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【#数学夏祭り】楽しかったので忘れないうちに書いておく【運営側の1人の雑記】


はじめに

2020年8月31日~9月12日まで開催された「数学夏祭り」の運営、問題選定(※後述)を中心に担当したmath channel横山明日希です。現在は数学の楽しさを伝える活動を色々とやる仕事をしております。

数学夏祭りとは、2週間毎日平日17時に難問が出題され、「解く」か「拡散する」か「解説する」かそれぞれの参加の仕方で祭りを盛り上げ、入賞者にはRed Bullのキャンペーンプライズがもらえる、というもの。

数学夏祭りHP↓

実行委員長の鈴木Pからお声がけ頂き、本企画の運営に入ることになりましたが、色々とありつつ(ここについては世の中の変化が主因)、そのなかで運営メンバーが増えていき…気が付けば、

教育系YouTuber ヨビノリたくみ
理系YouTuber積分サークル わが
数学系インフルエンサー数学を愛する会 会長いっくん
数学教師芸人 タカタ先生
大人向け数学塾 和から株式会社 堀口智之
(敬称略)

と、今を時めく数学系のメンバーが沢山。
そしてこの祭りを参加してくれた人や見てくれていた人はご存知かと思いますが、実績も沢山持たれている予備校・塾の先生や学校の先生、数学を武器に民間企業で働かれている方、肩書きこそ不明ではありますが数学ガチ勢(この言い方が正しいかは定かではないですが)の方々がこの企画に参加してくれました。

さて、話を広げていこうとすると色々あるのですが本題に入ります。まとまりのない雑記的な形ですが、ぜひお読み下さいませ。

そもそも僕(横山明日希)は数学夏祭りで何をしていたの?

役割は「問題選定」です。作問者である山口先生、佐々木先生(※後述)から頂いた問題のなかからどの問題を数学夏祭りで採用するか、および、どの順番で問題を出題するか(※これ、ほんと緊張した)、それぞれの問題の難易度を設定する…などを行いました。

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↑悩んだ結果の最終的な出題順(数学夏祭りHPより)

オンラインで毎日1問ずつ数学の難問が出題される、という企画は過去に一度も聞いたことがないので、何人参加するのか、どういう層が参加するのか、何分ぐらいで解ける問題を採用すべきなのか…まあ、すべてが未知数なわけで。そんななかで、仮の2週間のストーリーを設計して、そのストーリーに合うような問題選定および出題順を決めました(このあたりはこのあともう少しだけ触れますが、語りたいことは沢山ありますのでお会いしたときにでも聞いて下さい)

「作問者」という素晴らしい役割にスポットが当たること

さて、問題選定しているときおよび祭り期間中に率直に思ったこと、そして今後のあるべき世界観についてを書きます。
今回の数学夏祭りの作問者はHPにもあるようにこの2名。

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佐々木和美先生、山口雅司先生。おそらくこの記事を読んでいるか方はこの先生方をおそらくご存知ではないかと思います(僕自身も、こういう企画がなかったら知ることは無かったかと思います)が、お二人とも講師という職業を持ちながらも作問者としてプロの方々。
この方々が作ってくれた問題は、解説はもちろん作成意図や想いなどもセットで送られてきました。そこに書かれてた熱い想い、背景、僕は選定側としてしっかりと読ませて頂くことができました。ただ、企画の性質上、みなさんには「問題」だけが掲示されるわけで、どうにかしてこの制作者の裏側(いわゆる作者の気持ち)も届けることができないか…と考えておりました。

が、その懸念も祭りがスタートして数日してよい形で消えることになりました。というのも、本企画の面白いところは、何百名(何千名?)の参加者が、Twitterというプラットフォームを通して問題を解く時間を共有しあう形式。自然と、問題の面白さやそこに潜む制作者の意図の考察についてが語られていきます。祭り期間中、作問者側からは「問題」だけが提示されただけですが、作問者と回答者がつながる姿を目の当たりにすることができました。

ちょっと気づかれながらも全部はバレないように仕掛けること

というわけで無事に問題1つ1つの面白さ、そして問題全体で作問者のすごさが伝わっていく感覚を横目に、僕の重要任務であります「あるヒミツ」をばれない程度に匂わせる、が成功するかドキドキしながら見届ける日々が1週間ほど続きます。

これです。ここだけの話、積分サークルの予告例題動画は一番最初の問題選定時には決めてなかったのもあり、実は「79」が問題で出現する回数が実質1回増えてしまったのですよね…。そのおかげで「運営は79が好き」というそっちに気が向いた人が多かったのか、「79」が散りばめられていない問題にも潜む「金」は見事に気づかれることなく1週目終了後の日曜日午前にヨビノリ氏のネタバレ動画が公開されることになりました。

本企画のすべての問題に潜んだ隠された共通点についてはこちら↑

ということで超個人的な祭りのピークはこのネタバレ公開の瞬間および、翌日の問題の出題直後でした。(第6問の問題、ネタバレ直後に相応しいちょっとお茶目な問題にしましたが、みなさん真剣に解いて頂きありがとうございました)

一部、数学的な仕掛けでなくてがっかりした人もいましたよね。笑

想像をはるかに超えるスピードで解答を求める人がいること

これは言わずもがなの話なのでさらっと触れておきますが、正解者の正解までのタイムが予想をはるかに超え、問9に関しては下記ツイートにあるように、

2分て。
単純にすごいです。本当に色々な方が参加頂いた結果の一つですね。

「解説」および数学との関わり方も多様であること

最後にこのあたりにも触れておきます。今回の数学夏祭りの面白いところは、祭りとだけあって様々な人が参加できるということ。
祭りの日程と場所、そしてコンセプトを運営側が定めたら、そこにパフォーマンスや出店などを出して祭りを彩る「解答者」と「解説者」、そして、その祭りに参加しさらに祭りの存在を他の人にも広め呼び込み盛り上げていく「拡散者」、これらは祭りはどの立場も無くてはならない存在です。
ひと際興味をもった存在は「解説」という立場。YouTubeでこれまで動画を上げていた人も、これを機に動画に挑戦した人も、Texで解説答案つくった人も、ブログでわかりやすく説明してくれた人もいます。「解説」とは何なのか、色々考えるきっかけになりました。どの方の話もそれぞれの意図があり、言うならば「制作者の意図」と同様に「解説者の意図」というのも、想像していくと非常に面白いのだな、と。

#数学夏祭り解説」というハッシュタグをさかのぼれば沢山の解説者が投稿してくれています。ちなみに、最年少解説参加者は小学校2年生のようです。動画はこちら↓


さいごに

色々と主観的な話を書きましたが、きっと定量的な話は公式的な振り返りみたいなものでどこかでまとめられることでしょう。(なのかな?)

僕自身が数学を仕事にしている人間ではありますが、今回の数学夏祭りを通して、数学との関わり方は本当に多様にあるんだな、というのを改めて実感しました。それぞれの立場があるからこそ、成立する世界でもあるのだな、とも。

引き続きこれからも数学でみんながワクワクできる企画に関わっていけたらと考えておりますので、ぜひまたどこかで皆様お会いしましょう。その時まで、Twitterなどで絡みながら日々を過ごしましょう。

横山明日希のTwitter

では。


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