抹茶プロテイン

コーヒーと紅茶と筋トレと読書と気持ちと妄想と日々の出来事の記録に。

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最近の記事

【朝に書く1,000字恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼 #10】

フライトが遅延したらどうしよう、と心配してたけど、予定通りに出発できてよかった。遅れたら時間が勿体ないな、とか、空港で待ちぼうけだと疲れちゃうかな、とかあれこれ心配していたわけ。でも、予定通りで、隣には、彼女がとにかくウキウキして、これまで見たことないような、とびっきりの笑顔であれこれと話しかけてきてて安心してる。 離れている間は、オンラインでたくさん話してきたけど、やっぱり体温を感じながら、とりとめもない会話をすることが何よりも大切なことで、幸せなことだよね。 離陸して、

    • 【朝に書く1,000字恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼 #9】

      飛行機は時間通りにデンパサールに着陸した。 フライトの間は彼の肩にピッタリとくっついて、本を読んだり、写真を撮ったり。機内食も出たんだけど、私は食べないで、彼が食べているのを少しだけもらったの。チキンのカレー煮込みみたいなので、美味しかった。インドネシア料理なのかな。 彼と私の間の肘置きをあげて、ピッタリくっついて、2時間のフライトは、あっという間に過ぎちゃった。 彼の腕につかまって、空港ターミナルの外に出たんだ。白い壁に囲まれた通路を抜けて、外に出たら、青い空、真っ白な雲

      • 【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼 #8】

        「そろそろ出発だよー」 「うん、あと3分待ってー。これを入れたら出れるから」 と彼女。準備はいつも30分遅れになっちゃうんだど、今日は、3分でできたみたい。30分遅れを予想して、時間を組み立てるのも僕の役割なのだ。 まだ6時半。早い時間だったこともあり、空港までの道はガラガラ。あっという間に到着した。フライトは10時。心配性だけど、これは、さすがに早すぎた。 「ねー、ねー、まだ3時間もあるねー」 手を繋ぎながら、いたずらっ子の笑顔で微笑んでくる。あ、バカにしたなー。

        • 【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#7】

          2人で一緒に準備をして、アパートを出発した。まだ朝早い時間だったから空港まで順調で、フライトの3時間前に着いちゃった。 彼は本当に心配性。でも、その心配性にたくさん守られたんだ。だから、そんなところもとても好き。彼は、もっと男らしくしてたいみたいなんだけどね。 「空港、大きいね−」 フライトとホテルは彼、到着してから何をするかは私の当番なんだ。だから、バリに着くまでは、甘えてくっついて行くだけ。2人の荷物を1つのスーツケースに入れて、お揃いのサンダルを履いて、くっついて歩

        【朝に書く1,000字恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼 #10】

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#6】

          遠くにアザーンが流れている。ここのところ、仕事もうまくいかずに、よく眠れない日が続いていたけど、今日は久しぶりによく眠れた。何の不安も感じない夜は、静かで、深いんだな。隣には彼女が目を半分開けてる。うーんと伸びをして、目が合った。 「おはよう」 ベッドの中、彼女の中に潜りこんで、一緒に過ごせる朝の大切な時間を、ゆっくりと過ごしたい。自由に会って、ふれあえて、本当はもっともっと行き来できるはずだったのにこの2年間はできなかった。普通でいられることは、貴重なことなんだ、なんて

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#6】

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#5】

          窓の外から、歌声のような、お祈りのような、心地よいリズムのメロディーが聞こえてくる。あ、これがアザーンなのかな。彼に会いにきたんだ。目を少し開けて見ると、まだ寝息だ。ベッドの中は、心地よい涼しさと暖かさで、安心に包まれている。来たなんだなー。隣で彼がうーん、と大きな伸びをした。 「おはよう」 久しぶりに一緒に目覚める朝。この瞬間が、すごく幸せ。すぐに終わっちゃうのはもったいないから、この時間を満喫するんだ。手を繋いで、くっついている時間は宝物だからね。 今日は小旅行に行

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#5】

          【朝に書く1,000字恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#4】

          もしかすると渋滞してるかもしれないよ。トイレは大丈夫か、と聞いたら、 「うーん、そうだね、一応行ってくるね」 と、少し不安そうな顔をして、2Fの出発ロビーに向かっていった。彼女、少し痩せたかな。スーツケースと上着を預かって、吹き抜けになっている2Fを見上げた。キョロキョロしてるけど、ちゃんと見つけたみたいだ。 トイレは清潔?怖くない?、と心配していたら、帰ってきた。ちょっと遠くから手を振るときの、ぎこちない笑顔。本当に来てくれたんだ。 車に乗り込み、出発進行。 「フライト

          【朝に書く1,000字恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#4】

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#3】

          「うん、念のためお手洗いに行ってくるね。」  彼が渋滞があるかもだからって。会ったばかりで、離れるのが嫌だったけど、こればかりは仕方がないよね。トイレは、2階の出発ロビーに。意外と清潔で、少し安心した。やっぱり座るの怖いからね。  2階から見下ろすと、彼がスーツケースと上着を持って、心配そうに見上げてる。顔を出したら、すぐに見つけてくれた。安心に包まれてる。  ターミナルビルを出て、スーツケースを引いてくれてる彼の後ろ姿を見ると、やっと会えたよ、って実感が湧いた。  久

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#3】

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#2】

          2年ぶりの夏休み。早朝に成田を飛び立った彼女を待っている。 空を見上げると、透き通った青。気持ちが高まる。 フライトは順調なようだ。 早めに買い物に行こう。いつものスーパーが、今日は特別なスーパー。 部屋を掃除し、準備をする。躍り上がりたい気持ちを抑えられないから、テキパキ動いているのだ。 夜ごはんも仕込んでおこう。玉ねぎ、キノコ、ソーセージがかわいく見えるし、トマトもキラキラしてる。嫌いなニンジンも今日は美味しそう。 丁寧にカット。オイルも控えめに。優しく調理する。 グ

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#2】

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#1】

          シートに身体をあずけて、わくわくとドキドキが心に、青い空と、白い雲が心に広がっているの。シートベルトを締めて、彼に会いに行く。長く触れられない時を越えて、体温を感じれる瞬間を。 明日からどこに行くかな、何を食べるかな、食べたいものはあるかな、ウキウキばっかりのフライト。到着まで7時間半、楽しくて、幸せな時間。だけど、とんでもなく長く感じる時間。 少しだけ早く着陸。気持ちが通じたのかな。タラップに出ると南国の匂いが身体中に飛び込んでくる。あと少しで会えるんだ、とウキウキし過ぎ

          【朝に書く1,000字 恋愛小説:2年ぶりの彼女と彼#1】