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中小企業が「人事評価制度」で強い組織を作る方法 Vol.5

[その4]~「導入のための注意点」を知る

中小企業が人事評価制度の設計をした後、実際に導入する際の注意点は大きく2つあります。「納得感」と「最初から100点を目指さない」ということです。以下、それぞれについて説明します。

「納得感」を大切にする!

給与や評価は納得感が“要”です。「理屈として正しい」とか、「理想的なシステムである」といったことだけでは人は動きません。
 
この納得感を生むためには、幹部社員を人事評価制度のプロジェクトに参加させる、他の社員には導入説明会をしっかりやっていくことが望まれます。重要なポイントは、プロジェクトや説明会の場で「社員の成長を支援するものだ」というメッセージを放つことです。人事評価制度は、何らかの評価をして、それに基づいてお金を払うだけのシステムではない、という理解と合意形成が必要です。
 
社員にとってこうした新しい取り組みは、実は好ましいことではなく、もしかすると少し怖いことかもしれません。そこに安心感を持って「何かが改善されるんだ」という意識で受け入れてもらうためにも、いかに上手く伝えられるかが重要になってくるのです。
 
そして、システムがうまく機能するように、以前の回で述べた“1on1”をやったり、フィードバックを行ったりする、という流れになります。注意すべきは、期末のみのタイミングで、できなかったことを伝えるだけの場にならないよう、月に1度、あるいは3ヵ月に1回など定期的な1on1を行い、目標と現状のギャップや、うまくいっている部分をきちんとフィードバックすること。ここが大切です。
 
社員の成長がこのシステムでは一番大きな内容です。そこを丁寧に伝えることで、社員にも一歩を踏み出す気持ちが芽生え、積極的に取り組んでいただけるようになります。そのきっかけを作る場として、導入説明会は大変重要です。

最初から100点を目指さない!

スタートから100点主義だと、いつまで経っても制度は動きません。6~7割作ったところで運用しながら細部を突き詰め、徐々に改善を進めて、より良いものに近づけていくことで納得感も高まる、という流れが理想的です。
 
この流れの中でキャリアパスを作り、評価システムをまわし、給与システムに反映していくわけですが、制度だけでは想定外のことも出てきます。例えば社員には、ポジティブな方もいればネガティブな方もいるでしょう。それに対して個別に対応し、声を拾いつつ制度を運用しながら、納得感を高めることで会社が良くなっていきます。
 
つまりは、制度のピークをどこに持ってくるか、ということです。導入前ではなく、運用開始後にピークがくるようにするためにはどうすれば良いか、詳細は動画をご覧ください。
 
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本記事はWebセミナーのダイジェスト版です。より詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
 
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