旅行中の怪我は功名を産まない

観ていない映画のネタバレ、通学時の遅延、突然の臨時休業。

世の中には予期せぬ嫌な出来事が色々あると思うが、その中でも特に「旅行先での怪我」は起きて欲しくない出来事として名高いはずだ。

そんな旅行先の怪我を、このたび僕は経験してきたので、旅行先での怪我はいったいどんな影響を与えるか、語ろうと思う。

まず、最大にして最悪な影響として挙げられるのは、「旅行スケジュールを狂わせる」だろう。

言わずもがな、僕たちが立てる旅行先のスケジュールは、「健康であること」を第一条件として、それがクリアされていることが前提となっている。
だから当然のように、10:00~12:00 療養、19:00-21:00 リハビリ、などのメディカルな時間は確保されていない。

だが怪我をすると、急にその時間割がサイレンを鳴らしながら割り込んでくる。13時に出発する予定が、怪我の診察と治療のせいで時間をずらす必要に追われてしまう。
特に怖いのが、地方を電車で周遊するタイプのハードめな旅行。
次の電車を逃したら後3時間は電車が来ない、なんてこともざらにある。
実際に僕の場合も、予定の電車を乗り過ごすと2時間待たなきゃいけなくて、今日中に宿泊地に着かない、なんて惨事になりそうだった。

スケジュールフリーでのんびり寛ぐ人にはそれほど影響はないかもしれないが、手負いのまま旅行を予定通り実行するのは本当に難しいことなのだ。

次に挙げられるのは「テンションが下がる」ことだ。

これは誰しも想像のつく話かもしれないが、旅行先で怪我をすると本当に面白い具合にテンションが下がる。
特に一人旅の場合は、本当に辛い。
僕が自転車ですっころんで、左半身に3か所の痛手を負ったのも、北海道のだだっ広い水平線を見た後だった。
興奮してボルテージが最高潮に達した後に起きた怪我だったから、その熱量の強さの分だけマイナス側へと振り切れた。
一人旅なんかは、無言の退屈な時間とも捉えかねない可能性を、強い興味と熱量でやっつけてるようなものだから、怪我によって戦意喪失した瞬間に後の時間が本当に地獄になる。
擦り傷のあとの温泉なんかは特に最悪。
いい湯だな~バババン♪と極楽気分を味わうつもりが、傷口を強酸性のお湯につけてひたすらにズキズキと痛みを味わうという地獄修行へと変わってしまう。
生憎、半沢直樹のシーズンだったため、歯を食いしばりながら苦悶の表情で湯につかる自分の姿を「まるで大和田常務の土下座だな」と思うことができて少し気は紛らわせたものの。
ご褒美が苦行へと変わるのは本当に辛いものである。

今となっては、時が解決してくれたおかげで良い思い出?と化しつつはあるが、やはりあの瞬間の絶望はもう二度とは味わいたくはない。

旅先でXデーが来ないように。そう願うばかりだ。


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