職場でゲイであることがバレた話

年始、職場のオーナーとサシで焼肉を食べに行った。
普段の業務であまり会話をしないのでいい機会だ。
一通りの注文を終え、お疲れ様の乾杯。
開口一番にオーナーが「出会いって求めてる?」と切り出してきた。
内心「来た。女の話に繋がるんだろうな。」と思いつつ「今は特に求めてないです」と答えた。
オーナーはなんとも言えない表情をし、ほんの一瞬間をあけて
「普通に女が好き?」と聞いてきた。その表情たるやずっと疑問に思ってたいた言わんばかりのものだった。
その問いに答えるまでの数秒間、僕の頭の中はフル回転。
前職でノンケを装い嘘をついてきた経験があり、それをまた繰り返すのか?もしくは、ここでカミングアウトをして等身大の自分でいるのか?を選択する分かれ道。
僕はカミングアウトをすることに決めた。その理由としては、また嘘で塗り固めていくのが面倒だということと、オーナーの人格を信用してのことだった。
オーナーは人脈が広い人で、セクマイの人との交流も多くある。
共通の知り合いのゲイの人もいたので、理解がある人なんだろうなと思ってもいた。
「違います。。。気がついていました?」と答えた。
オーナーは「うん、そうなんじゃないかなと思っていた。」と。続け様に「持っているバッグや小物を見てもそうなんじゃないかと思っていた」と。
確かに、ルブタン、グッチ、バーバリー、coach、Diorなどのバッグや小物で出勤しているので、仕方のないことだ(笑)
その後、この焼肉会はお互い心を開いてざっくばらんに話ができたのでともてよかった。

思い返してみると、数ヶ月前に探りを入れてきたことがあった気がする。
会話の中でオーナーが「ノンケ」という単語を使ってきたのだ。
「ノンケはノンケという単語を知っているのか?」「これは探りなんじゃないか?反応や表情を見るために投下してきたんじゃないか?」と一瞬、勘繰ったことがあった。
僕は普通な表情で流したつもり。
果たしてあれは探りだったのか?次の機会に聞いてみよう。

話は変わるが、僕が中学生の頃だったと思う、父が知り合いのレズビアンの話をしてきたことがあった。
「昨日一緒に呑んだ女友達が、女が好きだと打ち明けて来たんだよ」と。
その時の父の表情は、俺の友達にはこんな珍妙なやつがいると言わんばかりのものだった。
祖母や伯父を含め、テレビを見ていてセクマイの芸能人が出て来た時の反応たるや、思想や世情のアップデートが停止している人のそれそのもの。
具体的な例は多々あるが、僕は心優しい人なのでここでは書かない。
それなので、決して家族にはカミングアウトをしない。

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