祝日には、働き方について考えよう。

働き方について橘さんの本「働き方4.0VS2.0」を読んでました。
 
シリコンバレーで起こっている働き方と日本を比べつつ、現実世界での処方箋を書いたいい本でした。
 

日本型は前近代的
 
どーも、大型連休に何をしていいか戸惑うタイプの人です。そこで将来の仕事について考えていました。人生において長い時間をかけるので、こうした休日こそじっくり向き合いたいところです。そんなアラサーサラリーマンに、橘氏は容赦無く日本型雇用をぶった切っていまして、とても参考になりましたので書評を。
 
日本型雇用といえば、
 
正社員
年功序列
定年性
 
 
などなど。橘さんはこれらを「前近代」と切って捨てます。なぜこれが前近代的なのかといえば、このどちらも差別だからです。ところで橘さんの本書での差別感は
 
「合理的理由を取り除いて残ったもの」
 
という定義。(これは個人的にかなり腹落ちしました。)それを踏まえて上記のことを考えてみます。
 
 まず正社員です。恥ずかしながら僕は本書で初めて「正社員というののは海外では無い」ことを知りました。アカデミックの求人とかは結構英語で書かれていまして、そこにはfull-timeと書かれていたので、漫然と「正社員の英訳はfull-timeなのかな」くらいに思っていました。しかし、海外の雇用形態は、労働時間の違いの差こそあれ、正規、非正規と「差別」すると訴えられるそうです。そこには「同じだけの利益を上げているのに正規、非正規で給料が違うのは合理的でない」という信念があります。年功序列は言うまでもなく、です。
 年功序列は上が下のものを無条件で吸い上げるシステムです。これまた能力や会社に貢献した利益とは一切関係ありません。最後に定年。アカデミックには70歳を過ぎてもそこらの若手より旺盛に研究成果をあげる人がちょこちょこいます。
 定年制とは、その生産性の高い人ですら追い出す差別であって、これはもちろん海外ではアウト。
 
 
 話はやや私的になりますが、本書を読んで、この雇用形態は大学にも強く根付いていることを強く実感しました。J-recinというアカデミック専用の求人サイトがあります。ここを覗くと、
 
「男女共同参画により、女性の方を優先して採用します。」
「応募条件は40歳以下」
 
などなどの文面を数多く目の当たりにするでしょう。この価値観で、どうやって(特に海外の)優秀な人材を呼び込むつもりなのでしょうか。
 
 
ではどうする?
 
 この他様々な視点から、世界の先端企業と日本企業におけるミスマッチが書かれています。そして、その価値観自体は世界のリベラルの方に軍杯が上がるでしょう。日本型の働き方は、その多くが限界を迎えていきます。私を含めた会社員はそんな世界でどうすればいいのでしょうか?
 
 たまに見かける橘さんの書評で、「具体案がない」というのを見かけます。これは具体的なのを求めすぎです。例えば、「このAI時代には、どんな職業についたらいいですか?」というもの。こんなもの、答えようがありません。日進月歩で進むこの世界では、エンジニアですら安泰で無いのですから、職がなくなったら、また探すか自分で作るしかありません。意外とこういうコメントを本人ももらっているようで、それに対しては彼のホームページを見ると参考になります。
 
https://www.tachibana-akira.com/faq7
 
 話はそれましたが、「処方箋について具体的とはいえないが」私がいいなと思うものを最後にご紹介。キーワードは
 
1、好きなこと
2、拡張性
3、ギバー
 
です。
 
今や人生100年時代と言われて久しくなりました。未曾有の長寿時代において大切なのは、当たり前ですが、長く働くこと。今の時代では、収入が途切れることの恐怖はついて回りますが、それは年金だけに頼ることでいや増していきます。であれば、定年後も働けることが大切ですが、体がしんどくなっても続く仕事など、「よほど好きなこと」でないと厳しいのではないでしょうか。
 
 好きなことといっても、ご存知のようにそこで稼げる仕事と稼げない仕事は存在します。
 例えば、俳優。俳優はざっくりいえば「演じること」ですが、映画俳優と舞台俳優の収入には雲泥の差が生じています。その差は「拡張性」で説明できます。映画はインターネットにおいて世界中に発信可能なので、一度ヒットを飛ばせばその収入は青天井です。一方で、舞台では観客には物理的に上限が存在します。ここではより大きい舞台で行うか、チケット代をあげるかですが、やはり限界があるでしょう。これが拡張性です。
 であれば、より拡張性の高い仕事で好きなことを選べば良さそうですが、私を含めて多くの人は尻込みします。なぜなら、このネットを利用した拡張性には高いクリエイティビティと責任が伴うからです。ユーチューバーを見ればよくわかります。(私もそれなりに責任をもって書いてます。)
 そこで誰でもできるのが、「知識と人脈を与えること」です。「ギバー」というのはアダムグラントという天才科学者が提唱した人のこと。

彼が調べたことは
 
・富裕層の多くはギバーであること
・ただし、最貧困の人にも意外とギバーが多い
 
ということです。ギバーはハイリスク、ハイリターンのようですが、もちろん彼はその2種類のギバー違いも調べています。それはまさに
 
富裕層のギバーは減ってもなくならないものを与えている
 
ということです。そのうち、我々の誰もがもっていて減ってもなくならないものが、知識と人脈ということです。
 
最後に
 これ以外にも多くの示唆があって、大変勉強になりました。私の不勉強もあって、橘さんの本は情報が多いので、今回は要約というより書評(感想)という形になりました。雑感ですが、上のことを鑑みると、実はプログラマーやエンジニアは結構いいのかなと。最短なのは2億くらいのプロダクトを売り、得た利益を3パーセントくらいで運用して慎ましく生きることですからね。奇しくもひろゆきさんが頭に浮かびます笑。
 
 
 、、、人脈のない私は、今日も日々知識をブログに提供していきます。(整ったかな?笑)


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