見ることもできない。

久しぶりに泣きたくなった。

涙の根源は悲しさなのか、悔しさなのか、情けなさなのか、寂しさなのか、わからなかった。
そして、自分の感情さえもわからない自分にさらに泣きたくなった。

苦しい。
ただ苦しい。

辛い。
不幸ではない。だけど辛い。

ひとりではない。だけど寂しい。

ぐちゃぐちゃの感情から答えを見つけ出せなくて、また苦しい。

いつか解けていくのだろうか。
答えはどこにあるのだろうか。

幸せに、快適に、そうやって好きなものを健康なものを選んで食べているはずなのに、それさえも上手に消化できなくて、わけのわからないものをちゃんと消化できるようになるのだろうか。

大人になったらできるだろうか。

それは諦めか。祈りか。盲目か。

すべて吐き出して潤んだが乾いたあと、天井を見上げた。

ああ、少し呼吸が楽だ。

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