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課題インタビュー教訓メモ(リーンスタートアップ実践記 chap.5)


課題インタビューで得た教訓

覚えているうちに。個人的備忘録として課題インタビューで「やっぱり重要だよね」と感じたことを書き起こしてみる。

事前質問に回答してもらいスクリーニングする

応募要件を細かに記載するだけでなく、必ずスクリーニング質問を用意し、その人へのインタビューを通してインタビューの目的が果たせそうか検討すること。応募要件をよく読まないまま応募される方も結構いらっしゃいますので…….

お互い意味のある時間にするためにも、回答内容を踏まえてインタビュー可否を決定すること

直近でジョブに遭遇した人だけに絞る

ジョブの種類にもよるものの、直近3か月、欲を言えば直近1か月でジョブに遭遇した人に限定して話を聞いた方がいい。当たり前のことだが、時間が経つと事実も感じたことも曖昧になってしまうので、有効なインタビューができない

課題発見が目的でも必ず仮説を持つ

Running Leanは、課題発見インタビューだから事実ベースで話を聞いて「発見」しましょう!というスタンスではあるが、課題仮説とその発生条件(の仮説)は整理すべき。

仮説を持つだけで、インタビュー中/後に仮説の白黒が判断しやすく、仮説にない新たな発見にも気づきやすくなる。結果としてインタビューから質の良い示唆を得られるので、次のインタビューやソリューション検討につながる。仮説を発見するために、仮説を立てよう。

とはいえ、認知バイアスには要注意。あと「これって(仮説A)ということですよね?」みたいな聞き方はしないこと。

「矛盾」「隠された前提」をスルーせずにちゃんと聞く

こちらの質問に対して回答してもらった際、普通の会話であれば多少の違和感や矛盾があっても、あえてそこを追求することはしないだろう。しかしインタビューでは、こうした小さな矛盾や何らかの前提を含意した回答に気づけるよう嗅覚を研ぎ澄ますことそして、ちゃんと聞くこと

私は毎回インタビューの事前説明の際に「インタビューなので普通の会話と比べて細かく聞いたり深く聞いたりするけど気にしないでね(意訳)」と伝えておき、自分自身が質問しやすい状況を作るようにしている。人によってはいらないと思うが、少なくとも私は伝えておかないと心理的に質問しづらくなっちゃうので。

「理由」が本当かを見極め、正しい示唆を得る

基本は事実ベースで話を聞くものの、なぜそれをしたのか/しなかったのかというWhyも確認すること。

とはいえ、「XXXだからです」という言葉を鵜呑みにせず、「YYYの場合はどうだったのでしょうか」(XXXが理由であることを確証/反証するためのオープンクエスチョン)というように、言葉の裏にある真のWhyが見つかるように角度を変えながら質問すること

客観的な事実とは異なり、主観的な態度や見解はインタビューとインタビュアーとで認識のそごが起きやすいので要注意。

「言い残したこと」を聞いておく

インタビューの終わり際に、n分の会話を通して思い出したエピソードや課題感がないか確認すること。インタビューされる側になってみると、聞かれた直後は思い出せないけど、会話をするにつれて記憶が蘇り「あんなこともあったわ」と思い浮かぶこともある。

おまけ:課題インタビューの状況と現在

9/24から課題インタビューを開始し、結果的に20名弱の方にインタビューを実施した。

ちなみに、元々考えていたのはソリューションはこんな感じ。社内における交流イベントを対象に、交流を活性化させるツールを作ろうと考えていた。
https://note.com/matsu5296/n/n8ca868f93a17

20名弱に話を聞いてみると、クリアになる部分もあれば、かえって悩みが増すこともある。

まず顧客セグメントは、社内交流よりも採用を見据えた交流イベントの方が適切だと感じた。というのも、前者よりも後者のイベント企画者の方が、感覚的に「既存の代替品」からのスイッチングの可能性が高そうだったからだ。「参加者にどういうテーマで話してもらえばいいかわからず悩んでいる」といったニュアンスの言葉も聞くことができた。

一方で、そもそも交流促進に関する課題感を持っているケースが多くないという問題にもぶつかり、交流イベントの企画・運営者が持つジョブと未解決課題にも着目しながらインタビューを勧めた。

すると、とにかくトラブルを避けることへの思いが強く、具体的な施策を施しながらも十分な効果を出せていないケースがよく見られた。わかりやすい例は何かしらの勧誘だ。

Customer/Problem Fitの観点では、後者の方が着目すべき課題であると判断できたが、ここでアイデアをピボットすべきか非常に悩んだ

結論、顧客セグメントは上述の通り変えたものの、課題は変えなかった。
確かにアイデアとしての筋は良くなるかもしれないが、顧客セグメントや課題が変わったとき、果たして最後までやり切れるか?という疑念が拭えなかった。お金のためではなく、自分の思う「この課題を解決したい」という思いを起点に始めたのにそれを捻じ曲げてまでやる必要なんてないと。

といろいろありながらも、イベントの種類による違いや企画・運営者の課題感を押さえたところで課題インタビューを終えたのであった。

…ん???
もう一回あのツイートを見てもらいたい。

|ω・`)じー

……あの…うん、別に課題は捏造してない。課題は明確にあったから!!!ただ、それがCPFに値する課題かと言われると閉口せざるを得ない。

…と、もやもやを抱えつつ、どちらにせよソリューションインタビュー(Running Leanでは「マフィアオファー」として紹介されている)をしながら顧客セグメントと課題を見極めないと、課題インタビューだけで理解できることに限界を感じていたのも事実なので、ソリューションインタビューに移行することにした。

ソリューションインタビューは目下推進中である。
さて、どんな結果が待ち受けているのか!?
Coming soon…

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