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【現場学校02レポ】情報を「引き出す」テクニック|ヒアリングの現場(田口 真行さん)

こんにちは!
ライブ配信セミナー『現場学校02』レポート班のSカオリです。

2019年4月3日に開催された、田口 真行さんのセッション「ヒアリングの現場」のセミナーレポートをお届けします。

いよいよ初回ライブセミナーがスタートしました。
ヒアリングという、プロジェクトの始まりとして超重要でありながら、やり方というか方法論をあまり人から教えられるものではないテーマです。

かくいうわたしも、会社員時代からディレクションを行なったことがなく、ディレクション全体のことを教わったことがないですし、ヒアリングもデザイナーorコーダーとして同席するぐらいなので、ヒアリングはこういうもの、というイメージもいうほど具体的には持っていなかったです。

20年もの間ディレクションをされてきた田口さんが培って来たヒアリングの考え方やテクニックをあますところなくお話いただきました!

ウェブディレクターとは?

Thinking:良いヒアリングと悪いヒアリングの違いって?

ライブ受講者のみなさんへの質問。「良いヒアリング」と「悪いヒアリング」って何が違う?

コメント欄で挙がった意見はこんなかんじ。

良いヒアリング
・課題を引き出せる
・クライアントが言語化できないことを言語化させてあげる
・言葉にできない事柄を感じ取って言語化、思いを共有したことを認識させる
・ヒアリングされる側がリラックスできる話の場
・課題解決に必要なものが見つかる
・納品までスムーズにいく
悪いヒアリング
・相手が言語化できていることだけしか聞き出せない
・思い込みや誘導尋問で話してしまう
・お客さんが何をしたいかわからない
・型にハマった聞き方しかできていない
・要望とずれて二転三転する(トラブルが起きる)

良いヒアリングは「言語化できていないことを言語化する」「課題を見つける」というところが共通していますね。

悪いヒアリングは「表層しか掬っていない」という感じがあります。クライアントの本心を探れてなく、きちんと話せていないような印象があります。

逆に言うと、ヒアリングの場で「何ページぐらい必要ですか?」「サイト作る目的はなんですか?」みたいなことしか聞かないのは、ヒアリングの本質をとらえられていないとも言えそうです…
でも、実際大抵のヒアリングってそこから入ってしまうケースも多いのではないかと思います。

ヒアリングのポイント

「ヒアリングをすること自体」は誰にでもできるが、
「どんなヒアリングをするか」となると急激に難易度が上がります。
そこで、田口さんが今までのヒアリングで培ってきた、これを大事にしたいというポイントを「目標」「視点」の二つに分けて解説していただきました。

①目標=ヒアリングのゴール=そもそも何のためのヒアリングか

ヒアリングは事前に何のためにヒアリングするのかを決めてから行うというのが非常に大事。具体的には「次のアクション」を見据えること。
よくあるのが「あれもこれも無作為に聞いてメモしようとしてしまう」ということ。あっ耳が痛い!…すると、結局情報がとっ散らかってしまいます。

ヒアリングはインプットの場。その後にはアウトプットを行います。

ヒアリング後に行うアウトプットを見据えて話を引き出してくる、ということを意識します。具体的には、見積書をアウトプットするものとしたら、そのために何をヒアリングするのか、というように着地点を定めてから「今回はこれについてヒアリングしよう」と分けていくのが大事なことなのです。

当然のようで、実際はゴールを定めずに最初のヒアリングで見積もりも要件定義もサイト構成も〜と話してしまうことも多いでしょう。(お客さんが忙しいと、1回のヒアリングで色々決めないと…という思いもあるかも)
ですが、一度にあれもこれも話すとお客さんにとってもふわふわになってしまいそうな気がしますね。

②視点=ヒアリングの視点=ヒアリングは引き出す行為

ヒアリングは「クライアントの話を聞く行為」なのではなく「クライアントの話を引き出す行為」。
ただ話を聞くだけになると、クライアントが言語化できている情報しか拾うことができません。思っていることすべてを言語化することは普通とても難しいこと。相手が発したことが全てなのか、というとそうではないことが多いです。

言葉の行間だったり、遠慮して本音が言えてなかったり、言葉の額面だけではそれがすべて「真」であるとはいえないことはあると思います。特に初対面の人間に対してあますところなく全てを話せる人はそう多くありませんよね。

やはりここでいかに真意を、本音を引き出せるか…それがヒアリングのキモなのだと思います。

田口さんは、言語化された以外のクライアントが考えていることを、表情や仕草からも汲み取っていくということを重視しているとのことです。
まるでお医者さんのアプローチのように!

お医者さんは「あなたの病名なんですか?」なんて問診をしないですよね。色々な聞き方をして、表情だったり反応だったりを見て診断をする…これはお医者さんにとってのヒアリングです。患者の訴えてる症状だけで病名がわかるとは限りませんよね。
なのに、ウェブ制作となると、まるで「あなたの病名なんですか?」のように、クライアントは「それを知りたくて相談してるのに」という聞き方になってしまうことが少なくない。

「いかに工夫して相手から引き出すか」
これがヒアリングにおいて、もっとも大事で、難しいポイントになります。

わたしも今回のお話ではここが一番大事なところだと思います!
田口さんが実践されているヒアリングのテクニックのお話もありましたが、何よりこのヒアリングの目標と視点をどう持ってヒアリングを行っていくかが、クライアントの認識との誤差が少なく案件を進めていくための大きなステップになるでしょう。

ヒアリングで得られるもの

①クライアントとの距離感
ヒアリングの場でクライアントとの距離感が決まる。

②クライアントとの関係性
ただの下請け業者になるか、提案してくれるパートナーになるか(親身になることで信頼を得られ、次も相談してもらえる)

③制作側の存在価値
相手にとってどういう存在になれるか。最初の接触で決まってしまった関係性を覆すのは困難。最初のヒアリング段階で、相手に「価値を感じてもらえる」かを大事にする。
「一旦安く作ってくれる下請けさん」というポジションになってしまうと、ずっとその関係が続いてしまう。

制作をやっていると「作ったものに対して評価してもらう」ことに意識がいきがちですが、むしろヒアリング段階でどれだけ相手との関係を築き、信頼を築くかということのほうが大事なんだなと思います。

ヒアリング次第で行く末が大きく変わる!
ヒアリング段階がクライアントの熱量や集中力が高まっている瞬間!

今回の名言です。

最後に質問コーナー!

後半は、田口さんと登壇者による対談形式での質疑応答コーナー。今回は田口さんが登壇者なので、おひとりで受講者の大量の質問にお答えいただきました!!

A. まずはそのヒアリングで何を決めるべきかの着地点を決めておく。初めてのクライアントだとあえて複数回に分けることも(前回と話が変わってないかを測る意図も)。複数回に分ける場合でも、「最低限決めること」は決めると厳守します。

A. クライアントがヒアリングにどのぐらい価値を感じてくれるか。価値を感じてくれていたら、時間も取ってくれるし重要なメンバーが集まってくれる。事前にヒアリングの重要度を伝えることもある。ヒアリングに時間を割いてくれないのだとしたら、ヒアリングの重要度をクライアントに伝える努力がまず必要。

め、めちゃめちゃ刺さる〜〜…

A. まず専門用語を使おうとしない。専門用語を使うと、クライアントがわからなくてもそのまま流しちゃったりそれなんですか?って聞いてこないこともあるので、極力専門用語を使わない。誰が聞いてもそうとしかとれない表現を心がける。インターネットに詳しくない自分の親でもわかるように話す!!

初回からコメント欄も質問も大賑わいで非常に活気のあるライブ配信でした!

実はヒアリングの機会が訪れました

最初のほうで「自分はディレクションを行ったことがなくヒアリングも同席のみ」と書きましたが、この講義の後から、実際にわたし自身がディレクションから制作まですべてやる案件が発生しました。
よってヒアリングもほぼ初めて一人でやることになったので、早速講義で得たことを実践するチャンスです!

①今回はこういったことについてお話伺いますね という目標設定し、段階に分けて話す内容を決める
②いきなりサイトの要件決めから入らず、お客さんの事業の背景から聞いたりして、サイトを作りたいという思いなどを聞き取ってから具体的な制作の話に入る

といったあたりを意識して、ヒアリングデビューしました。
初めてだし完璧にうまくいく…とは言えなくとも、「なんか違う」が発生しないようにヒアリングをしていきたいと思います!

『現場学校02』を体験しましょう!

ライブ配信セミナー『現場学校02』は、生放送のライブ配信を見逃した場合でも、期間中「アーカイブ視聴」ができます!

参加チケットはこちらから
https://gbgk.jp/

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