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星にはさっさと降参しよう

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幸太(29) 30目前に無職になる
修二(31) 幸太のいとこ。複数の会社を経営する起業家
美緒() 修二の幼馴染。聡子のお茶友だち

ばあちゃん・聡子() ホロスコープを読むのが趣味
享() 幸太の父

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図書館から借りてきたホロスコープの本はこれだ。


【西洋占星術の超入門・占い芸人ますかた著】

ホロスコープ初心者の俺にはぴったりの本だ。
占い師って女性が多いイメージだけど、男性が著者なのか。




試しに魚座のページと5ハウスのページを開いてみた。

うお座は感受性や共感力が高く、自己主張が少なく、変化しやすい性質持ちます。~~共感力が高くて変化しやすい。~~相手の心が分かりすぎた結果、相手に寄り添いたいと考え、最も深く寄り添うには相手そのものになってしまうことを選ぶような、無私のホスピタリティがそこにはあります。

西洋占星術の超入門(P132)

5ハウスは自分が好きなこと、情熱を発露する場所です。~~好きという情熱を、自分の内側からアウトプットしようとする場所です。~~太陽×5ハウス…楽しいことしかしたくない人生。自分が好きなことをやっていれば満足。

西洋占星術の超入門(P156.158)

ばあちゃんが、魚座のことを説明してくれたときは、いまいちよくわからなかったけど()、この本は、すごく簡単な言葉とイラストだから、俺に合ってる気がする。やはり、ばあちゃんの関西のイントネーションにまだ慣れてないせいもある。

やはり俺は、ばあちゃんの言うとおり、感性を生かして、楽しくのびのびできることをやればいいのだろうか。



もっと読み進めたいけど、ちょっと頭がオーバーヒートしそうだ。一休みしよう。けど、銀行で仕事をしていたときなんて、そんなの無視してやってたんだけどな。

…と思った瞬間、俺の中で、何かがはじけた気がした。

だからうまくいかなかったんじゃないか?

体のSOSを無視して、ホロスコープの指し示すものと反対方向に突き進んだ結果、大きなミスをして退職することになった。

ばあちゃんが、
>「一気に知識を詰め込むもんでもないよ。まずは自分の太陽を満足させてきたらええよ」

と言ってくれたのも、きっとそんな俺を見透かしていたのだろう。


「星ってすごいんだな」

もちろんばあちゃんの言っていることは、頭ではわかっていたけれど、どこかで反発している自分がいたい。まだ、会社員に戻れると。

けれど、自分に走った電流が大きな気づきとなってようやく腑に落ちたのだった。



コーヒーを飲み一息つき、iPadを手に取った。
今頭に浮かんでいるイメージを絵にしたい、そんな衝動に駆られた。


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主人公がどん底の状態から、自分のやりたいことを見つけていくお話

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