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共通の趣味を持つことは大事なのかを考える婚活

婚活で知り合った相手とメッセージやLINEでやり取りをすると、必ずと言っていいほど触れることになる話題が職業と趣味についてである。

私が婚活していた当時は「お仕事は何をされているんですか?」と聞かれれば職場の業種や自分の配属先での仕事内容をテンプレートをコピペするかの如くかいつまんで話したりするものの、いっぽうで「お休みの日は何をされているんですか?」と聞かれると、あーでもない、こーでもないと、なんて答えようか頭を悩ませたものだ。

いったい何故か?

それは、お相手の方にわかりやすく受け入れてもらえるであろう趣味を答えたかったからだ。

たとえば、カラオケですと答えたら「あー、いいですね。ふだんはどんな音楽を聴くんですか?」と会話が膨らむかなと考えたり、カフェ巡りですなんて話題を振れば「オススメのカフェとかあるんですか?ぜひ今度連れて行ってください」みたいな返事があるといいなと妄想したり。

しかし実際私の趣味は、芝生の手入れとランニングとDIYなので、「一緒に楽しめる趣味」という点ではお相手にあまり刺さらないかもしれないし、したがってそれらの内容を熱く語りすぎず、詳しくマニアックにならなすぎずみたいな頃合いであっさりと説明することになる。

今になって思うと、はたしてみんながみんなお互いの趣味を共有する必要があるのだろうか。自分ひとりの時間も大切に確保したいから、相手に適当な趣味があったほうがそれはそれでありがたいというか、「こっちはこっちで楽しくやってるんでそっちはそっちでそれ楽しんでね」みたいな距離感の時間があったって良いよねと思いはじめる。

結婚して感じるけれど、個人的には4つに1つくらいの共通の何か、趣味にかぎらず好きな食べ物でも場所でもあるくらいがちょうど良いのかなと思う。

結婚生活を長続きさせるための必要な資質は、相手と共有できる趣味を持っているということよりは、そのこと自体への共感力だったりお相手にたいする敬意と尊重である。

たとえば、二人の共通の趣味がランニングで、あなたは月間200km以上走るシリアスランナーであり、お相手は週末に家の近くを5km走るのがやっとの初心者であったとする。そして近い将来、一緒に市民マラソン大会に参加できたらいいなと一方的な願望を思い描いていたとする。

体力も経験値もスピードも持久力も違う二人が、同じ大会に出ることはできても、同じゴールタイムの目標を持つことはできない。それができるのはあなたがお相手のレベルに合わせて一緒に走ってあげるときだけだ。

まさにそれが職場の先輩ご夫婦のケースで、先輩は奥さんに合わせてゆっくりとしたジョグペースで終始ハーフマラソン(約21km)の距離を走ることになった。大会の翌日会社で私の顔を見るやいなや「二人で参加するのはもういいかな。やっぱ自分のペースで走りたいわ」とこぼしていた。

また私のカッコ悪い事実をみとめてしまうと、むかし英語とスペイン語を楽しく勉強していた頃、英語はともかくスペイン語くらいは相手より得意な立場でありたかった。自分よりレベルが高いとわかると無意識に嫉妬するし、要するに、「そんなに話せるなんてスゴぉい!」みたいに出来ることなら持ち上げられたい自分がいるのだ。みっともない男の自尊心である。

そんなわけで、お互いのレベルが違う場合には、もしかしたら共通の趣味でないほうが穏やかだし、好きな食べ物や場所や聴く音楽が一緒のほうが余計なストレスもなく楽しい時間を過ごせる可能性が高くなる。

共通の趣味を持つよりは、お相手の趣味に興味を持つくらいのほうが、心穏やかかもしれない。

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