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ジョージ・A・ロメロ「ゾンビ 米国劇場公開版('78米/伊)」

皆さんの大好きな「ゾンビ」ですよ。「ゾンビ」
にはバージョン違いが沢山あって、それぞれ編集や上映時間が微妙に違います。まあ、ストーリーは同じなんですがね。

今回出すのは「米国劇場公開版」というやつです。なら「日本公開版」とは違うのか? と思われるでしょうが、違うんですよ。1番の違いは、日本版には配給会社が制作したオープニングが勝手に作られて、足されているんです。

「19××年、ある惑星が爆発して地球に謎の放射線が降り注いだ」というテロップで、ゾンビ発生の原因が加えられてます。昔の映画会社ってかなり無茶苦茶やってますね。

多分これ、日本人にしか分からないゾンビ設定だと思います。オリジナルでは原因も分からずにゾンビが増えてきて、次々と人を齧ってそいつもゾンビになるというねずみ算式で増えていきます。

冒頭にテレビで評論家が侃侃諤諤つかみ合いの喧嘩をしながらゾンビ発生原因について語るシーンがあるんですが、そんな話には何の意味もない。とにかくゾンビは増えていき、退治するには銃でゾンビの脳を破壊する以外にないんです。

作中でゾンビが出てきた理由として「地獄が満員になったから」というセリフがありますが、結局説明はこれだけなんですよ。その後作られたゾンビ映画では細菌が理由とかありますけどね。バイオハザードとか。

「ゾンビ(DAWN OF THE DEAD)」は2作目で、実はこの前に「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」があるのですけど、これは長らく日本非公開だったので、日本人が最初に見たゾンビ映画は「ゾンビ」で間違いありません。

「ナイト…」で最後に生き残るのが黒人だったり、でも救出にきた白人が黒人もゾンビと間違えて●●●●たり、ロメロの社会派的な側面が垣間見えますが、「ゾンビ」ではヘリコプターで町を脱出して郊外の巨大ショッピングモールに立て篭もり、わらわらとゾンビが集まってくるんですが、これは「ゾンビは生前の記憶を元に行動する」からです。

舞台が消費社会の象徴であるショッピングセンターであることで、主人公がサバイバルできる理由になりますし、消費文明批判も伝わってきます。

ゾンビについては語りたいことが山ほどありますが、それは近く出品する「ゾンビ完全攻略Blu-rayセット」で語りたいと思います。そちらには「ゾンビ ディレクターズカット版」を入れる予定です。

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