【第6回垂れ流し数学模試】理型第4問 解答例

皆さんこんにちは。

今回は第6回垂れ流し数学模試の理型の第4問の解答例です。

問題としてはグループ分けなんですが,
2組に入ることができる人がいることをどう考えるかがカギになります。


問題

9人の生徒を, 1人につき1組もしくは異なる2組に所属させ, 4人ずつの3組を作る.
3組の作り方は全部で何通りあるか.
ただし, 3組の順序の入れ替えや, 各組に属する生徒の順序の入れ替えは, いずれも区別しないものとする.

考え方

9人に対し4人ずつ3組=12の「イス」があるので, 9人のうちちょうど3人が異なる2組に所属することになります。
そこで, 異なる2組に所属することになる3人をX, Y, Zとして,
まずX, Y, Zを組に所属させます.

3人が2回ずつ入ると延べ人数は6人で、3組に入る人数で考えると、
次の3パターンが考えられます.

(i) X, Y, Zが3人とも, 同じ2組に所属する場合
(ii) X, Y, Zが3人とも所属する組と, 3人のうち2人と1人に分かれて所属する1組ずつがある場合
(iii) X, Y, Zのうち異なる2人の組み合わせごとに1組ずつ所属する場合

この3パターンそれぞれについて, X, Y, Zの所属のしかたと,
X, Y, Z以外の6人の組への所属のしかたを計算していきます.

(i)はX, Y, Zがすでに2組に属していて, それらの組は残り6人のうち1人ずつしか入りませんが,
この1人ずつを入れ替えても組み分けとしては変わらないので,
残る6人から2人を選んで1人ずつ組に入れます。
残り4人は自動的に, X, Y, Zのいない組に所属します.

(i)の場合。X, Y, Zが入った左と真ん中の2組は、
残り1人を入れ替えても組み分けとして変わらない。

(ii)はまずX, Y, Zの3人が2人と1人に分かれて別の組にはいるので, その分け方を考慮する必要があります.
そのうえで残りは1人, 2人, 3人なので, 6人をそのように分けて組に入れることになります.

(ii)の場合。上記はX, Y, ZのうちでZだけを別組に入れる場合。
各組はそれぞれに入れる残りの生徒数で区別できる。

(iii)については, X, Y, Zのうち異なる2人の組み合わせは(X, Y), (Y, Z), (Z, X)しかないので,
X, Y, Zはこの2人ずつの組み合わせで組に所属しています.
このとき, 組はすでにX, Y, Zのどの2人が入るかで完全に区別されます.
残り6人を順番に2人ずつ所属させていきます.

(iii)の場合。各組はそれぞれにX, Y, Zのうちのどの2人が入るかで区別できる。

最後に3人X, Y, Zを9人から選ぶ方法を考慮しましょう.

解答例

組わけの条件により, 9人のうちちょうど3人が異なる2組に所属する.
この異なる2組に所属する3人をX, Y, Zとする.

X, Y, Zの3人が異なる2組に所属する場合で, 3組のいずれかに所属する方法は,

(i) X, Y, Zが3人とも, 同じ2組に所属する場合
(ii) X, Y, Zが3人とも所属する組と, 3人のうち2人と1人に分かれて所属する1組ずつがある場合
(iii) X, Y, Zのうち異なる2人の組み合わせごとに1組ずつ所属する場合

の3パターンがある.
各パターンそれぞれの組分けの方法を計算する.

(i)の場合
3組中2組にX, Y, Zが属し, これらの組には残り1人ずつ所属でき,
その1人ずつの所属の組を入れ替えても問題の組分けの方法としては区別されない.

また, その1人ずつ計2人を除いた残りの4人は, 自動的に, X, Y, Zのいない残りの組に所属するので,
結果的に6人からX, Y, Zのいる2組のどちらかに所属する2人を選ぶ方法の数に等しい.

したがって, (i)の場合の組分けのしかたは
$${{}_6{\rm C}_2=\dfrac{6\cdot 5}{2\cdot 1}=15}$$通りある.

(ii)の場合
X, Y, Zの3人が全員属する組とは別に, 3人が2人と1人に分かれて別の組にはいる方法の数は, $${{}_3{\rm C}_2=3}$$通り.

各組の残りの人数は1人, 2人, 3人であり, 3組はX, Y, Zのうちに所属する人数で区別されているので,
6人を1人, 2人, 3人に分けて組に入れると, その方法の数は
$${{}_6{\rm C}_1\cdot {}_5{\rm C}_2=6\cdot \dfrac{5\cdot 4}{2\cdot 1}=60}$$通りある.

以上より, (ii)の場合の組分けのしかたは
$${3\cdot 60=180}$$通りある.

(iii)の場合
X, Y, Zのうち異なる2人の組み合わせは(X, Y), (Y, Z), (Z, X)しかないので,
X, Y, Zはこの2人ずつの組み合わせで別々の組に所属する.
このとき3組はX, Y, Zのどの2人が入るかで完全に区別されるので,
残り6人を順番に2人ずつ所属させると, その方法の数は
$${{}_6{\rm C}_2\cdot {}_4{\rm C}_2=\dfrac{6\cdot 5}{2\cdot 1}\cdot \dfrac{4\cdot 3}{2\cdot 1}=90}$$通りあり,
これが(iii)の場合の組分けの方法の数である.

また, 9人から, 異なる2組に所属する3人X, Y, Zを選ぶ方法の数は,
$${{}_9{\rm C}_3=\dfrac{9\cdot 8\cdot 7}{3\cdot 2\cdot 1}=84}$$通り.

以上より, 問題の条件を満たす組分けの総数は,
$${84\cdot (15+180+90)=\boldsymbol{23940}}$$通りある.


まとめ

以上, 第6回垂れ流し数学模試の理型第4問の解答をお届けいたしました。

場合の数の数え方としては, やはり
どのように並べ方を考えると効率よく数えられるか
といったところがキーになります。

今回の問題でも、まず異なる2組に所属する3人を先に並ばせることで,
残りの6人は1組ずつ所属できるので考えるのが楽になります.

あと、対称性とか、組み分けの場合だと同じ組分けになってしまうのか、
あるいは何らかの特徴でもって区別されてしまうのか、
そういった点にも注目していけるといいと思います。

問題の表現もちょっと難しかったせいもあったかもしれませんが、
惜しくも解答提出者(理型)の正解者がおりませんでした。
それなりに難しいのかもしれませんが、
1つずつ丁寧に進めていけば解けない問題でもないかなと思っています。

難易度の高い大学でも、時々場合の数が出題されますので、
苦手な方はよく演習しておくといいと思います。

それではこの記事を終わりたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

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