見出し画像

【SFオムニバス】トワイライトゾーン/超次元の体験('83米)

50年代から60年代にかけて米テレビで人気を博したSFドラマシリーズ「トワイライト・ゾーン(ミステリー・ゾーン)」を子供時代に見て影響を受けた、スティーブン・スピルバーグ、ジョン・ランディス、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラーら若手監督が集結してこのオムニバス映画は作られました。

スピルバーグはすでにヒットメーカーでしたが、ジョン・ランディス(「ブルースブラザーズ」)、ジョー・ダンテ(「グレムリン」)、ジョージ・ミラー(「マッドマックス」)はまさに新進気鋭の若手監督。

スピルバーグを中心に企画が進み、クランクインにこぎつけましたが、ジョン・ランディスの第1話「偏見の恐怖」撮影中に大事件が。主演俳優のヴィック・モロー(60年代の人気テレビ番組「コンバット」主演)が撮影中のヘリコプター事故で死亡したのです。同乗していた中国人の子役2人も亡くなりました。

作品は「人種偏見」がテーマで、人生のツキに見放された男(ヴィック・モロー)が酒場で黒人客がいる前で黒人差別の悪態を付き、店を出るとそこは見知らぬドイツの町。それも第二次大戦中のドイツなのです。モローは警備のナチス兵に咎められ、ユダヤ人と疑われます。

本当は、この後ベトナム戦争にタイムスリップしてベトナム人の子供を救出する話に繋がる予定でしたが、その撮影中に死亡事故が起き、ストーリーの改変を余儀なくされました。映画はナチス兵に捕まったヴィック・モローがユダヤ人を大量虐殺した強制収容所に送られるラストになってます。因みにモローもランディスもユダヤ人です。

この事故は訴訟となり、金額非公表の補償金を払って裁判は終わりましたが、この映画でジョン・ランディスが受けた精神的ダメージは計り知れず、その後の活動はパッとしません。

スピルバーグ「真夜中の遊戯」はいつものスピルバーグ印のファンタジー。「シャイニング」に出たスキャットマン・クローザーズが出ています。

ジョー・ダンテ「こどもの世界」は、どんな望みも瞬時に叶えられる子供のいる屋敷に閉じ込められた大人たちが味わう恐怖。

ジョージ・ミラー「2万フィートの恐怖」は、飛行機恐怖症の男がふと窓の外を見ると怪物がエンジンを齧るのが見え、叫んで人を呼んでも誰も信じてくれない恐怖譚。狭い機内を縦横無尽に動くカメラが凄いです。

全体としては面白い映画ですが、それだけにランディスのパートの事故死が暗い影を落とします。

https://jp.mercari.com/item/m40487100314
↑【メルカリ売り場】★

https://amzn.to/3g1aaBH
↑「トワイライト・ゾーン」DVD


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?