見出し画像

【ゴケミドロ人形付き】佐藤肇「吸血鬼ゴケミドロ」('68松竹)

佐藤肇が松竹で撮ったSFホラーの傑作「吸血鬼ゴケミドロ」です。特撮をピープロダクションのうしおそうじが担当。日本映画の中では珍しいSFテイストのホラーで、設定・シナリオ・演出・特撮、その全てが良く出来ていて今見ても面白い映画です。

まず設定が面白い。山奥に不時着した飛行機。生き残った乗客の中に殺し屋がいて、さらにゼリー状の宇宙人に襲われるという、ただでさえ極限状態なのにダブルで極限状態がミルフィーユのように層を成しているという、とても84分の映画とは思えないてんこ盛りの映画です。

この映画は冒頭から不気味で、血のように真っ赤な空をジェット旅客機が飛ぶ場面で始まります。この真っ赤な空、クエンティン・タランティーノが「キル・ビル」でパクっていました。インタビューでもハッキリ「ゴケミドロから戴いた」と言ってましたよ。

さらにこの旅客機に爆弾魔が潜んでいるという当局からの通報が機長にあり、機長が乗客のカバンを調べるとライフルが見つかって、それは爆弾魔とは別口の殺し屋の寺岡(高英男)でした。

高英男の本業はシャンソン歌手で、戦後、「枯葉」とか「雪の降る街を」が大ヒットしました。役者としても映画に出ていて、それが殺し屋とか残酷な看守とかそういう役ばかりなんですよ。本人、そういう悪役が好きだったようで、嬉々として演じてます。ゴケミドロの寺岡という役、ただでさえ殺し屋なのにゴケミドロに憑依されるんですよ。

憑依される前から目張りした顔でヌメっとした悪役顔なんですが、宇宙人に憑依されるのがこれほど似合う俳優も居ません。

催眠状態の高英男が空飛ぶ円盤に近づくと、額がバックリ割れてそこにゼリー状のゴケミドロがズルズルと入っていく。憑依した人間の脳を支配して操るんですね。これはかなり怖いシーンで、名場面として有名。

「吸血鬼ゴケミドロ」の同時上映が丸山明宏(美輪明宏)主演の「黒蜥蜴」で、監督が深作欣二のこれも名作です。ある日美輪明宏と高英男が楽屋でバッタリ会い、高が「なに女の役やってんだよ」と美輪に言うと、「あんただってお化けの役じゃないの!」と返したとか。

ゴケミドロでネットを調べていたらゴケミドロに憑依され額が割れた高英男のミニフィギュアが売ってましたので、これをオマケに付けて出品します。

Blu-rayは一回だけ視聴。最近買った美品です。

ヤフオク出品>【ゴケミドロ人形付き】佐藤肇「吸血鬼ゴケミドロ」('68松竹)Blu-ray https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k1077486581

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?