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高等遊民となった日

◇NOTE◇
このマガジンを始めるきっかけ→
時系列ガン無視で綴るリアルストーリー(氏名は仮)

前半は当時の心境そのままに、
後半は当時を振り返る
そんな二部構成となっております。

2015.10.01

◇characters◇
菅田陵子(age 30) わたし 高等遊民
熊川さん(age 32) 先輩  大学病院・人事課

◇location◇
ポンテベッキオ(大阪)

- どこにも所属していないということ


有給が大量に残っていたので、
9月に職場へ行ったのは5日くらいだった。



そのせいなのだろうか。

今日から晴れて高等遊民となったが、
実感としては昨日までと全然変わり映えしない。苦笑




上司に退職の意向を告げたのが7月中旬。

できる後輩のおかげで引継ぎもスムーズにいき、
もう思い残すことはなかった。






保育園に入れられて以降、
ドコにも所属していない自分というのは初めてだった。


なんだかそわそわする。
自分は本当にこの世界に存在しているのだろうか?と。


もしかしたら日本人は、
どこかに所属することで安心感を得られる人種
なのかもしれないと思った。



不安と自由。

どちらが大きいかと聞かれれば、
速攻で不安と答える自分が今ここにいる。



自ら望んでその身分になったのに、
なんとも不思議なことだ。





- これからどうするの?


今日は元職場の先輩・熊川さんが、
高等遊民記念にランチに誘ってくれた。

(わざわざ仕事を休んでもらって本当にありがたい。)


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常識的な神経の持ち主なら、
誰でも聞くであろうその質問。


そう聞かれることはある程度予想をしていたのに、
明確な答えを持ち合わせていなかった。



『写真を書籍に使ってもらう話は来ていて、
そこから何か広がればいいなと思ってるんですけど』


なんとも歯切れの悪い解答だった。



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30歳独身。
公務員以外で働いたことない。

もうどこも雇ってくれるところなんてないのでは?
という疑念は常に頭をよぎる。



彼氏はいるけれど、
向こうは結婚なんて考えているのかどうか分からない。

わたし自身もそこに逃げたくないというのも
正直なところ。





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今日の空模様と同様、わたしの将来は先行き不透明だ。


- 結局写真しかない


この1年でメキメキと上達した写真。
写真のスキルさえあればきっとなんとかなる。



そう思っていた。

そんな高等遊民第一歩の日。


Now
- 高等遊民とは


ニートの別称である。念のため。

『デート〜恋とはどんなものかしら〜』は、2015年1月19日から3月23日まで毎週月曜日21時 - 21時54分に、フジテレビ系の「月9」枠で放送された日本のテレビドラマである。

谷口 巧(たにぐち たくみ)〈35〉
演 - 長谷川博己(少年期:山崎竜太郎)
35歳の健康体でありながら、労働を拒否し母親に扶養されつつ読書や映画鑑賞等をして日々を過ごす高等遊民を称する若年無業者である。
wikipediaより


- その好きに自信はありますか?


当時のわたしは、
写真が天職だと信じて疑っていなかった。

(主に風景や花を撮っていました )

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何時間でも撮っていられるし、全然飽きない。
だからこれが天職に違いない!と本気で思っていた。


しかし今にして思えば、
それは勘違いだったとはっきり言える。



確かに当時は何時間でも撮れた。

しかしそれは単純に、
撮る経験が圧倒的に少なかったからに他ならない。




カメラ歴が長くなっても、
撮りにいく場所や対象物は変わらない。

するとどうしてもマンネリが生じてきてしまうのだ。



ある程度撮れるようになると、
それより上を追求できなくなってしまった。

もはやそれって、ただの趣味ですよね?


- お金をもらうことの抵抗と気になりすぎる他者の評価



花や風景の写真だけでは、
マネタイズがなかなか難しい。


その後、わたしは七五三やマタニティーフォトで
お金をいただくようになったけれど、
だいたい1回3,000円〜5,000円といったところだ。

(レタッチ込み)

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熊川さんも撮らせてもらったうちのお一人。


お金をもらえないのは自信がないからだし、
評価が気になるのはやはり自信がないから。



わたしは自分の写真が好きではあったけれど、
やはりどこかで、

"こんなの誰でも撮れるんじゃないか"

なんて思っていた。


自分で自分をみくびってしまったら、
もうそれ違いますよってことなんです。



- ぶっちぎってできること、ありますか?


この”できる”が、
世間の評価とあまり関係ないというところがポイント。

自分がやりたくてやりたくてしょうがないことが、
自分的にぶっちぎってできてしまえばそれでOK。

まわりの評価は後からついてきます。
(多分。)


特に頑張らずとも自然とできてしまうことが
その人のやるべき道なんだろうなと今になって思う。




高等遊民になるその前に!
今一度”自分の好きの精査”をすることを
激しくお勧めします!


自分の好きが分からない人は
当たり前に出きすぎて気付いてないのかもしれません。

そういう人は、周りの方に聞いてみるのが
一番おすすめです!

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