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茨城のジャンダルムは思っていたよりすごかった&下山後のおしゃれカフェにハマる〜生瀬富士・月居山〜

冬は低山!
立春過ぎてもまだまだ寒い2月上旬、ずっといってみたかった茨城のジャンダルムへ。
ジャンダルムとはフランス語で「憲兵」を意味しており、元はスイスのアイガーにある垂直の絶壁の通称に由来していたそう。主峰を守るように立つ塔状の岩峰とか、尾根上の通行の邪魔をする岩などと書かれてある。
日本でジャンダルムといえば奥穂高岳!だが、茨城のジャンダルムといわれている山が茨城県久慈郡大子町にある標高406mの生瀬富士(なませふじ)だ。
奥穂高ジャンダルムは標高3163m。標高差からして比較にならないのに話題になるのはなぜだろうと、岩好きの私の妄想をかきたてる。

生瀬富士はジャンダルム以外にも見どころがあり、日本三名瀑にも数えられるほど有名な袋田の滝の北側にあるため尾根道から滝をのぞきみることもできるのだ。岩好きな私は実は滝好きでもある。
この両方がみれるとあってはのぼらない理由がない。


ー ルート

生瀬富士の往復ではちょっと物足りないので、立神山(たちがみやま)、月居山(つきおれさん)を縦走し周回するルートを選んだ。

登山ルート

ー アクセス

この日ははじめから車一択で考えていたので電車のアクセスは特に調べていないが、JR水郡線袋田駅から出ているバスの本数はかなり少なそう。
車の場合、新宿方面からだと常磐道那珂ICから1時間ほどの袋田の滝町営無料第1駐車場がちょうど良い。
40〜50台ほど駐められる広い駐車場だった。綺麗なお手洗いもある。

袋田の滝町営無料第一駐車場(下山後に撮影したもの)
右手にお手洗いがある

ー 生瀬富士へ向けのぼりスタート

7時半ごろ駐車場につき準備をし、7:45ごろ出発!
最初はアスファルトの道を進むのかと思いきや、ちょっとわかりにくい小さな看板があり道は普通に登山道だった。

駐車場を出て左手に進むとすぐ看板が出てくる
さらに進むとこの小さな看板がある
小さな看板の先は登山道のはじまり

のぼりはじめはずっとゆるやかな道。途中雪もあったがアイゼンをつけるほどではなかった。

雪が積もっているところもあった

おだやかにのぼり徐々に標高をあげていく感じで、「かなり低山だから大したことはなさそう」とハイキング気分でのぼっていく。
ところが30分ほど進んだあたり、合流地点の手前からものすごい急坂になった。

突如として現れた急坂

ロープがあって結構助かった。
生瀬富士のてっぺんまでは全体的に土の坂をのぼっていくイメージだが、てっぺん付近は崖のようなところをのぼる箇所もいくつかあった。

急坂以外は全体的にのぼりやすい
てっぺん付近は崖のぼりのような箇所がちらほら

そしてのぼりはじめて約1時間、てっぺんに到着〜!!

生瀬富士てっぺん
とっても狭い

ー 茨城のジャンダルムへ

ここまで誰ひとり出逢うことなく、そして今後も出逢う気配もなくただひとりてっぺんに到着した。
前回からてっぺん独り占めオンパレードだ!
1時間だとさすがに疲れもなく元気いっぱい。
そして、生瀬富士のてっぺんの醍醐味はここからなのだ!
てっぺんの先にある「茨城のジャンダルム」へ、いざ出発!
誰もいないし人がくる気配もないので、ザックをてっぺんにデポし進みはじめた。しかし、思ったより雪が多くしかも険しい。
これは念には念を入れるべき!とチェーンスパイクをつけに戻る。
てっぺんから少しくだるといよいよ茨城ジャンダルムの全貌がみえた。

茨城ジャンダルム

写真左手にロープがみえるのがわかるだろうか。そこを登って崖の上にいくのだけれど、なんといっても右手は崖なのでわりと怖かった。
のぼった先にみえたのは

崖の上

左側は雪が残っており、なかなかの細い道というか崖の道になっていて
「お〜、なるほどこれが茨城のジャンダルムか!」と、怖いよりワクワクが高まる。
進んでいくと小さなアップダウンもあり、怖いところはお尻をつきながらおりた。なんといっても安全第一!
崖を進んでふりむくと、

崖っぷち

結構な崖よね。
しかもこれ、帰りも通るのよね。そしてめざすは先端のこの岩。

茨城ジャンダルムの先端あたりにある丸い岩の塊
下に目をやると崖っぷち

そして、さっきみた丸い岩の上に到着〜!!ふりかえった景色がこちら。

丸い岩の上からふりかえる

なかなかの崖っぷちよね。たった406mなのに、これだけのアスレチック感を愉しめるなんて!満足感が半端ない。
そして、生瀬富士のすごいところはそれだけじゃない。360°のパノラマが愉しめるのだ。

栃木の山々がのぞめる
左手に男体山や日光白根山(たぶん)
これからのぼる月居山

お天気もよかったので眺めは最高だった!
そして茨城ジャンダルムの先端は実はこの丸い岩ではない。

茨城ジャンダルムの先端

「ここ」と書いてある場所が先っぽなのでせっかくここまできたのだからといってみた。

先端にはかわいい看板が!

この看板、もっと前は本場奥穂高のジャンダルムにある天使の看板に似た看板がここにもあったのだが、いつのときかなくなってしまったようで、期待していなかったら新しく作られた看板があった。なんだか嬉しい。

茨城ジャンダルムをすっかり満喫。予想していたよりちょっと怖かったし、期待以上の満足感!
本場のジャンダルムにはとても挑戦できそうにないけれど、その序章を少し味わえたのかなと思えて幸せだった。

戻りは行きよりも怖くなくお名残惜しさを感じながら生瀬富士のてっぺんに戻った。
チェーンスパイクをつけて正解だった。急なくだりに雪があったので、つけていなかったらすべったと思う。また、てっぺんに荷物をデポしてよかった。まあ、誰もいなかったからだけど。人が多いとてっぺんは狭いのでとても置いてはいけない。ストックはなしで大丈夫というか、ない方がいい。

雪を撮る余裕もあったりして

さあ、次はチェーンスパイクをつけたまま立神山へ。
生瀬富士から立神山に向かうルートがわからず、選んだ道がありえないほどの急降下で「さすがに違うだろう」と、引き返したらロープを発見。
ロープのある道もくだるはくだるがちゃんと登山道になっていた。どうやって正規ルートにいけたのかは謎のままだったが、、、
とにかく誰にも会わないから遭難だけはしてはならぬ。遭難の多くが低山の里山にあるとも聞くので、いつも以上に用心した。

立神山までののぼりがほぼ雪だったのでチェーンスパイクをつけたままでちょうどよかった。
雪があるところは足跡があったからよかったけれど、雪がふったすぐあとだと道に迷いやすいような気がする。

二日前に降った雪が残っていた
どなたかの足跡が何よりも心強い

生瀬富士から約30分、立神山に到着!
ここもあまり広くはなかったが腰をおろしてしばしの休憩をとった。

立神山

立神山からはアップダウンが多く、平坦な道がほぼないのでわりときつい。

アップダウンが多い
結構のぼるよね、、

立神山から40分ほどかな、袋田の滝を上からみれるという「滝のぞき」に到着した。

袋田の滝を上から眺められる

ついついのぞきたくて進むと崖なのでこれまた注意しながら進むと、

袋田の滝

お〜!!滝だ〜!!
なかなか滝を上から眺める機会はない。がんばってのぼった人だけのご褒美だ。望遠で撮るとこんな感じ。

袋田の滝アップバージョン

雪の日だったらもっと真っ白だったのかなあ。でも雪の日だったら私はここまでこれてないな。なかなかの迫力でした。
さあ、月居山に向けてどんどんいくぞ!

月居山

がっつりくだると川があった。そう、滝川を超えていくのだ。

滝川を超える

橋、短くない?
おりたってみると、「え、ここ本当にわたるの?」という感じだったけれど、どうみてもここをわたるしかない。

奥に見えている建物は奥の滝山荘
滝川の水が美しい

わたってみると足跡があったのでやはり正解だったみたい。

水量が多い時は迂回路があるらしいけれど、かなりの迂回みたい

ここから再び一山のぼる。
ここで終わりでも正直いいかもって思った。
しかし、トレーニングだ!と、最後までちゃんとのぼることに。

月居山へ向かうルート

最初は坂道をのぼる。

頼りになる足跡

すると目の前に階段が。

階段どーん

この階段、終わりがない。これで終わりだ〜と思ってもまだまだある。
階段をのぼりながら右手に生瀬富士をみる。ジャンダルムがどこなのかわかるようでわからない、、、

生瀬富士
どこまでも続く階段

ようやくこれで終わりだとついた場所は何もなく、あるのはただくだりの階段だけだった。

階段をのぼり終えた先にあったのはくだりの階段だった

「え?てっぺんは?」
仕方がないので階段をおりるとベンチがあったのでそこで珈琲タイムをとった。

奥のベンチは雪が溶けていたのでそちらで休憩
途中でかじったのでかじりかけのバームで失礼!!

無印良品のほうじ茶バームと娘にもらった珈琲で幸せを噛みしめる。
鳥のさえずりだけがきこえる、静かな時間。

木に残った雪がまるでネコのよう

その後はがっつりくだり、月居観音堂を過ぎると分岐がある。どうやら月居山のてっぺんは月居城の跡地らしい。
急ではないがのぼりなのでチェーンスパイクが大活躍!

おりたところにある分岐
てっぺんに向けてのぼりかえし
ロープはくだりで役に立った
月居山てっぺん
眺望はないのですぐにおりた

さあ、今度こそ本当の下山だ。
ずっとアップダウンがあったので、下山という感じもしないがもうのぼりはないはず。

樹林帯をおりていく
雪道が多かった
月居山のてっぺんから20分ちょっとで一般道についた
ここでチェーンスパイクを外す
このままアスファルトの道でゴールするのかと思ったら
再び登山道へ
七曲り登山道から10分でゴール!!

いや〜、愉しかった!!
たった標高406mでこんなにも愉しめるなんて!!
すっかり生瀬富士ファンになりました。
正直、奥穂高のジャンダルムにいかずとも、私はここで満足かも。
低山とはいえ、アップダウンがあるので累積標高はそこそこある。
トレーニングにもおすすめの山だと思った。

それにしても、今回は本当に誰にも会わなかった。ソロをはじめて1年ちょっとだが、最初から最後まで誰ひとり姿を見なかったのははじめてだった。
茨城県は熊が生息しないと思っていたら、最近は目撃情報もあるとか。
また冬眠しなくなっているとも聞く。
そう聞くとちょっと怖いけれど、無事に帰ってこれてよかった。
ここのところあたたかいから油断はできないなあ。。

ー 下山後のお楽しみカフェタイム

さて、山のお楽しみはやはりランチ!
その土地の名産もよいのだが、私はその土地のオシャレなカフェを探すのが好き。特に地場産の食材を使っていればなおさらだ。
今回選んだのは袋田の滝の駐車場から車で15分ほどのところにある『咲くカフェ』
リノベーションカフェで、敷地はとても広くオシャレな佇まいだ。
カフェの前に車を止めるスペースもあった。

咲くカフェ
入り口からしてオシャレ

登山ウエアで登場したのは私くらい?
あたたかいお出迎えと落ち着く空間でとても居心地がいい。

木に包まれる空間
ストーブとやかんはほっこりの定番よね
天井まで素敵

私はパスタのプレートセットを選択。
まずはスープ。生姜が効いていておいしい〜!

セットのスープ

そしてメインプレート。
なんとボリューミー。食べれるかしら、なんて思っていたけれどそこは山のぼり帰り。なんなくペロリといただきました。
ひとつひとつ丁寧な味付けでとてもおいしかった。

パスタランチはとてもボリューミー
空間が素敵で撮りまくってしまった
ソファ席と普通の席といろんな席があった
ソファ席が人気で混んでいた

最後に出てきた珈琲!とてもまろやかで、つけ合わせの抹茶チョコととても合う!山のカフェでいただく珈琲はいつもおいしい。

珈琲はまろやかで疲れたからだに沁みわたる

ゆっくりランチを愉しんだ。
カフェの外には雑貨が売っているバンがある。

左のバンは雑貨屋さん

天気がよかったのでテラス席もにぎわっていた。
お土産にまたまた山でいただく珈琲を購入。山のぼりの愉しみがまたひとつ増えた。

珈琲を購入

毎日ヨガ&筋トレ&自転車でトレーニングをしているけれど、自宅でお仕事のときはほぼ動かないので筋力が最近落ち気味だなあと思っていた。
今回は痛くならなかったが、もうちょっと鍛えないとアルプスへの挑戦が難しくなる、なんて思いながらもこの低山の魅力にまだまだ心は奪われ中。

茨城のジャンダルムは前からずっと気になっていて、ようやくのぼれて嬉しかった。崖の愉しさだけではなく、今回は雪も愉しめたし、滝のぞきもかなり見どころだった。
急坂はあるものの、全体的にのぼやすく初心者で崖が好きならここもおすすめだと思う。

まだまだしばらくは低山の旅が続きます。


距離:6.5km
累積標高(のぼり/くだり):755m/753m
タイム:5時間2分(休憩1時間28分含む)
そんなに休んだ記憶はないけど、、、



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