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太陽を輝かせてあげられてなかった

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幸太(29) 30目前に無職になる
修二(31) 幸太のいとこ。複数の会社を経営する起業家
美緒() 修二の幼馴染。聡子のお茶友だち

ばあちゃん・聡子() ホロスコープを読むのが趣味
享() 幸太の父

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「幸太くんが気づいたら妄想しちゃうのって、ほんとホロスコープ通りだよね」
とあどけない表情で美緒ちゃんは言った。

ばあちゃんは、うんうんとうなずいているが、さっきハウスとやらを知った俺にはまだよくわからない。


「幸太とはこの家であったのは数えるほどやけど、いつも本を読んだり絵を書いたりして過ごしとったんよ」
とばあちゃんは懐かしそうに言った。

「そういえば昔から親父は本だけはよく買ってくれてたんだよな。俺が銀行に入ったのも小説に憧れてだったしな。」

「小説の世界に憧れて銀行員なる人も珍しいんやない?普通は、安定してるからとかそういう理由が多い気がする」

たしかに、周りの同期は池井戸潤の小説を読んだことのない奴ばかりで、入社直後は驚いてたっけ。

「最近はどんな本読んでるの?」

と聞かれた俺はハッとしてしまった。


「いや、実はここ1年くらい全然本読んでなかったんだ。せっかくニートになって時間ができたのに、スマホばっかりみてた…」

「そっか、じゃあ今から島の図書館連れてってあげるよ!」

え、でも、もう少しホロスコープの話も聞いてみたいんだけど、という俺の心を見透かしたように、ばあちゃんは

「一気に知識を詰め込むもんでもないよ。まずは自分の太陽を満足させてきたらええよ」

と言って、送り出してくれた。

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