【今後の「21世紀の出版マニフェスト」について】
私がnoteに連載し、3年前に中断したままの「21世紀の出版マニフェスト」は、全体の構想はすでに出来上がっている。現在までに次の章を公開している。
1.町のパン屋さんのような出版社。
2.昔の本は高価(たか)かった。
3. 薄利多売の仕掛け人 神吉晴夫の巻。
明治大正の書籍は高価で、たとえば漱石の「吾輩は猫である」は価格が1円。明治30年代の1円は現在の貨幣価値で2万円近かった。これの初版が2000部なので、この売り上げはほぼ4000万円になる。これが大正3年までに毎年1000部増刷して35版まで行っているので、漱石が「猫」の総売上は単純計算だと1億4千万円。印税1割として1400万円。これを発行部数3万7000部で稼いだのだ。当時の本がいかに高価だったか、これでも分かると思う。つまり、高価な本を10年も20年もかけて少部数ずつ売るのが本来の出版の姿だった。
この出版ビジネスに大変革をもたらしたのが終戦直後の昭和20年に講談社から子会社の光文社に移籍した神吉晴夫(かんき・はるお)である。彼は同社でカッパ・ブックスという新書シリーズを創刊し、次々と100万部クラスのベストセラーを出して出版界の寵児となった。
と、ここまで書いて連載は中断しているが、それはこのまま書き進めるには勉強不足だと痛感したからである。
ちなみにこの後は、
4.薄利多売の仕掛け人・角川春樹の巻。
5.漫画単行本メガヒットの構造。
6.出版バブルの崩壊と電子書籍の台頭。
7.紙出版の新たな可能性。
と続く予定なのだが、調べねばならないことがあまりに多く、中断しているのは申し訳がない。ただ、現在やっているクラウドファンディングと、次に計画しているインターネットによる豪華本の世界販売は、「21世紀の出版マニフェスト」の結論部分の実践なのだ。
※クラファンについてはこちらのマガジンを参照
国際クラファンはこれから始めるので、それがどうなるかによって結論も違ってくる。願わくば成功させて、「21世紀の出版マニュフェスト」を完成させたいと思う。