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【廃盤Blu-ray】「モンティ・パイソン・アンド・ナウ('71英)」

モンティ・パイソンの映画第1作。TVの傑作スケッチを集めて劇場用に撮り直したもの。大名作「恐怖の殺人ジョーク」も収録! 

モンティ・パイソンは1969年に結成されたイギリスのお笑いグループ。同年BBCが番組を放送しました。

日本では1976年に東京12チャンネル(現テレビ東京)で放送され、彼らのコントがあまりに知的で新すぎたため、スタジオに司会の今野雄二とタレントが集まって彼らを紹介し、ついでに蝶の形をした蝶ネクタイを締めたタモリが芸を披露していました。タモリがテレビに出たのは多分これが最初だったと思います。

今野雄二は60〜70年代に活躍した翻訳者・映画評論家・音楽評論家で、テレビで海外の流行の最先端を紹介していたトレンド・ウォッチャー。この人が紹介するのだからこれはお笑いの世界的最先端なのだ、と言いたかったのだと思います。

私も観てましたが、意味がよくわからないコントもありました。ただその中に「恐怖の殺人ジョーク」があり、確かにこんなお笑いを観たことがなく、死ぬほど笑いました。

第二次大戦中のロンドンで、ある売れないお笑い作家が「生涯でただ一度のギャグ」を思いつく。それを読んだ彼は笑いが止まらなくなり、遂には心臓麻痺を起こして死んでしまう。それを見つけた家族も彼が手にしていたギャグの原稿を読んで笑い死ぬ。

警官が駆けつけるが、警官も死亡。ギャグ作家の家には非常線が張られ、軍隊が出動して多くの犠牲を出しながらギャグを回収。当然、軍は対戦中のドイツ軍にこのギャグを武器として使うことを思いつくが、一体誰がこれをドイツ語に翻訳するのかという問題が。

何人もの翻訳家が犠牲になり、何とか翻訳に成功して前線に投入、次々笑い死ぬドイツ兵を見て、ヒトラーはこれを上回るギャグを開発するよう命じる……。

というものですが、このスケッチ(お笑い寸劇)のポイントは、それが具体的にどういうギャグなのか一度も出てこないことです。それでも笑いながら人が死ぬリアクション自体が面白い。

一種のメタ・コントであって、凄く知的なコントです。しかも面白い。これには凄く影響を受けました。

もう一つ、「日本版モンティ・パイソン」は広川太一郎や山田康雄・納谷悟朗などの一流の声優が声を当てていて、これがあって日本版独自の魅力になっています。もちろん、日本版音声もバッチリ収録されています。

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