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「スキャナー・ダークリー」(暗闇のスキャナー)

キアヌ・リーブスが主演したアニメ映画「スキャナー・ダークリー」です。主演と言っても声優をやったのではなく、まずキアヌ・リーブスで本篇をまるまる実写で撮影、それから時間をかけて実写フィルムを一コマ一コマ、トレースしてアニメ化したという変わった映画です。

確かにキアヌ・リーブスの顔と動きなのですが、実写ではなく手描きの絵であるという。これはロトスコープと呼ばれる古い技法で全篇が貫かれています。ロトスコープはディズニー「白雪姫」でも姫の動きに取り入れられていて、海外アニメでは割と一般的です。ただ映画の一部ではなく全篇ロトスコープというのは、ラルフ・バクシが70年代に発表したアニメ版の「指輪物語」とか、実は数少ないです。

つまり「実写みたいなアニメ」を全部実写トレースで手間をかけて作るくらいなら,最初から実写映画として作ればいいではないか、という当然の疑問が生まれるからですが、ロトスコープによる画面には実写なのかアニメなのかわからない独特の「気持ち悪さ」があり、この映画の制作者は「気持ち悪さ」をあえて狙ってこの方式をとったのでしょう。

原作はフリップ・K・ディック。ディックは何が現実で何が妄想なのか、意図的に分からなくなる物語を沢山書いており、その虚構と現実の間にある気味の悪い世界を「スキャナー・ダークリー」はロトスコープによって実現しているのです。

実際にどういう画面なのかは、ネットに予告編がありますので下のURLから見てください。

「スキャナー・ダークリー 特別版('06米)」
キアヌ・リーヴス / ウィノナ・ライダー / リチャード・リンクレイター

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