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働き方における"もったいない"の定義

◇NOTE◇
このマガジンを始めるきっかけ→
時系列ガン無視で綴るリアルストーリー(氏名は仮)

前半は当時の心境そのままに、
後半は当時を振り返る
そんな二部構成となっております。

INDEX→

2015.04〜07

◇characters◇
菅田陵子(age 30) わたし 病院経理課
香山課長(age ??)課長 病院経理課
草井係長(age??)係長 大学監査室→病院経理課
田原係長(age ??)  係長  病院医事課

◇location◇
大学病院 / TOKYO

今回は、クチが悪いです😇

- 仲良しトリオの崩壊



病院の経理担当となって早3年目。


年度の初めの4月。

夜な夜な飲みにいっていた係長のうちの一人が
異動となってしまった。

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その係長の代わりに大学本部からやってきた、
草井係長とソリが合わない。

不運なことに席はわたしの隣。

仕事できない
無駄にプライドが高い
クサい


他にもたくさんあるけれど、
胸クソが悪いからここでやめておく。


今まで、嫌なやつに当たった経験が
ないわけではない。

けど、今回は初めから無理だった。



草井係長がやってきたことにより、

2年間かけて楽しさを見出しつつあった病院ライフは
音を立てて崩れ始めていった。



- よその目ばかり気にする課長



草井係長は直属の上司では無いため、
隣に座る必要性は1mmもない。


4月の異動から1ヶ月も経たない頃、
わたしは香山課長に席替えの要望を出した。




そのときの課長の答えはこうだった。

「何もない時期に席替えすると、
問題があったのかと勘繰られるから、今は無理やわ。

6月の係員の異動のタイミングでやるから
あと1ヶ月くらい我慢して」

*係員=いわゆる平社員

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ク、クソババァ・・・


と喉まで出かかったが、我慢した。


彼女が忖度精神の塊であることは、
病院の人間であれば誰でも知っていることだ。


- プツンと切れた糸



5月の最終週。

急に蒸し暑くなり始めた大阪。


汗ばむ時期になるにつれ、
隣からの動物臭がひどくなってくる。


病院勤務といえど、医療従事者でないわたしが、
この時期にマスク姿で仕事をするのはやはり目立つ。

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今日は係員の内示の日。


わたしは異動願いこそ出していなかったが、

経理課の誰か1人でも異動になれば、
席替えをやってもらえる!



そう期待して、
内示の動向を静かに見守っていた。






・・・


が、

待てど暮らせど、
うちの課は誰一人として呼ばれない。

職員数は多い方なのに。




・・・


結局、誰も呼ばれなかった。
全員ステイ。

こんなことってあるのだろうか?



ということは、
もちろん、、


”席替えは実施されない”

ということを意味する。


- 大人同士の大喧嘩



失意の中で、また1ヶ月が過ぎた。

こんなクソ暑い中、マスクをしながらも
よく決算を乗り越えられたと思う。




しかし逆に言うと…

決算を終えてしまった今、
仕事を頑張れる動機が無くなってしまった。

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この頃の草井係長の関係は、最悪オブ最悪。


辛さを訴えても、
課長は全くもって取り合ってくれない。


わたしの精神状況は、
かなりやばいところまで来ていた。





「すがちゃーん、
草井係長と仲良くしてあげなよ〜
俺見てられへんわ〜」


と廊下で声をかけてきたのは、医事課の田原係長。

なにかと可愛がってくれている、
病院内のムードメーカーだ。




「もう、いいんです!
放っておいてください!!」

と投げやりに言うわたし。




いつもと違う何かを感じ取ったのか、
お調子者の田原係長が急に焦り出した。



「すがちゃん、こんなことで辞めたらあかんで。
もったいなすぎるやろ!!」




「もったいないって、どの立場での意味ですか?
"こんなこと"って田原係長に何がわかるんですか?

もったいないかどうかはわたしが決めます。


もったいないからって、
病んでも居続けて、何の意味があるんですか?

そうやって辞めずにいた人の末路がどんなものか、
係長もご存知ですよね?」



畳みかけるように言葉をぶつけていたわたし。
気づけば途中から泣いていた。






その日は仕事ができるわけもなく、
休暇をとって家に帰った。

そして二泊三日分くらいの荷物をまとめて、
新幹線に飛び乗った。




Now

- TOKYOでの経験


東京では自由業の友達の家に転がり込み、
マンダリンでランチを奢ってもらったのだが、

このときの感じたことは、今でも忘れられない。

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PCひとつで仕事をするスタイルを、
7年も前に確立していた彼女。



こんなふうになりたいと思いつつも、

そこからジャカルタで就職したり、
日本で就職したり。



そろそろそちら側に行く覚悟を決める時が
やってきたのではないかと思う。


- もったいないとは・・・?



当時の職場の多くの人は、
退職ではなく一旦は休職の道を選ぶ。



理由は簡単。

”もったいない”からだ。

極端な話、復帰後閑職に飛ばされても
在籍さえしておけば、お金の心配はいらない。


わたしもここに転職するときには、
楽でお金もらえて天国やな〜と思っていたので、
そういう面があることはもちろん否定はしない。


しかしながら、当時と今とでは
仕事を選ぶ基準が根本から変わってしまった。


もったいないかどうかではない。

たとえお金をもらえなくてもできるかどうか。だ。

(できれば欲しいけどもw)


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持続可能な働き方においては、

"もったいない"という概念は、捨てなければいけないようだ。




いや、"もったいない"という言葉を使うのならば、

自分の才能を押し込めてしまってもったいない

これこそが、これからの時代の働き方における、
”もったいない”の正しい使い方ではないだろうか?




- 余談



ちなみに大喧嘩した田原係長は、
わたしが退職した数年後に休職に入り、

辞める元凶となった草井係長は、
病院では使い物にならぬと大学へ戻されてしまったようだ。
(by 有力筋)


いやはや、なんとも恐ろしい職場だ。。


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