法事から逃げたくて、気づけば赤道を超えていた
◇NOTE◇
このマガジンを始めるきっかけ→★
時系列ガン無視で綴るリアルストーリー(氏名は仮)
前半は当時の心境そのままに、
後半は当時を振り返る
そんな二部構成となっております。
2017.7-9
◇characters◇
菅田陵子(age 32) わたし 第一次ニート時代
菅田町子(age 67) おかん 韓流ドラマ命
◇location◇
Europe / 実家
(直近のシチュエーション)
- これぞニートの特権!
フィリピンプチ留学から戻り、今度はヨーロッパへ。
ドイツ・イタリア・ギリシャ・モンテネグロ・ポルトガル…1ヶ月弱の旅。
友達とクルーズ船に乗ったり、
ギリシャの海で地球を感じたり、
ユーラシア大陸の最西端へ行ったり、
ニートなのに贅沢だ!と言われるかもしれないが、
いや、そうじゃない。
ニートの今じゃないと行けないのだ。
事務仕事をしていた20代の頃。
新婚旅行以外では長期で海外旅行へ
行ってはいけないと思っていた。
(有給はたんまりあるのに周りを気にして使えなかった)
せいぜい弾丸3泊5日で、
東南アジアへ行くのが関の山だった。
思いっきりヨーロッパを楽しんだ後は、
関空へ…
ではなく羽田に降り立ち、
東京の友達の家に転がり込んだ。
夢から覚めるのはもうちょっと後でもいいだろう。
- 考えないようにしていたデッドライン
実家へ強制送還された時点で、
頭のどこかでは理解していた。
このモラトリアム期間が終焉になりつつあることを。
だから、フィリピンやヨーロッパへ逃げた。
でも逃げたところで期間は延びない。
この夢のような海外での経験が、
ニート時代最後のプレゼントなのかなと思った。
品川駅。
重い重い足取りで東京を後にした。
- "あなたのため" は自分のための裏返し
もう隠し球(留学や旅行)がないわたしは、
実家に帰ってから毎日のように母と喧嘩をしていた。
地元で就職&結婚して欲しいと願う母と
断固拒否するわたし
わたしが過剰に反応してしまうのは、
必ず枕詞として
”りょーちゃんの幸せを考えて”
がつくからだ。
わたしのことを思っているように見えて、
自分の体裁を気にしているのがあからさまに分かる。
なぜなら母にとってわたしは”恥ずかしい存在”だから。
- けれど昔は自慢の娘だった。
それは母が喜ぶように、
わたしが単に擬態していたに過ぎなかった。
どうしたら愛されるか
どうしたら怒られないか
末っ子だったわたしは姉たちの様子を観察して、
最適解を理解していた。
テストでいい点を取れば母が喜ぶ。
地元で1番の高校へ行けさえすればいいなんて、
記憶力の良いわたしからすると楽勝だった。
だからできる娘だと、
母を勘違いさせてしまったことに関しては、
わたしにも責任はあるのかもしれない。
お母さん。
本当はわたし勉強なんてしたくなかったんだよ
- しがらみから逃げるための最終手段
たとえ上京して就職したとしても、
法事があれば呼び戻されてしまう。
『こうなったら海外就職しかない』
決めたら早い。
海外の転職エージェントに登録し、受かったのは
なんとジャカルタの日系企業だった…
Now
- 間違いなく心の糧となったヨーロッパ旅行
酔っ払いながら歩いたフィレンツェの石畳、
扉が閉まっていないのに発車するアゲダの鈍行列車、
わたしの中で当時の思い出は色褪せることはなく
今なお燦然と輝いている。
- そろそろ子離れしてくれませんか?
わたしには同じ年代のいとこがいるが、
彼女とことあるごとに比べられていた。
昔は勉強というスケールしかなかったため、
わたしの圧勝だったのだけれど、
今や仕事、結婚、子供etc...
複数の指標ができてしまった。
母的にはわたしのボロ負けな状態が
我慢ならないのだろう。
彼女との距離をわたしに分からせるために、
法事の時はいつも以上に文句を言ってくる。
だから法事は嫌いだ。
しかし幼い頃のいとこの立場を思うと、
勉強ママの叔母の元、
彼女も相当苦しかったに違いない。
今は今で、
マスオさんとして同居している旦那さんに対して
『稼ぎが・・・』
と叔母に言われてしまうのだから、彼女も大変だ。
- 親との関わり
親を満足させることなんてしなくていいのだ。
だってあの人たち満足しないから。
もうそんなちっぽけな見栄のために、
子供たちを消費しないで欲しい。
子供は所有物ではない。
子供が危険に巻き込まれないように、
そっと寄り添ってくれる
それが親の役割ではないだろうか。
と、子供もいないわたしが言ってみる。
(子供だった経験はあるから言ってもバチは当たらないでしょ。笑 )
- わたしの他人軸は筋金入り
幼い頃から母のご機嫌伺いをしていたわたしは、
空気を読めることに長けてしまった。
いつしか自分の好きよりも、
損得感情で動くようになってしまった。
せっかくフィリピン留学・ヨーロッパ旅行で
戻り始めた自分の感覚が、
実家で再び心がすり減り、また鈍っていくことになる…
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