見出し画像

大人が学ぶ算数 ―和・差・積・商って?計算の順序ときまりとは?―

先日、個別授業にて

こんにちは。和からの池下です。
和からでは算数や数学、統計学などなど幅広い分野の個別指導を行っています。
和からの個別指導はこちら

かくいう私も社会人の方向けに、主に算数範囲の授業を担当しているのですが、大人の方が算数や数学を学ぶ場合、「知ってるけど結構忘れてる…」ということや「今まで深く考えなかったけどなんでこういう仕組みになってるんだろう?」と考え込んでしまったり…。
子どもの頃とは違う悩みがそれぞれにあることに気が付かされます。(それが新たな発見だったり面白さでもあるのですが)

というのも、先日個別指導の授業でお客様からこんな質問をもらいました。

テキストに書いてあるこの、和・差・積・商って…なんでしたっけ…?

さて、みなさんはこの質問、パッと答えられそうですか?
マスログ読者の方の中には「ばっちり!」という方もいると思いますが、「なんとなくはわかっているつもりだけど、急に聞かれるとちょっと自信ない…」という方も、実は結構多いんです。

「和・差・積・商」ってなんだっけ?

これはそれぞれ
」は加法 (足し算)の結果
」は減法 (引き算)の結果
」は乗法 (掛け算)の結果
」は除法 (割り算)の結果
のことを指します。

つまり
足し算 1+2=3  の”3”が和
引き算 3-2=1 の”1”が差
掛け算 2×3=6 の“6”が積
割り算 6÷3=2 の“2”が商

という感じです。

ちなみにこの「足し算、引き算、掛け算、割り算」のことを、まとめて【四則計算】と呼びますが、ご存じのとおり、これらは私たちの生活に欠かせないとても身近なものです。
みなさんも例えばこんな時、四則計算を使うんじゃないでしょうか?
 足し算なら…今日の朝昼晩の合計摂取カロリーを計算するとき
 引き算なら…ほしいものを買ったときの、お財布の残額を考えるとき
 掛け算なら…同じCDを「聞く用・保存用・鑑賞用」で3枚買うとき
 割り算なら…飲み会の割り勘で

…と、お客様にこんな説明したところで、次はこんな質問をされました。

「そういえば計算するときって、なんで掛け算と割り算を先に計算しなくちゃいけないんですか?」

「計算の順序」ってなんだっけ?

計算は基本的には”左から順番に“計算するルールですが
・かけ算、わり算は先に計算する
というきまりがあります。
これはご存じの方も多いと思いますが、ではなぜそんな順番抜かしOKのルールなのか、みなさんは説明できますか?

これは小学校の「計算のきまり」という単元で学ぶものですが、結構な人が「そう決まってるんだ、ふーん」で通り過ぎがちな部分でもあります。
このきまりは実は、四則計算を間違いなく遂行するにあたりとっても便利なもの!なのですが、これを「どの数でも成り立つことを、誰にでもわかるように」証明することは、少々難しい話になります…。

なので、今回はまず「どう考えたら自分が納得いく説明になるか」ということを私なりに考えてみました。(大切!)
ここでは掛け算の場合を例にとります。

■例題■
あなたはパン屋さんでメロンパン2個と、ロールパン(2個セット)を3袋買いました。
さて、合計でパンを何個買ったことになるでしょうか?

これを式で表すと
2+2×3=8
となり、“計算のきまり”をきちんと守って計算すれば「合計は8個」という答えに辿り着きます。

しかし、もしここで計算の順序を無視して、そのまま左から計算してしまうと…「12個買ったと思ったのに帰ってから数えてみたら8個だった…!」という悲劇が起きてしまうわけです。

■考え方■
そもそも、掛け算には「~が〇つ分ある」という状況を表す意味があります。
2×3なら「2が3つ分ある」という意味で、2×3=2+2+2と足し算に置き換えることができます。
つまり掛け算は「足し算の繰り返し」であり、「ひとまとまりの数」として捉えないと意味がとおらないのです。

このように「ロールパン(2個セット)が3袋」ある状況を表すのが「2×3」であり、これをバラバラに分解して考えることはできません。
2+2を先に計算してそれに3をかけるというのは
勝手にメロンパン2個とロールパン2個を一緒に袋に詰めて、それが3袋…と数えてしまうようなことなのです。

おわりに

これは一例なのでこれ以外にも様々な例えや表現ができますが、
ただの数字の羅列とルールで覚えるのでなく、「意味を与えて考えてみる」ということが今回で少しでもお伝えできていたらいいなと思います。

算数の分野は特に「昔に“きまりごと”として習ってそのまま“あたりまえ”として定着しているけれど、実は深く考えたことがない…」ということが結構あります。
(よくあるのは「分数の割り算はなんでひっくり返すのか?」など)

こういったことを大人になってから改めて考え、ひとつずつ腑に落ちていく作業は思いの外とても気持ちのよいものです。
みなさんも自分の中の “あたりまえ”となっているものを引っ張り出して、「なぜ?」と考えてみてはいかがでしょうか?

和からの個別指導では正に「和」…足し算から、自分のペースで学ぶことができます。
算数から苦手意識を克服したい方など、ご興味があれば一度無料カウンセリングでご相談ください!

<文/池下>

「統計教室和(なごみ)」では数学が苦手な方から得意な方まで、それぞれの方が必要な内容を相談(雑談?)してカリキュラムをご案内しています。ご興味がある方はまずは無料セミナーへ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?