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中小企業が「人事評価制度」で強い組織を作る方法 Vol.4

[その3]~「成功のSTEP」を知る

人事評価制度を導入して強い組織をつくるには、どうしたらいいのでしょうか?
実は、シンプルなルールがあります。「正しい目的のもと、3つのツールをつくり、それを運用する」ということです。これに尽きるといっても過言ではありません。
 
その“3つのツール”は、以下の通りです。順を追って説明します。
 
A:キャリアパス(目標設定)
B:評価システム
C:給与システム
 

キャリアパス(目標設定)

聞き慣れない言葉かもしれませんが、社員が成長していくための目標設定について、会社が指針を示すということです。社員個々の現在の位置づけと、将来への道筋を示していくことで、現在の自分から未来の自分へ、成長の階段を上っていくことができるようになります。
 
社員は個人のキャリアプランを持っているかもしれませんが、それが会社の理想と合致するとは限りません。会社にどう貢献して、その結果自分がどう成長するのか、という道筋を会社側から説明していく必要があります。
 
このキャリアパスでは、会社の理念の理解度、求められる成果、必要とされる業務スキル、おおよその到達年齢、年収のレンジなどを示していきます。
このイメージを社員に持ってもらうためには、しっかりしたキャリアパスが描けるかどうかが重要です。中小企業には様々な波がありますが、それを越えた先に何があるのか、という社長のビジョンを示していくことが大切なのです。見通しがあるかないかで、人事制度の意味合いも大きく変わってきます。

評価システム

前述のキャリアパスをもとに社員が成長すると、組織が強くなって、業績が上がっていきます。この“成長”の段階を正しく上れているかチェックするシステムが、評価システムです。評価の基準として、以下の3つが挙げられます。
 
□価値観:会社の一員として大切にすべき考え方ができているか評価する
□スキル:最終成果を得るために必要な努力・行動ができているか評価する
□目標達成:各自がビジョン達成に向けた目標を立て、達成度合いに応じて評価する
 
この中でも、「価値観」はとりわけ重要です。会社にはそれぞれ、“ビジョン”とか“バリュー”といった、大切な理念があると思います。そうしたものをどのように実現し、どのようなマインドで行動していくのか、社員にも共有していく必要があります。
 
中小企業における評価システムは、目標達成とスキルに重きを置いて、その評価で終わってしまっているものが多いのですが、実は中小企業こそ、社員の「価値観」を見つめ、それを評価することが重要なのです。
 
この評価システムの運用の仕方、及びこれに続く「給与システム」についての詳細は、図説もあってより分かりやすい動画をご覧いただければと思います。これら3つのツールをしっかりつくることが社員の成長につながり、組織の強みになり、それが回りまわって生産性向上として返ってくるのです。
 
※次回は、実際の運用に向けた「導入のための注意点」という話をいたします。
 
 
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本記事はWebセミナーのダイジェスト版です。より詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
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