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梅から始まり梅で終わる〜幕山〜

宝登山にのぼってから1週間足らずの2月後半。
ちょうど仕事の谷間で、今がチャンス!と次の山のぼり計画を立てた。
<前回の記事はこちら

宝登山のロウバイの美しさに魅了され、「よし!今度は梅だ!」と、梅が美しい山で探したところ、目に止まったのが神奈川県湯河原にある幕山麓の梅林。
麓に広がる梅林には4000本の梅が植えられており、梅の饗宴をみたくてこの山を選択した。

幕山は、箱根火山の火山活動の中で15万年前に形成された溶岩ドームだそう。
山のぼりに選んだルートは、幕山登山口から幕山を周回するコース。
幕山の標高は626m。梅林内にある登山口の標高をGoogleアースで調べると、おおよそ200mなので標高差は420m程度だった。
湯河原駅からバスが出ており、梅が見ごろのこの時期は幕山公園まで運行していてすぐに登山口にたどり着くことができた。

「さあ、4000本の梅たちよ!その姿をみせてくれ」
意気揚々と梅林に向かうも
「あれ?咲いてない?」
どうやらまだ5分咲き程度だったよう。
下調べでは1週間ほど前に3分〜5分咲きだったし、気温もあがってきたのでてっきり満開前くらい?と期待に胸をおどらせていたら、実際はまだまだだった。
どうも詰めが甘い。

梅林の入り口では菜の花がお出迎え。
梅色に菜の花のきいろがまぶしい。

梅のつぼみはパールのように上品な輝きをはなっている。

いまか今かと開花を待つ梅の木にはたくさんのエネルギーが蓄えられている。
そう!これからいろんな山に挑戦する今の私はエネルギーを蓄えたつぼみ。
少しずつ花開き、私の満開はアルプスの山々のてっぺんだ。

そんなことを考えながら梅林のトンネルをのぼっていくと、崖をのぼる人の姿を発見。
あとで知ったのだが、ここ幕山はロッククライマーたちに人気のスポットらしい。
大きな岩を垂直にのぼっていく勇ましい姿に思わずパシャリ。

梅林をぬけるとしっかりとした登山道が始まった。なだらかな道は少なく、ひたすらのぼる。
のぼり半分あたりから道はジグザクになり、少しいくと急に右側がふわっと明るい。キラキラ輝く相模湾が姿を現した。
思わず足を止める。山から見下ろす海はまた格別だ。
ここまで眺望のない道をひたすらのぼってきたから、ご褒美をもらった気分だった。


小休憩をとり再びジグザク道をのぼる。軽い山かなと思っていたけど、思っていたよりものぼりごたえのある山だった。

そしていよいよお待ちかねのてっぺんが姿をあらわした。
てっぺんでは相模湾が一望できる!と見回すと


「あれ?見えない??」
木々に隠れていまひとつよく見えない。
”満開の梅とてっぺんからの相模湾”という妄想とは少し違ったが、初めての山に挑戦できたことは大きな収穫だった。
敷物を広げ「ふ〜っ」と腰をおろす。
のんびりお昼ごはんは、いつものコンビニおにぎり。
鳥のさえずりしかない音が心地よく胸にしみる。

下山の道はなだらかだけどとても狭く、笹に囲まれているところが多かった。狭い道はちょっと苦手だ。


大石が平からはひらけた道で、新崎川を眺めたりのんびりと梅林までの道を楽しんだ。

下山後の梅林は登山口の梅より開花しているものが多く、観光客で賑わっていた。

今回はちょっと詰めが甘いなあと思う瞬間がたびたびあった。
しかし、一方で思いがけない出逢いのある旅でもあった。
きちんと計画した上での行きあたりばったりは、出逢うべくして出逢った運命を感じる。
そんな”行きあたりばったりな出逢い”を見逃さない心のゆとりを、日常でも持っていたい。

さて、次はどんな出逢いが待ち受けているかな〜
楽しみ楽しみ。



距離 5km
累積標高(のぼり) 433m




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