ランチェスターの戦略が活かされた?住民の要望を実現するための取り組み
ランチェスター戦略とは、競争の場において「強者」と「弱者」がそれぞれどのように戦うべきかを考えるための戦略理論です。この戦略は、第一次世界大戦時にイギリスのフレデリック・ランチェスターによって提唱された「ランチェスターの法則」に基づいています。この法則は、戦闘における兵力の数や武器の性能に基づいて戦闘力を評価するものです。軍事戦略を元に作られた法則ですが、中小企業が大企業に勝つための戦略として、ビジネスシーンでの利用が注目されています。
なぜランチェスター戦略について取り上げるかというと、2024年9月に入学した「ジブン株式会社ビジネススクール」での学びを自分の課題として活かしていくためです。
ビジネスシーンの戦略が医療や地域活動に関わっている私に役立つのでしょうか?これまでの活動を振り返ってみたところ、地域での住民活動こそがランチェスター戦略の弱者の戦略だったことに気づきました。そこで事例を含めて、まとめてみたいと思います。
事例
住んでいる地域の公共施設の大人用トイレがすべて和式であった。公共施設は地域住民も使用するため、大人用トイレが和式しかないことはとても不便なことと感じた。その公共施設の責任者に問い合わせると、「行政には毎年洋式トイレの要望をしているのですが…」とのこと。
このままでは埒が明かないと思い、行政に働きかけた結果、5か月後に上記施設に大人用トイレを設置してもらった。(振り返ると、この時の働きかけにランチェスター戦略が活かされていました)
ランチェスターの法則とは?
ランチェスターの法則とは、競争に勝つための方法と進め方を示した理論で、特に弱者が強者に勝つための戦略がまとめられています。弱者戦略である第1法則は、近距離での一騎打ちを想定しています。100人と120人が一騎打ちで戦うと、100人の軍は全滅しますが120人の軍は20人が生き残ります。公式は「戦闘力=兵士数×兵力の質」です。つまり、「同じ武器を持った兵士同士が戦う場合は人数が多い方が勝つ」という理論です。
住民の要望は競争
行政には地域からの要望がたくさん集まってきていると思います。すべての要望に対応できれば良いのですが、予算が限られている場合には、優先順位を決めなければなりません。集められている要望の競争を勝ち抜かなければなりません。この住民の要望競争に勝ち抜くに、ランチェスターの第1法則が役立ちます。
要望実現のためには?
弱者の戦略であるランチェスターの第1法則から考えると、戦闘力を高めるためには
・兵士数を増やす
・兵力の質を高める
・兵士数と兵力の質の両方を高める
しか方法はありません。
要望を実現するために、住民活動で兵士数を増やすとはどのようなことか?兵力の質を高めるとはどんなことなのか?今回の事例で行ったそれぞれの打ち手について、具体的にお伝えします。
兵士数を高めるためには?
一人の住民の意見であれば、兵士数は圧倒的に少ないですよね。このため、仲間を増やすことが重要になります。私は小学校のPTA会長だったので、小学生の保護者を巻き込みました。私の感じたことを、PTAで協議を行い、PTAとしても問題であるという認識を共有しました。仲間が増えることで「兵士数」が増えます。
兵力の質を高めるためには?
トイレなどの住環境問題に対する発言は、普通の住民よりも専門家の意見のほうが重みを増しますよね。私は理学療法士という専門職で、住環境について専門性があるだけでなく、トイレ動作が困難な方々に対してリハビリテーションを行っています。専門性のある発言は、「兵力の質」を高めます。
兵士数と兵力の質の両方を高めるためには?
兵士数と兵力の質の両方が高まることなんて、住民活動であるんでしょうか?実はとっておきの切り札があります。それは地域の議員に相談することです。地域の議員は住民の代表であり、その発言には重みがあります。地域にはいろんな議員がいます。地域の困りごとに熱心に耳を傾けてくれる議員は必ずいるはずですので、その議員に相談してみましょう。
まとめ
住民の要望は陳情することがゴールではありません。ゴールは要望を実現することです。地域にはさまざまな要望が集まっています。その要望を競争と考えると、ランチェスター戦略が活かされることもあるかもしれません。
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