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宮崎駿「天空の城ラピュタ('86徳間書店)」

宮崎駿「天空の城ラピュタ」正規版Blu-rayです。開封していますが、一度も再生しておらず、盤面は新品同様です。

「風の谷のナウシカ」の2年後、1986年に「ラピュタ」は作られました。実は宮崎駿がNHKで「未来少年コナン」(1978)を監督した後、NHKのアニメ次回作として「ラピュタ」の企画が提出されていたのです。その時は不採用になったのですが、「ナウシカ」が当たったのを見たNHKはずっと眠っていた「ラピュタ」の企画書を出してきて、宮崎駿に是非作ってくれと言ってきたのですが、宮崎にはもうNHKと仕事する気がなく、断りました。その時の企画書が回り回って庵野秀明が監督した「ふしぎの海のナディア」になったのは知る人ぞ知る話です。

「ナディア」を観た私は、海賊の女ボスと男の配下とか、ラピュタと共通点が多いので、庵野監督に尋ねたところ、「最初はラピュタの企画書をNHKに見せられて、作れと言われたんですよ」
と聞かされて仰天しました。庵野監督は企画書を練り直し、「海底二万マイル」の要素を取り入れて「ナディア」を作ったのです。

閑話休題。「ラピュタ」は、宮崎駿が子供の頃に読んだ海賊が出る児童書や、福島鉄二の絵物語「砂漠の魔王」などの要素を取り入れて「ラピュタ」の話を作りました。因みに「飛行石」は「砂漠の魔王」に出てくるアイテムを使ったものです。

「ラピュタ」は、今や宮崎アニメのトップ3に必ず入る人気作品ですが、公開当時は、実はそれほどヒットしませんでした。しかし活劇映画としての面白さは、観たらすぐに分かることで、公開後、尻上がりに人気が伸びました。

冒頭の飛行船にドーラの海賊艇が乗り付け、船内に乗り込む場面、そして飛行石を持ったシータが足を滑らせて落下するまでの一連のシーンの見事さに、ピクサーのジョン・ラセターは驚き、スタッフには必ず見せると言うことです。

ラピュタのメカ描写はその時流行りだったヤマトやガンダムなどのメカとは全然異なった、19世紀テイストのアナクロな感覚ですが、「古さ」は、実は時代とは関係がないということです。それが普遍的であることは、その後の宮崎駿の長い活躍を見れば分かります。


「天空の城ラピュタ('86徳間書店)」
田中真弓 / 横沢啓子 / 宮崎駿
定価: ¥ 6800

https://jp.mercari.com/item/m71660630733
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